北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

長崎県波佐見町の財政状況(2016年度)

🏠波佐見町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 工業用水道事業


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

指数算定の分子となる基準財政収入額については、地方消費税交付金の増加、大規模家屋建設による固定資産税の増、併せて法人税割の増があったため前年度から増加した。一方、分母となる基準財政需要額については、国勢調査で人口が減少したことによる測定単位減、トップランナー方式による単位費用減があったものの、社会福祉費や高齢保健(65歳以上)、地方創生関連に関係する個別算定経費が増加した。上記の結果、基準財政収入額の伸びが、基準財政需要額を上回り、若干指数は改善し、町内窯業関係の景気上向きや工業団地進出企業の税収増の見込みがあるものの、障害者総合支援や子育て支援拡充等の行政需要の伸び率が近年大きいため、本町の指数0.41は類似団体平均0.46や全国平均を下回っており、依然として脆弱な財政基盤となっている。

経常収支比率の分析欄

類似団体平均より1.6%低いが、前年度に比べ2.0%悪化した。これは、分母となる歳入の普通交付税削減の影響で、平成28年度の経常一般財源(臨時財政対策債含む)が前年度に比べて93百万円減となったことが大きな要因であるが、その他にも、経常的な人件費や補助費、公債費の歳出額は減少している一方で、認定こども園等に係る子育て支援経費や障害者総合支援関連経費などの扶助費が増加していること、後期高齢者医療費の伸びに伴う繰出金が増えていることによって、経常一般財源の持ち出しが増えていることも比率悪化の要因である。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

今年度についても、類似団体の中で最も低い結果となり、全国や長崎県平均に比べ大きく節減できている。人件費においては、類似団体平均の85,150円に対し、44,075円であり約48%低い。これは、職員の退職に伴う入れ替え効果が続いていることと、類似団体と比較して人口に対する職員数が少ないためである。一方、物件費等の42,113円も類似団体平均の87,434円に比べて約52%低い。これは、中期計画策定時の審査と予算要求時における必要最小額の計上、臨時的なものを除き、原則として前年度予算額を上限とした査定、さらには、執行段階での経費節減の徹底によるものである。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均及び前年度より1.0ポイント高いの97.4ポイントとなっている。本町の場合は、人口千人あたりの職員数や人口1人当たりの人件費は、類似団体よりも低くなっているものの、比較となる国家公務員や類似団体の職員の年齢構成や職員数、更には異動による対象者の変動もあるため、一概に論じにくい面があるが、職員の年齢構成が部分的に偏っているため、ラスパイレス指数自体は高い傾向にあると分析している。今後についても、各年における人件費の平準化を図るうえでも、年齢構成に配慮した採用と配置を実施することが必要である。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成17年度に策定した行政改革実施計画(集中改革プラン)により、公営企業会計を含めた総職員数を115人から平成28年度に105人(-8.7%)に削減し、全国市町村の取り組み目標値である-8.5%より高い基準で職員数の削減を実施したことにより、人口千人当たりの職員数は長崎県平均で2人、類似団体平均よりも4人以上少ない値となっており、類似団体の中でも最も少ない結果となった。今後においては、行政事務の複雑多様化や行政需要が拡大傾向、新たな施策に対応するため職員数の増加は避けられないが、今後においても適正な定員管理を継続し、行政事務の効率化及び職員の能力向上を図るとともに、再任用制度の運用などによって住民サービスの維持や向上を図っていく。

実質公債費比率の分析欄

類似団体平均に比べ2.8%高い結果となったが、前年度に比べ1.0%改善した。本町においては、過去の大型事業の地方債償還額が依然として大きいため比率が高止まりしているが、ここ数年の経過をみると平成22年度に実施した繰上償還(計306百万円)、一部事務組合(東彼地区保健福祉組合)が起こした地方債の償還終了に伴う準元利償還金の減少によって改善傾向にある。しかしながら、将来負担比率と同様に公共下水道の公債費に対する繰出金増、清掃工場の建替に伴う新たな組合への公債費負担額が数年後から増加する見込みであるため、大きな改善は見込めない状況である。このため、自主財源の確保に努めつつ、建設事業発行については交付税措置のあるものを主とし、起債借入額は当年度の元金償還額以下を基本とした財政運営を徹底していく。

