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指数算定の分子となる基準財政収入額について、昨年度まで算入されていた工業団地の進出企業の固定資産税減免による控除40百万円分の増加に伴い前年度から増加した。一方、基準財政需要額は新設された「地域の元気創造事業」について、行政経費の削減効果等が有利に働き59百万円が算入され、従来の「地域経済・雇用対策費」50百万円を併せると、前年度の該当費目(地域の元気づくり推進費含む)より増加したものの、個別算定経費及び包括算定経費の単位費用の減額及び地域元気創造事業への振替等により、15百万円の増加にとどまったため昨年度と同水準となった。新たに工業団地へ進出した企業の固定資産税の増収が見込めるものの、障害者総合支援制度の拡充等の行政需要が増加傾向であるため、本町の指数0.38は類似団体平均0.48を大きく下回っており、町の財政基盤は依然として自主財源に乏しい脆弱なものとなっている。
前年度に比べ0.5%改善となったり、類似団体平均より3.8%低い。改善の要因としては、経常一般財源が前年度に比べ68百万円に増加となったこと、経常的経費の退職手当組合負担率の見直しによる35百万円の減、東彼地区保健福祉組合のし尿処理施設の償還に伴う経常経費の9百万円の減が、障害者総合支援に伴う訓練等給付費の31百万円の増を上回ったことが主な要因である。今後の見通しとして、公共下水道への公債費繰出額が増加傾向で推移するとともに、介護保険や後期高齢者医療費等の社会保障費の影響割合も年々増加していくことから、目標とする80%を下回ることは依然として厳しく、弾力性に乏しいものとなっているため、行政事務の効率化及び経常的経費削減の努力を続けていく必要がある。
平成24、25年度に引き続き、類似団体中で最も低い結果となった。人件費においては、類似団体平均の77,799円に対し、45,164円と約42%低い。これは、職員の退職に伴う入れ替え効果が続いていることと、職員数が類似団体と比較して極端に少ないためである。一方、物件費等の38,319円も類似団体平均の70,693円に比べて約45%低い。これは、長期計画策定時の審査と予算要求時における最小額の計上の徹底、臨時的なものを除き、原則として前年度予算を上限とした査定枠の設定をしていること、さらには、執行段階での経費節減の徹底によるものである。
類似団体平均及び前年度と同水準の96.5ポイントとなっている。本町の場合は、人件費総額や人口1人当たりの人件費は、類似団体よりもかなり低くなっているものの、比較となる国家公務員や類似団体の職員の年齢構成や職員数、更には異動による対象者の変動もあるため、一概に論じにくい面があるが、職員の年齢構成が部分的に偏っているため、ラスパイレス指数自体は、高い傾向にあると分析している。今後についても、各年の人件費の平準化を図るうえでも、年齢構成に配慮した採用と配置を実施することが必要である。
平成17年度に策定した行政改革実施計画(集中改革プラン)により、公営企業会計を含めた総職員数を115人から平成26年度に105人(-8.7%)に削減し、全国市町村の取り組み目標値である-8.5%より高い目標値を持って職員数の削減を実施したことで、類似団体平均では3人以上、長崎県平均でも2人低い値となっている。今後においては、行政事務が複雑多様化しており、行政需要が拡大傾向であるため、大幅な職員数削減は困難であるが、適正な定員管理を継続し、行政事務の効率化及び職員の能力向上を図るとともに、可能な限り民間委託を実施し、住民サービスの向上を行う。
前年度に比べ、0.5%改善したものの、類似団体平均に比べ、3.0%高い結果となった。これは、過去の大型事業の地方債償還額が大きいことが要因であるが、ここ数年の経過をみると平成22年度に実施した繰上償還(計306百万円)や基金繰入による一部事務組合(東彼地区保健福祉組合)負担金の準元利償還金の減少の効果により改善している。しかしながら、公共下水道への公債費繰出、工業団地等の大型事業への起債発行を実施しており、今後は、大きな改善は見込めない状態である。このため、自主財源の確保に努めつつ、建設事業発行については、交付税措置のあるものを主とし、起債借入額は、当年度の元金償還額以下を基本とした財政運営を徹底する。
