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地方財政ダッシュボード

栃木県那須町の財政状況(2020年度)

🏠那須町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

町内に大型事業所等は少ないものの、多くの宿泊・レジャー施設、別荘等を有するため、固定資産税等の財源を確保できており、類似団体平均とほぼ同程度の0.76となっている。近年は、土地評価額の下落や別荘等の新築家屋が減少傾向にあるため、移住定住や二地域居住の推進、徴収強化等により歳入の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

前年度に比べて1.0ポイント改善したものの、人件費、物件費及び補助費等が高水準で推移しているため、類似団体平均を2.2ポイント上回る90.5%となっている。「行財政改革推進プラン」に基づき、歳出の徹底した削減に努めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図るほか、ふるさと納税等の税外収入確保に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人あたり人件費・物件費等決算額が類似団体平均と比べ約1.3倍となっている。広大な面積に居住区域が点在しており、効率的な行政サービスの提供が難しいことや、公共施設を多く有することが主な要因である。特に「ごみ収集費」や「スクールバス運行費」が大きくなっており、効率化・最適化を図っていく必要がある。また、公共施設についても「公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的に適正化を推進していく。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体平均を0.7ポイント下回る96.8となっている。類似団体平均及び全国町村平均と同水準の状況であるため、現水準を維持しつつ、より一層の給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

高度・多様化する行政需要に対応するために必要な職員数を確保したことにより、類似団体平均を2.89ポイント上回る10.38人となっている。保育園の民営化・適正配置や機構改革を進めているところであり、今後も「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的で効率的な人員を維持しながら職員定数の適正化に努める。

実質公債費比率の分析欄

「組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等(広域クリーンセンター大田原分)」が大きく影響していた平成29年度の比率(8.16%)が算定対象から外れ、0.3ポイント改善したが、地方債残高の増に伴い元利償還金は増加傾向にあり、類似団体平均を1.0ポイント上回る6.9%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

水道事業会計の黒字化や標準財政規模の増などにより10.4ポイント改善したものの、類似団体平均を30.4ポイント上回る41.3%となっている。地方債借入の抑制を図り、財政調整基金等の充当可能財源を確保するとともに、経営戦略に基づき水道事業会計等の健全化を図っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

会計年度任用職員費を人件費として計上することなったため、前年度に比べ3.3ポイント増となった。また、人口に対し職員数が多いため、類似団体平均を2.1ポイント上回る27.4%となっている。保育園の民営化・適正配置や公共施設の整理・縮小を進めているところであり、「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的で効率的な人員を維持しながら職員定数の適正化に努める。

物件費の分析欄

会計年度任用職員費を人件費で計上することとなったため、前年度に比べ1.5ポイント減となった。町面積が広大であり、公共施設の管理や、ごみ収集運搬、スクールバス運行などの委託料が高額となっているため、類似団体平均を0.9ポイント上回る16.2%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設数の統廃合を行うとともに、事務事業の再点検によりコスト削減を図る。

扶助費の分析欄

保育士の会計年度任用職員費を人件費で計上することとなったため、前年度に比べ2.2ポイント減となり、類似団体平均を2.4ポイント下回る5.7%となっている。今回の減は限定的であり、超高齢化に伴う医療・介護等の社会保障関連経費の増加が見込まれるため、町単独事業をはじめとして、行政ニーズの変化や受益と負担の公平性などを点検し、適正な行政サービスの提供に努めるとともに、効果的な予防事業等を実施し、扶助費の上昇傾向を抑制するよう努める。

その他の分析欄

類似団体平均を0.2ポイント下回る12.7%となっている。繰出金については、超高齢化に伴う介護保険特別会計の給付費等の増加により法定繰出が増加しているため、介護予防等を強化し、給付費の抑制に努める。