将来負担比率の分析欄

年々改善傾向あった将来負担比率については、0%にまで改善できた。これは、元利償還額を上回らない地方債発行の抑制で順調に地方債残高が減少していること、町営工業団地や公共下水道事業債が減少したこと、基金積立に伴い充当可能財源が増加したことが主な要因である。指数は改善しているものの、今後においては過去に整備した公共下水道施設の償還本格化による公営企業債償還額への繰出額増加、東彼地区保健福祉組合の清掃工場の建替に伴う組合への公債費負担額が数年後から増加する見込みであるため、大規模建設事業の実施については、後年度の財政措置を考慮して可能な時期を判断し、併せて実施後には借換や繰上償還等により、将来の負担を軽減できるよう財政の健全化を図っていく必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

経常収支比率に占める人件費の割合は16.9%となり、類似団体に比べ5.3%低いが、前年度に比べ0.2%高くなっている。これは、議員報酬等や職員の共済組合負担金については減少しているが、給与改定による増や分母となる経常一般財源の減少が大きいためである。また、本町の人口1人当たりの人件費決算額は45,075円であり、類似団体平均85,150円と比べ約46%削減できている。事業費支弁費人件費等の人件費に準ずる費用を含めた人口1人当たりの決算額も53,344円で、類似団体平均の106,172円と比べても大きく節減できているため、今後においては、職員数の適正な定員管理等に努め、人件費の抑制を続けていく必要がある。

物件費の分析欄

物件費の経常収支比率は、前年度より0.6%悪化しているが、平成18年度から予算要求段階での経常的経費の毎年-5.0%削減を実施している効果で、今年度も類似団体平均に比べ4.7%良い結果となっている。平成28年度においては、臨時雇用賃金が4百万円減少したものの、電算関連の保守委託料やリース料で13百万円増、電気料高騰による光熱水費が増加したことで経常的なものが前年度よりも15百万円増加し、併せて分母の臨時財政対策債を含む経常一般財源が92百万円減少したため0.6%悪化した。なお、人口1人当たりの決算額は、物件費全体で42,113円であり、類似団体平均87,434円と比較すると約52%抑制できている。

扶助費の分析欄

本町の財政構造の大きな特徴として、扶助費の構成割合が突出している。扶助費については全国的に増加傾向にあるが、人口1人当たりの決算額は96,625円(前年度87,169円)で、類似団体平均の60,165円を上回り、昨年度の伸び率よりも大きくなっている。これは、町内2園の認定こども園移行や処遇改善に伴って給付費が大きくなったこと、未就学児童(特に0歳児)の保育所入所率が高く、保育料階層区分で低額負担の階層世帯が多いうえ、第2子の保育料軽減も行っていることが要因である。また、障害者総合支援や養護老人ホーム入所措置費なども増加傾向にあるが、肥大化を招くことがないよう適正に運用する必要がある。

その他の分析欄

繰出金の経常収支比率は、16.2%で、前年度に比べ1.0%悪化した。これは、医療給付に係る後期高齢者の医療給付費増に伴う広域連合への負担金増、積極的な介護予防事業実施に伴う介護保険、浄化センターの高度処理に係る元金償還が始まったことによる公共下水道事業への公債費負担増で特別会計への繰出金が前年度より21百万円したためである。維持補修費の経常収支比率は0.8%で、前年度より0.1%増加している。これは、道路や町営住宅の老朽化に伴う維持補修が必要となっているためであり、公共施設の老朽化が進む中、優先順位を決めて計画的に実施していく必要がある。

補助費等の分析欄

補助費等の経常収支比率は、類似団体平均に近い13.8%となり、前年度から0.7%改善している。これは、補助費等のうち、し尿処理施設に係る東彼地区保健福祉組負担金の7百万円減や広域消防業務委託の20百万円減が改善の要因である。一方、人口1人当たりの決算額は56,129円で、昨年度より2,306円増加しており、過去の集中改革プラン等による補助金30%の一律削減等を行った効果が人口減少によって薄れてきているため、今後においては、奨励目的で当初目的が薄れたもの、小額補助で効果が少ないものは、順次廃止するなど削減に努めていく必要がある。

