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財政力指数は前年度より0.01ポイント増となったが、依然類似団体内平均値を下回っている。大きな要因となっている人件費・物件費について歳出を抑制する対策を講じるとともに、税の収納率の向上等により、財政基盤の強化に努める。
歳入について、臨時財政対策債が1.8億円、地方消費税交付金が3.6億円増額したものの、地方税が0.8億円、法人事業税交付金が1.6億円、地方交付税が2.5億円の大幅な減額等により、全体で1.6億円の減額となった。歳出について、人件費が会計年度任用職員制度の施行により8.3億円増額したものの、扶助費が5.4億円、公債費が4.4億円の減額等により全体で1.8億円の減額となった。以上のことから、昨年度と比較すると0.7ポイント改善している。
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は前年度比24,004円の大幅増となった。人件費については会計年度任用職員制度の施行や、物件費についてはGIGAスクール構想、シティプロモーション推進事業、文化施設維持管理経費の増などが原因となっている。今後は人件費については定年延長制も控えているが、昇任昇格試験の実施や業務の効率化など人件費の抑制のための施策に努める。物件費については公共施設最適化計画により引き続き施設の見直しをはかり統合を進めて行く。
職員の昇任昇格試験を実施する階級を幅広くしたことなどにより、上位階級の増加が抑えられラスパイレス指数が前年より0.5ポイント低下した。今後も定員管理方針に基づき、適切な定員管理に努める。
前年度と同数となっているが、市町村合併当時から類似団体と比較して依然職員数が多い状況が続いている。今後も定員管理方針に基づき、適切な定員管理に努める。
前年度より8.5ポイント低下しているが、今後、大型事業に伴う地方債の償還が本格化することや、定年延長制による退職手当増減も見込まれるため、次年度以降も将来負担比率は70%前後で推移していくと思われる。
平成27年度より定員管理方針に基づく取り組みを行っているが、依然類似団体を上回っている。今年度は会計年度任用職員制度の施行もあり、前年度より3.0ポイント増加した。昇任昇格試験の実施、業務の効率化などにより、今後も人件費の抑制に努める。
類似団体より引き続き高くなっており、合併時の公共施設がそのまま利用されていることから、引き続き公共施設最適化計画による施設の統廃合の推進や利活用の検討を実施し、物件費の抑制に努める。
保育所管理運営事業において会計年度任用職員制度の施行に伴い、保育所業務補助員(欠員補充)が人件費へ移行したことや、児童扶養手当扶助費の制度改正などにより、前年度比2.0ポイント減少した。
(増減理由)基金全体で積み立てを行ったが、財政調整基金やその他特定目的基金の取り崩しなどにより、基金全体として積立額が減少した。(今後の方針)基金全体を見直し、廃止等の検討を行う予定である。特定目的基金については、目的事業への充当を行う。
(増減理由)343百万円の積み立てを行ったが、1,200百万円の取崩しを行ったことにより856百万円の減額となった。(今後の方針)引き続きコロナ対策など非常事態に備えて、適正に積み立てと取崩しを行っていく。
(増減理由)3百万円の積み立てを行った。(今後の方針)今後の大型事業における償還が始まることもあり、それらに備えて積み立てを行っていく。
(基金の使途)新たに新型コロナウイルス感染症対策基金を設置し、新型コロナウイルス感染症対策関連事業に充てている。川上ダム周辺整備事業基金など、整備年度が決まっている基金については、計画的に基金を取り崩して目的のために充当している。寄附金等を受けて積み立てている基金については、計画的に基金を取り崩して、目的の事業へ充てている。(増減理由)新型コロナウイルス感染症対策基金やふるさと応援基金など1,325百万円の積み立てを行ったが、646百万円の取崩しを行ったことにより679百万円の増額となった。(今後の方針)基金全体を見直し、基金の廃止等の検討を行う予定である。
有形固定資産減価償却率は、類似団体の平均値より若干高い水準にあるが、平成27年3月に策定した公共施設最適化計画に掲げる、伊賀市公共施設マネジメントの3原則(3R:Reduce<総量の縮減>、Remix<機能の複合化>、Run<運営の適正化>)に取り組んでおり、老朽化した施設の集約化や複合化、除却を進めているため、今後も減価償却率の伸びは緩やかなものと考えられる。
債務償還比率は類似団体平均を上回っており、近年の大型事業である、平成30年で完成した庁舎建設事業を含め、令和元年で完成した汚泥再生処理センター、給食センターなどが数年後には本格的な償還が始まることや合併特例債の活用が終了した令和4年以降は交付税算入率が低い起債しかできないことから、債務償還比率は悪化すると考えられるが、事業の適正な取捨選択等により数値の逓減を図る。
将来負担比率については、類似団体内平均値を大きく上回っており令和2には改善がみられたものの、近年の大型事業の影響により、依然高止まりが予想されるため、可能な限り借入総額の縮減を図り、財政の健全化に努める。また、有形固定資産減価償却率についても、類似団体よりも高くなっているが、当市の面積が広いことや河川の状況から、道路及び橋りょう・トンネルについての一人あたりの同率が高いことが要因と考えられる。さらに、公営住宅についても同率が高くなっている。これらの資産については、老朽化に伴う長寿命化等が必要となるが、公共施設最適化計画に基づき、今後も老朽化対策や集約に積極的に取り組んでいく。
将来負担比率、実質公債比率ともに類似団体平均値との差は大きいが、令和2年には数値の改善がみられる。今後は、投資的経費の見直し、市債の借入れ総額の縮減に努めることで、将来負担比率、実質公債費比率の一層の低下を図る。
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