補助費等の分析欄

類似団体平均を0.9ポイント上回る15.5%となっている。一部事務組合に対するものの割合が高いため、一部事務組合及び構成市町と連携し、経費削減・適正化を図る。また、町単独の補助金については、「補助金に関するガイドライン」に基づき、公平で適正な補助金の交付に努める。

公債費の分析欄

類似団体平均を0.9ポイント上回る13.0%となっている。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

物件費の減により0.9ポイント改善したが、類似団体平均を1.3ポイント上回る77.5%となっている。「行財政改革推進プラン」に基づき、民間活力の導入や職員定数の適正化を図るほか、歳出の徹底した削減に努めるとともに、全ての事務事業の優先度を厳しく点検し、優先度の低い事務事業について計画的に廃止・縮小を進め、経常経費の削減を図る。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり680,879円となり、特別定額給付金の支給に伴い総務費が大幅な増となった。類似団体平均と比べると衛生費、商工費、消防費、災害復旧費が高くなっている。衛生費については、広域クリーンセンター大田原の基幹的設備改修や共同一般廃棄物最終処分場の新規整備があり大幅な増となっている。ごみ収集運搬費も高止まり傾向にあることから効率化・最適化に努める。商工費については、プレミアム付き商品券事業により大幅な増となっている。また、観光地としての観光施設管理費や観光推進費が類似団体平均に比べ高くなっている。消防費については、常備消防費の一部事務組合負担金が大部分を占めており、今後も消防庁舎の更新等が計画されているため、高止まりとなる見込みである。なお、災害復旧費が高くなっているのは、令和元年東日本台風被害による道路・河川、農地等の復旧費(約7.3億円)によるものである。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり680,879円となり、特別定額給付金の支給に伴い補助費等が大幅な増となった。類似団体平均と比べると人件費、物件費、補助費等が高くなっている。人件費については、保育園の民営化・統廃合や公共施設の整理・縮小を進めているところであり、「行財政改革推進プラン」に基づき、効果的で効率的な人員を維持しながら職員定数の適正化に努める。物件費については、町面積が広大であり、公共施設の管理や、ごみ収集運搬、スクールバス運行などの委託料が高額となっているため、「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設数の統廃合を行うとともに、事務事業の再点検によりコスト削減を図る。補助費については、一部事務組合に対するものの割合が高いため、一部事務組合及び構成市町と連携し、経費削減・適正化を図る。また、町単独の補助金については、「補助金に関するガイドライン」に基づき、公平で適正な補助金の交付に努める。なお、貸付金が類似団体平均の約5倍と高い水準にあるのは、中小企業振興資金融資預託金(3億円)によるものである。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金残高は、適切な財源の確保と歳出の精査により、前年度決算剰余金を中心に取崩額を超えて積み直すことができたため、前年度に比べ2.21ポイント増の16.74%となった。実質単年度収支は、令和元年度は赤字であったが、コロナ禍における事業中止や延期等により令和2年度は黒字となった。職員数の適正化や事務事業の見直し、公共施設等の適正管理を推進し、健全な行財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

すべての会計において黒字となっており赤字は発生していない。今後も引き続きすべての会計において、将来にわたり健全な財政運営を維持するよう行財政改革に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

「組合等が起こした地方債の元利償還金に対する負担金等」は、広域クリーンセンター大田原分の償還が完了したことにより平成30年度から大きく減少しているが、令和元年東日本台風被害に係る災害復旧債等による地方債残高の増に伴い「元利償還金」が増加している。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和元年東日本台風被害の災害復旧事業等の起債により一般会計等に係る地方債の現在高は増加し、PFI方式による黒田原地区定住促進住宅の整備により債務負担行為に基づく支出予定額も大きく増加したが、水道事業の黒字化により公営企業債等繰入見込額は大幅に減少した。充当可能基金は、決算剰余金を中心とした積立金が取り崩し額を上回ったことや、ふるさと納税額の増により大幅に増加した。「公共施設等総合管理計画」に基づき、公共施設等の長寿命化や更新、縮小・廃止等が行われることから、優先度を的確に把握し、大規模投資事業の実施時期等を整理し、計画的に積立を行うなど起債に大きく頼ることのない財政運営に努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金への決算剰余金による取崩額を超える積み立てや、公共施設等整備基金への計画的な積み立て、ふるさと納税寄附額のふるさと那須町応援基金への積み立て等により全体として285百万円増加した。(今後の方針)老朽化が進む公共施設等への対応のほか、頻発化・激甚化する災害や高度・多様化する行政需要、地域経済の低迷等による税収減などに対応できるように財政調整基金、減債基金及び公共施設等整備基金を中心に計画的に積み立てを行っていく。