公債費の分析欄

過去の総合文化会館建設等の大型事業を短期間に実施し、その借入が多額であるため、類似団体平均よりも高位で推移していたが、平成11年度に長期財政計画、平成12年度に公債費負担適正化計画を策定し、投資的経費の削減によって地方債の発行を抑制したことで、ピーク時(平成10年度末)に81.7億円あった地方債残高を平成28年度末には約25%減の61.6億円まで圧縮し、臨時財政対策債を除く建設事業債等は36.2億円まで削減した。今年度の公債費も、前年度から11百万円減となるなど、順調に償還額が減少しているが、依然として類似団体平均より比率が高いことから、今後も起債発行抑制に努めながら計画的な事業実施を進めていく。

公債費以外の分析欄

ここ数年66%前後で推移し順調に改善していたが、今年度は平成24年度と同程度の67.9%になり、類似団体平均との差も昨年度3.7%に対し、今年度は2.4%となっている。本町においては、人件費や物件費が低位で推移しており、後期高齢医療費負担や浄化センター高度処理に係る下水道公債費繰出の繰出金が増加傾向にあること、障害者総合支援事業拡充による扶助費の伸びが著しいことから、若干の増減はあるものの同水準で推移するものと考えられる。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

本町の歳出決算総額は60億13百万円で、目的別構成比の主なものとして民生費36.3%(21億80百万円)、総務費11.6%(9億97百万円)、公債費11.3%(6億77百万円)があげられる。民生費については、類似団体と同様年々増加傾向にあり、中でも平成25年度に「障害者自立支援法」が「障害者総合支援法」となり、近年の伸びが大きく前年度から23百万円増、子育て支援推進による放課後児童クラブ施設整備や処遇改善で23百万円増となっている。そのほか、臨時的要因であるが、年金生活者等臨時福祉給付金53百万円の実施が民生費増加につながっている。総務費については、類似団体平均を下回り近年横ばいとなっているが、平成25年度において増となっている理由は、地域の元気臨時交付金を原資とする地域活性化基盤整備基金、庁舎建設基金やふるさと創生基金などの積立金が2億61百万円増加したことによるものである。平成27年度においては、地方創生関連の60百万円やマイナンバー関連のシステム改修、旧中央小学校講堂兼公会堂耐震補強修復に伴う実施設計などを実施し、平成28年度においては、旧中央小学校講堂兼公会堂耐震補強修復工事の着工、セキュリティ強化対策、ふるさとづくり応援寄附金増加に伴う積立、町制60周年記念事業を実施した。公債費は、経常経費分析表(経常収支比率の分析)でも述べたように、平成11年度に長期財政計画、平成12年度に公債費負担適正化計画を策定し、ピーク時(平成10年度末)に81.7億円あった地方債残高を、平成28年度末には約25%減の61.6億円まで圧縮した結果、近年横ばいで推移している。商工費が前年度に比べ39.6%伸びているのは、販路拡大や生地業の人材育成事業、町営工業団地進出企業に対する奨励金、ラッピング事業などの地方創生関連、観光客受け入れのトイレ設置事業など交流人口拡大やPR策を積極的に行った結果である。本町の目的別歳出を全体的に見ても類似団体平均と比べて良い結果となっているが、性質別歳出と同様に民生費の扶助費について適正な運用で漫然と肥大化させないことが今後の課題であり、町民の声に応える弾力的な財政運営を目指していく必要がある。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり401,223円となっており、扶助費、災害復旧事業費、貸付金を除いて、住民一人当たりのコストは類似団体平均より削減できている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり44,075円となっており、類似団体の中で最も低い結果となっている。これは、以前からの職員数の適正な定員管理により、今年度においても人口1,000人当たりの職員数が類似団体と比較して4人以上少ないうえ、職員の退職に伴う入れ替え効果が続いているためであるが、数年後には退職者数が少なくなり、人件費の増加傾向がが予想されているため、採用数や年齢構成について今後も適性に管理していく必要がある。また、物件費についても類似団体平均に比べ45,321円低くなっている。これは、中期計画策定時の審査と予算要求時における必要最小額計上の徹底、臨時的なものを除き、原則として前年度予算を上限として査定をしていること、さらには執行段階での経費節減の徹底によるものである。一方、扶助費については類似団体平均を依然として上回り、近年の伸びが著しい。今年度も昨年度より9,456円円高くなっており、約10%伸びている。本町の財政構造の特徴は扶助費が突出し、中でも児童福祉費について類似団体平均を大きく上回っている状況である。これは、保育所等の子育てに関する環境が以前から整備されており、保育所等への支援を積極的に行っていること、平成28年度に町内2園の認定こども園移行支援を行ったためである。また、障害者自立総合支援制度の定着によって、平成26年度以降の扶助費の伸びが著しくなってきているため、漫然とした肥大化を招くことないよう、今後において適正な運用をしていく必要がある。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

