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地方財政ダッシュボード

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は0.50で、昨年と変わらず類似団体と全国平均を上回っているが、決して高い数値ではなく依然として財政状況は弱い状況である。今後、企業誘致の推進などによる法人市民税、固定資産税、個人市民税の増収を図り、併せて徴収率の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は前年度比0.3ポイント増の92.5%となった。普通交付税等の増により、前年比で分母(歳入)の増加がみられたが、物件費・人件費等の増加により分子(歳出)も増加したためである。今後も災害復旧事業債の償還による公債費が増えることから、積極的な繰上償還を行うとともに、行政評価による事業の廃止・縮小に取り組む。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費は、九州北部豪雨災害等の関連事業対応、会計年度任用職員の処遇改善の影響で増加傾向にある。また、物件費においても、システム更新経費や令和元年以降のふるさと応援寄付金の増に伴う必要経費の増により平成29年度以降、類似団体平均を上回る数値となっている。今後も災害復旧事業を継続して行う必要があり、人件費・物件費の大幅な減額は見込まれないものの、職員定数の計画の見直しや災害復旧事業の精査等を行い最大限の適正化を図る。

ラスパイレス指数の分析欄

平成28年度に国家公務員の制度に準じて給与制度の総合的見直しを実施して以降、平成29年7月九州北部豪雨災害対応のために任期付職員を採用するなど、職員数が増加する中、採用・退職、経験年数に係る職員構成が変動しているが、数値はほぼ横ばいで推移している。令和5年度も数値に大きな増減はないが、引き続き、職員構成の変動による影響が生じるものと考えられる。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成29年7月の九州北部豪雨により、他の地方自治体等から職員派遣の支援を受けているものの、十分ではないため、一時的に職員定数の特例を設け、100人増員した。豪雨災害以降、復旧・復興業務のため一定数の職員増を行い、特例定数の範囲内で正規職員の増員採用や任期付職員の採用等を行い業務に対応してきたが、今後は職員減に取り組みたい。このような状況において、令和5年4月1日現在の職員数は524人(前年度比-8人)となっている。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は8.1%となり、前年と比べて0.5ポイントの減となっている。合併特例債や過疎債等の起債償還が増加したことで、分子となる償還額が増加したものの、普通交付税等の増により分母となる標準財政規模が増加したため、単年度比率が減少したことが主な要因である。また、災害復旧事業や庁舎建設事業等の大型事業に伴い、償還額の増が見込まれるため数値の悪化は避けられない状況である。今後は事業の選択をするとともに、交付税措置のある起債の活用に努める。

将来負担比率の分析欄

昨年度同様に、将来負担比率は0となった。任意繰上償還により、地方債残高の減少に加え、充当可能財源である基金(地域振興基金等)の増や交付税措置率の高い起債の借入を行っていることが主な要因である。現在行っている災害復旧事業に伴い、地方債の現在高の増や充当可能基金の減が見込まれるため数値の悪化は避けられない状況である。今後は事業の選択をするとともに、交付税措置のある起債の活用等により、将来負担比率の悪化を抑えるよう努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

前年度と比較すると令和5年度はほぼ横ばいであるが、前年に続き類似団体平均を上回っている。復旧・復興業務の目途が付くまでの間は、特例定数の範囲内で正規職員の増員採用や任期付職員の採用等を行い、業務に対応していく必要があるため経費の増が見込まれるが、定数管理の徹底を図り抑制に努める。

物件費の分析欄

令和5年度は、普通交付税等の経常的一般財源は増加したが、住民基本台帳管理事務費や基幹系システム管理運営事業費の増による影響で前年度比0.6ポイントの増となっている。今後も公共施設の適正維持とともに、管理方法を含めた事業費の見直し等コスト削減に努める。

扶助費の分析欄

前年度と比較すると令和5年度は、主に障がい福祉サービス事業・生活保護事業費の増により前年度比0.2ポイントの増となっている。今後も各福祉制度の受給増により扶助費の増嵩が想定されるため、審査等の適正化を進め、歳出抑制に努める。

その他の分析欄

介護保険給付費等の増がみられたが、普通交付税等の増により歳入の経常的一般財源等の増により前年比0.2ポイントの減となっている。後期高齢者医療事業、介護保険事業の特別会計への繰出金は増加傾向であるため、事業見直し等により繰出金の抑制を図り、普通会計の負担を減らしていく必要がある。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、ゴミ処理施設運営負担金等の増による影響で前年度比0.1ポイント増となっている。今後も補助金交付団体の精査、現行補助金の廃止・縮小も含めた補助金交付基準の見直し、特別会計や一部事務組合の歳出見直しによる繰出金縮減を等行い、歳出の適正化に努める