財政調整基金

(増減理由)不足財源を補うため222百万円を取り崩した一方で、地方財政法第7条の規定に基づき決算剰余金の1/2以上の額として460百万円を積み立てたことにより238百万円増加した。(今後の方針)老朽化が進む公共施設等への対応のほか、頻発化・激甚化する災害や高度・多様化する行政需要、地域経済の低迷等による税収減などに対応できるように計画的に積み立てを行っていく。

減債基金

(増減理由)繰越金が当初見込みよりも多かったことから、取り崩しを取りやめたため、例年の運用利子積み立てのみとなった。(今後の方針)今後の公債費の推移を勘案し、年度間の負担平準化を図れるよう計画的に積み立てを行っていく。

その他特定目的基金

(基金の使途)ふるさと那須町応援基金:子育て支援、地域産業の振興、環境保全、福祉、教育等公共施設等整備基金:文化教育施設、防災防火施設、水資源施設その他公共施設の整備ふるさと創生事業基金:活力と魅力あふれる豊かなまちづくり総合運動公園整備基金:総合運動公園の整備川をきれいにする基金:良好な河川環境の形成及び保全(増減理由)ふるさと那須町応援基金は、273百万円取り崩した一方で、ふるさと納税寄付額の302百万円を積み立てたことにより29百万円増加した。公共施設等整備基金は、定住促進住宅家賃等15百万円及び橋りょう撤去費用として21百万円を積み立てたことにより36百万円増加した。森を育む基金は、対象事業の財源として11百万円取り崩した一方で、森林環境譲与税の収入額26百万円を積み立てたことにより15百万円増加した。その他の特定目的金は、設置目的に応じた事業の財源として取り崩しを行った。(今後の方針)ふるさと那須町応援基金は、ふるさと納税寄付額に応じて積み立てを行い、翌年度に特定目的事業の財源として取り崩しを行っていく。公共施設等整備基金は、老朽化した公共施設等の改修・更新費用等に活用するため、計画的に積み立てを行っていく。森を育む基金は、森林環境譲与税額に応じて積み立てを行い、翌年度に対象事業の財源として取り崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和2年度の有形固定資産減価償却率は65.3%であり、類似団体平均と比べ3.3%高くなっている。経年比較でみると1.8%増となっており、老朽化が非常に進行している状況である。これは資産が多いため、更新・改修等を行っているが減価償却費がそれを上回っていることによるものである。公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に老朽化した施設の長寿命化や集約・複合化、除却を進めていく。

債務償還比率の分析欄

令和2年度の債務償還比率は636.2%であり、類似団体平均を大きく上回っている。経年比較でみると、51.4%改善しており、令和元年東日本台風の災害復旧事業債等により地方債残高は増加したが、コロナ禍における事業縮小や繰延、前年度決算剰余金の財政調整基金積立等による基金の増によるものである。しかしながら、依然高い水準となっていることから、行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の更なる見直しを進めるとともに、財政調整基金等の適正な規模を確保していく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和2年度の将来負担比率は類似団体平均を大きく上回っており、有形固定資産減価償却率も類似団体を上回っている。これは、公共施設等の老朽化対策が進んでいないにもかかわらず、地方債残高等の将来に負担する債務が多い状況である。行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の更なる見直しを進め、財政調整基金等の適正な規模を確保するとともに、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に老朽化した施設の長寿命化や集約・複合化、除却を進めていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