標準財政規模について、標準税収入額が前年度から91百万円増加したが、普通交付税53百万円減、臨時財政対策債発行可能額が38百万円減となったため昨年度と同規模となり、財政調整基金も利子相当分の1百万円増のみであるため、標準財政規模に対する比率については昨年度と同程度となった。実質収支額については、災害復旧を中心として、前年度に比べ翌年度に繰り越すべき財源が33百万円増加したことに伴って減少し、単年度収支についてもマイナスとなった。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

いずれの会計も黒字決算であり、特に問題はない。平成28年度一般会計の一般会計の率が低くなっているのは、平成28年度に例年にない数の災害が起き、多額の一般財源を繰越財源として要したためである。上水道企業会計は、起債償還額のピークを過ぎたことや世帯数の増加により利用料が増収になっていることから黒字額が増加した。一方、国民健康保険、介護保険、後期高齢者医療保険事業などについても、一般会計からの繰出金を適正に行っていることから、平均的な水準となっている。今後についても、適正に予算編成及び執行管理することで黒字を維持していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

普通会計の元利償還金は、昨年度7億円を切り減少傾向であるとともに、実質公債費比率についても平成22年度の17.2%をピークに年々改善している。分子については、平成6年や平成7年に借り入れた道路改良事業の償還完了に伴って、普通会計の元利償還金が今年度も減少した。一部事務組合(東彼保健福祉組合)のし尿処理施設整備に係る償還が完了し、普通交付税で措置される事業費補正・公債費補正が公債費を上回ったことから一部事務組合に係る準元利償還金は発生しなかったが、、公営企業債である公共下水道事業債が、高度処理施設の元金償還開始により増加傾向であるため、算定分子の大きな改善につながりにくい状況となっている。また、過去の大型事業で借り入れた旧地域総合整備事業債について、交付税措置の算入期間が終了した後も償還が続いていることが指数改善につながらない要因の1つでもあるため、数年間は現在の指数で推移すると見込んでいる。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

年々改善傾向にあった将来負担比率については、0%(H27年度5.8、H26年度23.8)にまで改善できた。これは、一部事務組合の清掃工場建替に伴う地方債発行額が4億57百万円と多額であり、組合基金残高を除いて本町の賦課率を乗じた額で1億44百万円増加したが、償還進捗によって一般会計の地方債残高が2億9百万円減、町営工業団地や公共下水道事業債残高の減少に伴って、公営企業債等への繰入見込額も70百万円減、さらには、将来負担額から差し引かれる充当可能特定財源等について、順調に基金積立を行っていることで充当可能基金が93百万円増えたため、将来負担比率の分子となる額を減少させた。今後において、地方債残高はさらに減少見込みであるが、老朽化に伴う施設改修への基金充当と近年の社会保障関連の著しい伸びによる基金積立額の鈍化、普通交付税で措置されている公債費補正等の減少、職員数の増加に伴う退職手当見込み額増など状況は変化していくと考えられるため、将来負担比率は発生し、増加していく可能性がある。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体より減価償却率が低い状況ですが、近年、町営住宅の建替え等を行っており、償却率を押し下げる影響が出ています。平成27年度時点で50.4%ということで、およそ適当なペースで償却、再投資が進んでいるといえます。ただし今後、老朽化とともに減価償却が進む一方で、財政運営の厳しさから十分な再投資が出来ない可能性があります。効果的な再投資、施設の維持・管理・活用方法について、十分な検討を行っていく必要があります。