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は前年度比0.3ポイントの減となっており、類似団体平均を下回っている。要因として、合併特例債や過疎債の増があるものの、普通交付税の追加交付等による一時的な歳入の経常的一般財源等の伸びによる影響が考えられる。今後、災害復旧事業債や庁舎建設事業等の大型事業の償還額の増加が見込まれるため、投資事業を厳密に精査し、起債額の抑制に努める。

公債費以外の分析欄

公債費を除く経常収支比率は、類似団体平均を上回っており、前年度比0.6ポイントの増となっている。分母となる経常的一般財源等が普通交付税等の増により増加したが、分子となる経常経費等一般財源において、人件費、扶助費等が増加したことが主な要因となっている。今後も、施設管理経費の適正化等も踏まえた全市をあげた総合的な事業費の抑制を進め、経常収支の改善に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

●総務費庁舎建設事業費等の増により前年度に比べ増となっており、類似団体と比較すると高い水準にある。今後も高水準で推移が見込まれるため、その他事業の検討・実施等行い、経費抑制を図る。●民生費障がい者福祉サービス費、生活保護費等の増により前年度に比べ増となっている。今後は通常事業の精査等を行い経費抑制を図る。●農林水産費令和5年大雨災害による被災者支援事業の増等により、前年度と比べると増となっている。依然として類似団体の平均を大きく上回っているため、過剰な支出のないよう適正化に努める。●土木費道路新設改良事業や流末水路整備事業費の減により前年度と比べ減となっており、類似団体と比較すると低い水準にある。今後も新庁舎の建替等を控えているため必要な事業量を見極め、過剰な施工実施とならないよう経費縮減に努める。●教育費公立学校施設整備に係る経費や体育施設の整備に係る経費の増により前年度と比べ増となっている。類似団体平均より低い水準にあるが、今後も通常事業の精査等を行い事業費抑制に努める。●災害復旧費平成29年7月九州北部豪雨以降、7年続けて豪雨災害が発生し、多額の災害復旧事業費が必要となっている。今後も災害復旧事業が継続していくため、復旧が完了するまで大きく減となる見込みは少ない。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

●人件費給与等の見直しや災害対応等で依然として令和5年度も類似団体平均を上回っている。今後も災害対応職員の確保のため人件費の増が見込まれるが、適正な人員管理に努め費用の増加を抑える。●物件費ふるさと応援寄附金事業費等の減により前年度より減少している。しかし、前年同様類似団体平均を上回っているため、その他事業の見直し等を行い経費の縮減に努める。●普通建設事業費庁舎建設事業、小学校施設整備事業費の増により前年度と比べ増となっている。今後必要な事業を見極め、過剰な施工実施とならないよう経費縮減に努める。●災害復旧事業費前年に引き続き、九州北部豪雨に伴う災害復旧事業を行ったことに加え、平成30年~令和5年豪雨災害の災害復旧事業費が類似団体と比較して大幅に上回っている。復旧事業は長期にわたることが予想されるため、今後数年は高水準で推移すると考えられる。●公債費前年度より繰り上げ償還額が減少したことで前年比で減少している。今後も災害復旧事業に対する償還は続くため同水準で推移するものと見込まれる。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

財政調整基金については取崩を行わず積立のみを行った。残高は前年と比べ0.25億円増の43.8億円、標準財政規模比では0.53ポイント減の27.48%となっている。実質収支額の標準財政規模比は、前年度と比較し1.31ポイント増の7.97%であり、繰上償還額減のため実質単年度収支については、1.41ポイント減の8.37%となっている。今後は特別交付税の減収見込み、災害復旧事業の継続により、財政調整基金の取崩しが必要と考えられるため、事業精査による歳出抑制や国県補助金等の歳入確保に努め、健全な財政運営を図っていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