令和2年度の将来負担比率は類似団体平均を大きく上回っており、実質公債費比率も類似団体を上回っている。経年比較でみると、将来負担比率・実質公債費比率ともに減少傾向にあり、普通交付税の増等により標準財政規模が増加し、また、一部事務組合が起こした地方債に係る負担金等が落ち着いてきた結果である。しかしながら、特に将来負担比率は、依然高い水準となっていることから、行財政改革推進プラン等に基づき、地方債発行額の抑制や事務事業の更なる見直しを進めるとともに、財政調整基金等の適正な規模を確保していく。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

令和2年度の有形固定資産減価償却率をみると、「学校施設」と「公民館」の老朽化が非常に進行している状況であり、また、人口比較でみると、「橋りょう・トンネル」の一人当たり有形固定資産額が類似団体平均の約3倍と非常に多くなっている。特に学校施設の老朽化に伴う改修費等は、今後長期間にわたり大きな財政負担となってくることから、費用削減の方策を検討しつつ、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に長寿命化を進めていく。また、橋りょうに係る維持経費が非常に大きくなっているため、適正な点検・調査を実施するとともに、国庫補助金の活用や計画的な積み立てにより、長寿命化や除却を積極的に進めていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

令和2年度の有形固定資産減価償却率をみると、「図書館」、「体育館・プール」、「庁舎」の老朽化が非常に進行している状況であり、また、人口比較でみると、「体育館・プール」の一人当たり面積が類似団体平均の約2倍となっている。特に図書館や体育館・プールの老朽化に伴う改修費等は、今後大きな財政負担となってくることから、費用削減の方策を検討しつつ、公共施設等総合管理計画等に基づき、計画的に長寿命化や集約化、除却を進めていく。また、一般廃棄物処理は近隣市と連携して実施しているため、近隣市と調整の上、国庫補助金の活用等により、長寿命化や除却を積極的に進めていく。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計においては経年比較で資産総額が毎年約3%の割合で減少しているが、負債はほぼ横ばいの状況が続いている。資産総額の減少は主に資産の老朽化によるものが大きな理由であり、これは流動資産が前年比で約115%(約3.4億円の増加)に対し、固定資産が前年比96.3%(約22.5億円の減少)となっていることからも分かる。今後、その老朽化に対して更新工事等を行うことで資産総額が増加することも考えられるが、それにあわせて地方債の発行が考えられるため、資産総額の増加=負債の減少となる状況は考えにくい。負債においては地方債の増加はあるものの、その他にも用地買戻による長期未払金や各種引当金、預り金の計上もあり、この数値の増減も負債に影響があることに留意する。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計においては純行政コストが前年比136.4%(約45億円の増加)となった。主なコスト増加の要因は、補助金等で約37億円、災害復旧事業費で約4億円、人件費で約2.8億円がそれぞれ増加のためであると考えられる。また、使用料及び手数料が前年比85.7%となり、施設利用等での収益減少も見受けられる。純行政コストの増加は、ほとんどの自治体で考えられ、那須町での増加要因は災害復旧事業費や人件費での増加が主であると考えられる。どの程度継続して影響を及ぼすかは自治体によって異なるかもしれないが、現時点では令和2年度との比較ができる年度がないため、来年度以降の状況による。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

本年度差額でマイナスとなっている状況は企業経営でいう赤字を表している。行政コストに財源を含めてもマイナスである状態)。これまで一般会計では約20億円の赤字が続いており、これは非資金経費(減価償却費や各種引当金繰入等)が約30億円あることも要因である。連結会計に向かうにつれてマイナスが少なくなっていくのは企業会計の場合、営利団体として利益計上があり、一般会計のマイナスを相殺しているため。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