債務償還可能年数の分析欄

ここに入力

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体に比べ、将来負担比率、減価償却率ともに低い状態となっています。将来負担比率については、行財政改革の一環として、起債額の圧縮、交付税措置のある起債の活用、将来の投資を見据えた基金の積立に努めており、その効果が出ている考えられます。減価償却率については、十分な再投資が出来ているとは言えないものの、前述した公営住宅の建て替えなどで押し下げられている状況です。今後は、一部事務組合の施設建替や、町施設(庁舎、町営住宅、大規模修繕等)への投資が見込まれ、それに伴う起債額の増や基金の取り崩しも想定されています。そのため、将来負担比率の増加を見込んでいます。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率は、他団体に比べて低い値で推移しているものの、前述のとおり、今後増加していく可能性が高くなっています。実質公債費比率は他団体に比べて高くなっていますが、これは財政規模を考慮したうえで、財政運営における起債の償還にかかる負担が他団体より大きいを示しています。前述した行財政改革の取り組みにより、年間の起債償還額は減少傾向にあり数値は改善していますが、過年に行った大規模投資の償還額が依然として大きい状態です。また今後の設備投資においては、多額の起債も予想されることから、今後注視していく必要があります。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

道路、学校については、他団体よりも減価償却率が高くなっています。学校については最も新しい校舎でも20年が経過し、町でも特に減価償却が進んでいる施設といえます。そのため、様々な不具合が出てきており、今後突発的な改修工事や大規模修繕が予想されています。道路については、近年の厳しい財政運営の中で、必要最低限の投資にとどめられる傾向にあり、再投資がなかなか進まず、償却率が上昇している状況で鵜です。一方、公営住宅においては、長寿命化計画等に基づき、建替えや維持改修を行っています。特に直近で行った鹿山住宅の建て替え工事は金額も大きく、償却率を引き下げる方向で大きな影響を与えています。今後の改修等においては、その必要性を慎重に検討し、行っていく必要があります。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

一般廃棄物処理施設や庁舎については建築から相当年数が経過しており償却が進んでいますが、いずれも建替え等が計画されており、今後数値が大きく変動する見込みとなっています。一方、消防施設については、これまでの15年程度で建替えが進んでおり、耐用年数の半分も経過していない施設が多くあります。そのため他団体に比べて償却率は非常に低くなっています。市民会館についても同様で、およそ経過年数と同率程度の償却率となっているところです。市民会館を除く各施設で、町民一人当たり面積は他団体より低い値となっていますが、今後の維持・更新に係る費用を試算した際、公共施設については、更なる規模の縮減・手法の見直しが必要とされており、再投資にあたっては慎重な検討を求められることとなります。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

資産においては、平成28年度開始時点では24,923百万円であった資産が、24,600百万円となり、323百万円減少しています。主な要因は固定資産の減価償却約718百万円によるものです。今後、一定の設備投資の計画もありますが、必要十分な設備の適正管理に努めます。負債のうち特に借入金は、行財政改革により概ね減少傾向にあり、ピークとなった平成10年の81.7億円から、平成28年度末で61.6億円まで約20億円減少(前年度からは△1.6億円減少)しています。ただし今後は、前述した設備投資に伴う起債が想定され、増加が見込まれています。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

内訳としては、業務費2,608百万円(職員給与費613百万円、物件費1,091百万円、減価償却費718百万円他)、移転費用2,889百万円(補助金等1,607百万円、社会保障給付費698百万円、他会計操出503百万円他)となります。今後、高齢化の進展やそれに伴う各支援やサービス費の増加や人件費の増加の傾向が続くと見込まれます。健康推進や介護予防の活動のほか、計画的な採用など、様々な面で長期的な視点に立った取り組みが必要となっています。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