令和5年度も、前年に引き続きすべての特別会計は全て黒字運営となったが、今後は直営診療施設の整備事業や、高齢化に伴う医療費等の歳出増加が懸念される。黒字の特別会計についても徴収率の向上や、更なる健康づくり事業や介護予防事業などによる歳出抑制対策の強化を行う必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計の元利償還金は、合併特例債や過疎債の償還の影響等により前年度に比べ25百万円の増となっている。今後も合併特例債や災害復旧事業債の償還が続くことから、高水準で推移すると予想される。公営企業における地方債の償還に対する繰入金は水道事業の減に伴い29百万円の減となっている。現在行っている庁舎整備事業や災害復旧事業に伴い、償還額の増による数値の悪化は避けられない状況であるため、今後は事業の選択をするとともに、交付税措置のある起債の活用に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

一般会計等に係る地方債の現在高は、合併特例債や公共施設等適正管理推進事業債等の増加により1,347百万円増となった。その他については前年比減となっている。充当可能基金は庁舎建設事業による公共施設等整備基金等の取り崩しにより884百万円減となったものの、基準財政需要額算入見込み額は地方債現在高に対する今後の交付税算入見込額等の増により、568百万円増加している。今後は庁舎整備事業や災害復旧事業債の借入に伴い、将来負担比率の増が見込まれるため、その他の事業については投資事業を厳密に精査し、起債額の抑制に努めつつ、基金の適切な一括運用の運用益により減債基金への積立等を行い後年度の償還に備える。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)ふるさと納税寄附金等を地域振興基金に積み立てほか、森林整備のための譲与税を森林環境譲与税基金へ積み立てたことによる増があるものの、繰上償還の財源として減債基金を取り崩したほか、庁舎建設事業等に活用するため公共施設等整備基金を取り崩したことが基金全体の減の主な要因である。(今後の方針)災害からの復旧・復興は今後5年程度かかることが予想され、その間多額の一般財源が必要となる見込みである。また、庁舎整備事業や、し尿処理施設などの大型事業も実施しており、今後基金の取崩しが増加することが考えられる。ふるさと応援寄附金への取り組みや、交付税措置のある起債の活用等、可能な限り財源の確保に努めるとともに、最小限の支出となるように事業を精査していく。

財政調整基金

(増減理由)取崩しが不要であったことに加えて、債権の利金等を積み立てたことにより前年度と比較して増となった。(今後の方針)今後も災害復旧事業を行う必要があるが、特別交付税や寄付金等の財源確保が難しいことから、財源として財政調整基金に依存することが想定される。歳出の抑制や新たな財源の確保に努め、財政調整基金の取崩しを最低限に抑える。

減債基金

(増減理由)繰上償還の財源として取崩しを実施したため前年度と比較して減となった。(今後の方針)今後災害復旧事業債や庁舎建設等の大型事業が予定されており起債の償還が増加するため、将来負担を少しでも削減できるよう計画的に繰上償還等を行うための財源として活用する。

その他特定目的基金

(基金の使途)・地域振興基金地域振興の促進と事業の円滑な実施を図るため・公共施設等整備基金朝倉市における教育施設、庁舎施設、福祉施設その他公共施設の整備に資するため・まちづくり振興基金市民の連帯の強化及び市民主体による地域振興を図り、明るく豊かなまちづくりに資するため・地域交通体系整備基金地域交通体系の整備と、第3セクターによる甘木鉄道の経営に資するため・水源かん養基金水源地域における水源かん養機能の向上及び水質保全を図るため(増減理由)・地域振興基金令和4年度に受け入れたふるさと応援寄附金を地方創生等の事業や返礼品等の経費に充当するため約22.5億円を取り崩した一方で、令和5年度のふるさと応援寄附金等約24.2億円を積み立てたことにより増加している。・公共施設等整備基金庁舎建設事業等に活用するため約6.9億円の取崩を行ったため減少している。・水源かん養基金ダム整備事業等に0.5億円の取り崩しを行ったため減少している。(今後の方針)・地域振興基金多様化する地域のニーズに対応するための各種事業に必要な財源として、計画的に積立を行う。・公共施設等整備基金施設の老朽化対応に加え、概ね5年に1度のPC更新や、情報システムの更新に多額の費用を要するため、計画的に積立を行う。・水源かん養基金水源環境整備事業に必要な財源として、計画的に積立を行う

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体とほぼ同水準となっているが、市町村合併により市内に同様の施設が存在しており年数の経過とともに古くなった資産に対する修繕コストが増加するといった課題を抱えている。今後は、適正かつ効率的な維持管理を行うとともに施設の統廃合を含め長寿命化による施設改修・更新に取り組む。