類似団体平均の48.7%を下回る23.8%であり、前年度に比べても10.2%改善している。これは、地方債発行の抑制に伴い地方債残高が順調に減少していること、職員数減に伴い退職手当組合の負担見込額が減少していること、基金積立に伴い充当可能財源が増加したことが要因である。一方、各種建設事業の起債残高は、福祉組合の清掃工場の建替などの大型事業の実施で、減少幅が縮小し、現在の残高レベルで推移する見込であり、また、公共下水道事業の進展に伴う公営企業債の償還額への繰出額が増加見込である。今後においては、新規事業の実施については、後年度の財政措置を考慮して実施し、併せて、借換や繰上償還等により、将来の負担を少しでも軽減できるよう財政の健全化を図る。
経常収支比率に占める人件費の割合は、17.3%と類似団体に比べ6.5%低く、前年度に比べ1.3%低くなっている。これは、給与改定等による若干の増があったものの職員の退職・採用に伴う入れ替え効果、退職金の見直しに伴う退職手当組合への負担金が減となったことによるものである。また、人口1人当たりの人件費決算額は、45,164円と類似団体平均(77,799円)と比べ約42%下回っている。事業費支弁費人件費等、人件費に準ずる費用を含めた人口1人当たりの決算額も、46,583円で類似団体平均の79,658円を大きく下回っている。今後においても、職員数の適正な定員管理等に努め、人件費の抑制を図る。
物件費の経常収支比率は、前年度と同水準であるが、類似団体平均に対しては4.5%下回っている。これは、平成18年度からの予算要求段階での経常的経費の毎年-5.0%削減を実施しているが、学校施設の修繕や備品購入、マイナンバー制度に伴うシステム改修費等が増加したため、前年度と同水準となった。なお、人口1人当たりの決算額は、物件費全体で38,319円であり、類似団体平均70,693円と比較すると約45%下回っている。
本町の財政構造の大きな特徴として、突出した扶助費の構成割合がある。人口1人当たりの決算額は、81,997円(前年74,416円)で、類似団体の60,202円を大きく上回っている。これは、障害者総合支援の増、町内民間保育園5箇所の運営費負担が大きいことや入所者の増によるものである。さらに、未就学児童のうち、保育所入所率は約50%であり、保育料階層区分で低額負担の階層世帯が依然多いうえ、第2子の保育料減免も行っていることも大きな要因である。また、障害者総合支援制度の拡充や養護老人ホーム措置費等の増加要因が多く、抑制が難しいため、収支改善につながりにくい要因となっている。
繰出金の経常収支比率は、15.3%(類似団体13.6%)で、前年度に比べ0.5%の増となった。これは、公共下水道事業への公債費負担が増加しているとともに、介護保険や後期高齢者医療保険等の給付費増による負担増も大きな要因である。維持補修費の経常収支比率は0.6%(類似団体1.1%)で、前年度より0.1%改善しているが、今後、道路や橋梁の老朽化に伴う維持補修が増加すると見込まれるため、計画的な実施が必要である。
補助費等の経常収支比率は、類似団体の13.3%を上回る14.8%で、前年度比で0.2%増加している。これは、補助費等のうち、昨年に引き続いて施設管理費見直しにより一部事務組合の東彼地区保健福祉組合の負担金が減少したが、幼稚園長時間預かり事業や一時保育事業等の実施・拡大、広域消防委託費の増加が主な要因である。一方、人口1人当たりの決算額は、51,182円で類似団体平均60,427円となっており、過去の集中改革プラン等により、補助金30%の一律削減等を行った効果が表れている。今後についても、奨励目的で当初目的が薄れたもの、小額補助で効果が少ないものは、順次、廃止することで削減に努める。
公債費の経常収支比率は、過去の総合文化会館建設等の大型事業を短期間に実施し、その借入が多額なことにより、類似団体平均よりも高位で推移していたが、平成11年度に長期財政計画、平成12年度に公債費負担適正化計画を策定し、投資的経費の抑制を図り、地方債の発行を抑制したことで、ピーク時(平成10年度末)に81.7億円あった地方債残高は、平成26年度末には、ピーク時から約20%減の65.4億円まで圧縮し、臨時財政対策債を除く建設事業債では、40.3億円まで削減している。しかし、元利償還金は、平成28年度まで現在の同水準で推移することから、今後も地方債発行の抑制に努める必要がある。
ここ数年66%前後で推移しており、類似団体と比べても前年度まで約3%、今年度約5%低い状態で推移している。本町においては、人件費や物件費が低位、補助費等が現状で推移しているが、障害者総合支援事業拡充による扶助費の増、後期高齢医療費負担や介護保険の給付費繰出、浄化センター高度処理に係る下水道公債費繰出の繰出金が増加傾向にあることから、当面は、この水準で推移するものと考えられる。
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