本年度においては、財源5,339百万円(税収等が3,666百万円、国県等補助金が1,673百万円)に対し、純行政コスト5,466百万円が超過したため、純資産残高が減少しました。基金積立により55百万円の純資産増加効果がありましたが、減価償却(純行政コストの一部)による固定資産の減少の影響が大きかったことによるといえます。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

業務活動収支は、近年の人件費、物件費の削減効果により、248百万円の黒字となっています。一方、投資活動収支については、基金積立を増やしたことなどにより△49百万円、財務活動収支は借入額の抑制により△208百万円となっています。行財政改革の取り組みにより、業務活動経費を抑え、そこで捻出した資金を基金積立や各種事業に充てている形になります。併せて起債発行についても、有利な条件で必要最低限に抑えることで、償還額が発行額を上回り、残高の減少に努めているところです。今後は、業務活動支出の増加のほか、庁舎等の大型投資(投資活動支出の増、基金取崩収入の増、地方債発行収入の増など)も予定されており、構成が大きく変動する可能性があります。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたり資産は164.1万円であり、類似団体の62.9%の非常に低い水準となっています。合併等を行っておらず、重複する施設が少ないことや、近年の行財政改革の一環で投資的経費が削減してきたことが要因としてあると考えられます。資産の85%を有形固定資産が占めていますが、学校や公営住宅を含めた「建物」、道路を中心とした「工作物」のいずれも、各資産がかなりの年数を経過しており、前述のとおり投資も抑えられてきたため、全体での減価償却率が60%を超えている状況です。今後については、既存施設の修繕や更新に多額の費用を要することが見込まれ、新規施設の整備も検討されていることから、資産額や償却率は上下していく見込みです。延べ床面積の削減や優先順位の明確化などを進め、計画的な投資を行っていきます。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

将来負担世代比率が16.9%と、類似団体に比べ約1.2倍となっています。町の財産に比べて借金が多いという状況です。当町も県道整備事業負担金や移転補償、災害復旧事業など、資産計上を伴わない事業に対して起債を行ってきており、これらは指標の悪化を招く要因となっています。財政運営においては償還額以上の起債を行わないことを基本に、引き続き地方債削減に努めていくとともに、自主財源の確保を進めていく必要があります。※ただし、①一人当たり資産と⑦一人当たり負債が類団対比で同じような傾向であることを見るに、「基金として保持し、固定資産への投資を行っていないため、類似団体より固定資産合計が少なめ。」であることが原因で、この値が高くなっていると思われます。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体の73%程度の水準となっています。当町の特徴として、いわゆる扶助費(補助金や社会保障給付費)が高い傾向にありますが、一方で、類似団体に比べ職員数が少ないことや行財政改革による物件費の削減等があげられます。現時点では、行政コストの観点からは効率的な運営ができているといえますが、社会保障費の傾向や、想定される職員の年齢構成から、今後、増加していくと予想されます。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は類似団体の63%程度となっています。①の資産額と同水準の値であり、「資産は少ないが、その分借金も少ない」という状況です。近年の行財政改革の中で、繰上償還、新規起債の縮減により、ピークとなった平成10年の81.7億円から、平成28年度末で62.0億円まで減少(前年度からは△1.6億円減少)しています。数字上は、基礎的財政収支のうち、特に業務活動収支で黒字を捻出し、「1、資産の状況」のとおり投資活動収支を最小限に抑え、財務活動収支である負債の赤字分を補っている形になります。今後は、前述した人件費(業務費用)の増加や施設整備のための起債額の増加により、これらの数値は悪化していくと見込まれます。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

類似団体に比べ、受益者の負担率は低くなっています。老朽化した施設の維持管理に相応の費用が掛かる一方で、使用料は供用開始から据え置かれ、費用を考慮した設定になっていないことが主な要因といえます。今後、施設改修等のタイミングで、使用料見直しを行いたいと考えています。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,