経営の健全性・効率性について
令和2年度は、新型コロナ感染症対策として、2か月間の基本料金の無料化と2か月間の減免を実施しましたが、これらは、一般会計からの負担金及び大阪広域水道企業団の用水供給料金値下げ額を財源としたため、水道事業会計の負担は生じていません。①については、施設・管路の更新に伴う減価償却費が増加しましたが、開発に伴う口径別納付金が増加したため、前年度に比べて2.03ポイント増加し、類似団体平均値及び全国平均と比べても高い値となっています。②については、平成6年度以降、累積欠損金は生じていません。③については、施設・管路の更新等に取り組んでいるため、減少傾向にあり、類似団体平均値を下回っているものの、100%を上回っており、短期債務に対する支払能力については確保できています。④については、3.91ポイント低下し、類似団体平均値と比べて低い水準を維持しています。⑤⑥については、前述の「基本料金の無料化と減免」を実施したため、料金回収率が、前年度より5.12ポイント低下し、類似団体平均値を下回りましたが、100%を上回る健全な水準を維持することができています。給水原価は、大阪広域水道企業団の値下げに伴い受水費が減額したため、前年度に比べて3.84ポイント低下しました。⑦⑧については、類似団体平均値や全国平均値と比べて施設利用率が高く、有収率も高いことから、本市が所有する施設の効率的な稼働が収益につながっていると考えられます。
老朽化の状況について
①②については、有形固定資産減価償却率、管路経年化率ともに、管路等の老朽化進行により、前年度に比べて増加しています。平成27年3月に策定した「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」において、厚生労働省の「実使用年数に基づく更新基準の設定例」を参考に本市の更新基準を定め、同計画に基づき管路の更新を着実に進めています。③については、前年度に引き続き管路更新率は1%を超え、類似団体平均値や全国平均を大きく上回る水準となっており、管路・施設の更新に重点を置いた取組の成果が数値となって表れたものと考えています。
全体総括
水道施設や管路の老朽化に伴う大規模な更新時期を迎える中で、「箕面市上下水道施設整備基本・実施計画」に基づき、計画的に施設・管路の更新を実施していきます。本市の人口は微増傾向にありますが、節水意識の浸透により、給水収益は横ばいとなっています。加えて、引き続くコロナ禍にあって、今後の料金収入に及ぼす影響については、慎重に見極めていく必要があります。このような状況を踏まえた上で、今後も経営基盤を強化し、安全・安心で安定した水道水を供給するために、広域化等による経営効率の向上も視野に入れつつ、引き続き老朽管路等の更新を進めるとともに、そのために必要な財源の確保に努めます。