債務償還比率の分析欄

前年度に比べ36.3ポイントの増となっており、類似団体とほぼ同水準となっている。引き続き起債の繰上償還、より交付税措置率の高い起債の活用を行うとともに、減債基金への積立等を計画的に行うことで債務償還比率の抑制に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率、有形固定資産減価償却率ともに類似団体より低い水準にあるが、施設の老朽化に伴う修繕コストの増加や施設の更新が今後の財政運営の大きな負担になることが懸念される。公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画や長寿命化計画による施設の建替えや統廃合等老朽化対策に取り組むとともに、更新に向けた国庫補助や地方債等の財源確保に努める。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

繰上償還による地方債現在高の抑制、基金積立額の増等により将来負担比率は昨年度と同様0%以下となっている。実質公債費比率についても繰上償還による償還額の抑制等により減少しており、類似団体より低い水準となっている。今後は災害復旧事業や大型事業による地方債償還額が増加することによる比率の上昇が予想されるため、引き続き繰上償還や充当可能財源の確保に努め、地方債の新規発行を抑制するとともに経費節減に努める。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が高い施設は主に学校施設である。学校施設については、有形固定資産減価償却率が60%以上の施設が約半数あり、施設の老朽化に伴う修繕コストの増加や施設の更新など今後の財政運営への影響が懸念される。公営住宅の有形固定資産減価償却率が類似団体の70.9%に対し40.6%と低いのは、以前より長寿命化計画に基づき適正な維持補修及び建て替えを行ってきたこと及び、災害公営住宅の建設が要因である。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して有形固定資産減価償却率が特に高いのは図書館、体育館・プール、庁舎であり、一人当たりの面積が広いのは市民会館である。市町村合併により同様の施設が存在しており、加えて有形固定資産減価償却率が高いことから施設の維持管理経費が嵩み財政状況を悪化させることが懸念される。今後は、施設の統廃合等を検討するとともに、公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画や長寿命化計画による施設の建替え等老朽化対策に取り組む。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から1,150百万円の増加(+1.2%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が76.8%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。水道事業会計、下水道事業会計等を加えた全体では、資産総額は前年度末から1,263百万円増加(+0.9%)し、負債総額も前年度末から1,095百万円増加(+1.6%)した。資産総額は、上水道管、下水道管等のインフラ資産を計上していること等により、一般会計等に比べて45,222百万円多くなるが、負債総額も下水道接続区域のエリア拡大をしていること等から、36,077百万円多くなっている。甘木・朝倉・三井環境施設組合、甘木・朝倉広域市町村圏事務組合等を加えた連結では、資産総額は前年度から1,960百万円増加(+1.3%)、負債総額も1,527百万円増加(+2.1%)した。資産総額は、一般会計等に比べて54,938百万円多くなるが、負債総額も甘木・朝倉・三井環境施設組合及び甘木・朝倉広域市町村圏事務組合の地方債等があることから、40,683百万円多くなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、物価高騰対応等生活支援事業の増などにより経常経費は27,433百万円となり、前年度比1,718百万円の増加(+6.7%)となった。最も金額が大きいのは減価償却費や委託費、維持補修費を含む物件費等(9,797百万円、前年度比+275百万円)であり、純行政コストの33.1%を占めている。経常収益は1,071百万円となり、退職手当引当金戻入額(非資金)が増加したことなどにより、前年度比100百万円の増加(+10.3%)となった。よって、経常費用から経常収益を差し引いた純経常行政コストは26,362百万円となり、前年度比1,618百万円の増加(+6.5%)となった。今後も施設の集約化・複合化事業に着手するなど、公共施設等の適正管理に努めることにより、経費の抑制に努める。全体では、一般会計等に比べて、水道料金等を使用料及び手数料に計上しているため、経常収益が1,577百万円多くなっている。一方、国民健康保険や介護保険の負担金を補助金等に計上しているため、経常費用が13,646百万円多くなり、純経常行政コストは12,068百万円多くなっている。連結では、一般会計等に比べて、連結対象企業等の事業収益を計上しているため、経常収益が2,580百万円多くなっている。一方、補助金等が20,388百万円多くなっているなど、経常費用が23,530百万円多くなり、純経常行政コストは20,949百万円多くなっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(29,947百万円)が純行政コスト(29,603百万円)を上回ったことから、本年度差額は+344百万円(前年度比▲1,049百万円)となり、本年度末純資産残高は66,981百万円(前年度比+10百万円)となった。