投資活動収支のみ毎年収支マイナスとなっているが、トータル的に収支に大きな開きがある年度はない。特に業務活動収支がプラスを維持していることは財源及び使用料等を政策的に経費へ充てることが出来ていることを表しており、財務活動収支が大きくプラスとなっていない点は発行と償還に大きな開きがないことであり、地方債の大幅な増加も抑えることが出来ている。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産の状況で最も特徴的であるのは資産の老朽化による資産合計の減少が挙げられる。流動資産は基金の増加等があり増加している状況の中で、資産総額は約19億円の減少(有形固定資産は前年度から約22.5億円の減少)となっていることからも老朽化の進行が分かる。③では毎年約1.7%(約28億円)の増加が続いていることが分かり、現在の公共施設等整備費支出との割合から鑑みても、現時点では③は同様の割合で増加していくことが考えられる。また、この資産合計減少の状況から①はこれからも減少していく可能性があるが、人口減少の影響もあり、横ばいに見えている。②については、歳入額そのものは令和2年度が大きく増加されたため、経年比較では少ない結果となったが、これまで歳入額に対し資産額が少ないという結果になっていたため、歳入においてコロナ関連の影響が落ち着いた際にはさらに結果が増加していくことが想定される。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

④の減少及び⑤の増加から考えた場合に、徐々に負債の比率が増加していることが分かる。また、負債の比率とあわせてこにも資産の老朽化による資産合計の減少も影響を及ぼしている。負債額そのものも増加しているが、④で判断できるのはあくまで負債と純資産の割合であり、純資産は現在保有している資産合計から負債額を差し引いた額となるため、負債の増加がなくとも資産が減少すると自ずと純資産比率は減少していくことになる。令和2年度では負債が約1.7億円の増加、純資産が約21億円の減少となっているため、純資産の比率は減少に向かっている。このことからも負債の増加よりも純資産の減少によって負債の割合が多く見えてきた。また、⑤が増加傾向にあることからも施設更新等に向けた地方債発行が増加している傾向があるため、負債そのものの増加額も意識しておく。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

令和2年度では行政コストにおいて補助金等の大幅な増加が影響し、住民一人当たりでの行政コストは増加している。また、行政コストのうち、ほとんどの科目において増加しており、そのうち金額の大きいものは補助金等が約37億円、災害復旧事業費が約4億円、その他(人件費)で約2.8億円である。令和元年度では経常費用に占める割合は減価償却費が22.4%、物件費が19.3%、補助金等が18.7%となっていたが、令和2年度では補助金等が36.2%、減価償却費が16.9%、物件費が14.2%と大きく割合が変化した。これは資産を多く保有していることを表しており、これからの資産更新等が多くなる可能性も含んでいる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

令和2年度では負債合計が増加しているが、概ね横ばいと言える状況が続いている。⑦では負債が概ね横ばいの中で、人口減少の影響があり、微増となっている。金額割合からも負債は地方債によって左右される。また、⑧は毎年プラスを継続しており、基金取崩や地方債発行に頼らず、財源や使用料等を政策的に経費へ充てることが出来ており、負債の抑制に繋がっていると考える。資産の老朽化による資産合計の減少による資産更新等が多くなってきた場合には、維持補修や資産取得による歳出増加や地方債発行による歳入増加によって⑧がマイナスに転じる可能性もあり、負債の増加へと繋がっていく可能性もある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

令和2年度では経常費用の増加に伴い、受益者負担の割合が減少に繋がっている。経常費用の増加はコロナ関連による補助金等の増加が大きな要因だが、アフターコロナに伴い、使用料等の増加へ繋がるか否かによって受益者負担がどのように推移していくかが大きく変わっていく。また、受益者負担比率の算出においては減価償却費(約28億円)が含まれており、このコストは使用料等が関わる施設に直結する経費となっている。使用料金等を算定する際に、施設の老朽化費用として減価償却費をどの程度加味して算出するかを検討することで受益者負担の割合を増加させることができる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,