子育て世帯等臨時特別支援事業費補助金の減少等により国県等補助金が減となったものの、新型コロナウイルス等関連経費等純行政コストの減が上回ったことにより、本年度差額はプラスとなり、純資産残高は増加となっている。全体では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が財源に含まれることから、一般会計等と比べて財源が11,785百万円多くなっており、本年度差額は148百万円(前年度比1,373百万円)となった。連結では、福岡県後期高齢者医療広域連合の国県等補助金等が財源に含まれることから、一般財源等と比べて20,654百万円多くなっており、本年度差額は+46百万円(前年度比▲1,197百万円)となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は2,429百万円となっており、これには災害復旧事業費等の臨時支出3,241百万円が含まれている。投資活動収支については、▲3,538百万円となっており、公共施設等整備費支出が増加(前年度比+2,443百万円)した。財務活動収支については、前年度よりも繰上償還額が減少(前年度比▲353百万円)したことにあわせて、借入額が増加(前年度比+3,072百万円)したことから、1,347百万円となった。以上のことより資金収支額は238百万円となり、本年度末資金残高は1,578百万円となった。全体では、国民健康保険税や介護保険料が税収等収入に含まれること、水道料金等の使用料及び手数料収入があることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,158百万円多い3,587百万円となっている。投資活動収支では、公共施設等整備費支出が増加(前年度比+2,674百万円)となり、4,469百万円となっている。財務活動収支では地方債償還額が地方債の発行収入を下回ったことから1,116百万円となった。以上のことより資金収支額は235百万円となり、本年度末資金残高は3,539百万円となった。連結では、福岡県後期高齢者医療広域連合の国県等補助金等の収入が業務収入に含まれることなどから、業務活動収支は一般会計等より1,578百万円多い4,007百万円となっている。投資活動収支は▲4,768百万円となっている。財務活動収支は、地方債償還額が地方債の発行収入を下回ったことから、847百万円となった。以上のことより資金収支額は86百万円となり、本年度末資金残高は4,284百万円となった。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人あたり資産額は前年度から3.6万円増加し、資産合計も前年度から11,500万円増加している。主な増加要因は新庁舎建設等の建設事業に伴う固定資産の増加によるものである。歳入額対資産比率は、固定資産税や令和5年7月九州北部豪雨に伴う災害関連経費等による特別交付税の増等によって、前年度と比べて歳入総額が増加し、比率も増となった。有形固定資産減価償却率は、類似団体平均と同程度となっている。今後も公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設については、点検・診断や計画的な予防保全による長寿命化を進めていくなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、類似団体平均を大幅に下回っており、前年度より0.8ポイント低下した。前年度と比較して資産合計は1,150百万円、純資産は10百万円増加した。これは、新庁舎建設工事等により事業用資産が増加(前年度比+2,717百万円)した一方、地方債等の借入により負債も増加したことが影響している。将来世代負担比率は、類似団体平均を大幅に上回っている。主な理由は地方債残高が高いことである。今後は新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、地方債の繰上償還を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは、平成29年7月九州北部豪雨の災害復旧事業費が依然として大きく、類似団体平均を大幅に上回っている。また、令和5年度は物価高騰対応等生活支援事業等の影響により、前年度比で増加した。なお、災害復旧事業の終了後は類似団体平均並みの水準となる見込みである。※参考災害復旧事業費などの臨時的な損益を除いた純経常行政コストの住民一人当たり行政コストは以下のとおり。R05:52.1万円

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人あたりの負債額は、平成29年7月九州北部豪雨以降、高い水準(H28:57.7万円)となっており、将来世代の負担軽減のためにも地方債の発行の抑制及び繰上償還に努める。業務・投資活動収支は、投資活動収支(基金積立及び取崩を除く。)の赤字分が業務活動収支(支払利息を除く。)の黒字分を上回ったため、▲2,033百万円となっている。令和5年度は、新庁舎などの大型の建設事業を行ったことで、赤字に転じている。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、令和5年度は類似団体と同程度となった。経常収益は、退職手当引当金戻入等により増加したものの、経常費用についても、物価高騰対応等生活支援事業や人件費の増に伴い増加したため、前年度とほぼ同水準となった。経常収益及び経常費用共に臨時的要素があり、前年度との単純な比較は難しいものの、各施設の老朽化により維持補修費の増加も顕著であることから、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の集約化・複合化や長寿命化を行い、経常費用の削減に努めるともに、適正な受益者負担を求めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,