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財政力指数は、昨年度と比べると、0.2ポイント改善していますが、グループ内平均値を下回っています。平成21年度以降の長引く景気低迷により分母の県税収入が減少し、本県の財政力指数は低下傾向にありましたが、平成25年度以降は法人の業績回復による法人事業税の増加や税率引上げによる地方消費税の増加など県税収入の増等に伴い、上昇傾向に転じています。財政力指数の更なる改善に向けて、徹底した事務事業の見直しや多様な財源確保対策などに取り組みます。
経常収支比率は、昨年度から2.1ポイント上昇し、グループ内平均値も下回っています。平成22年度以降、県債の元利償還金の増加により公債費も増加し続けており、経常収支比率も、依然として高い水準となっています。平成27年度において上昇した主な要因は、分子について、人件費や補助費等、公債費が増加したことに加え、分母について、臨時財政対策債の発行可能額の減等により経常一般財源等が減少したことによるものです。一般財源総額の大部分が経常的な経費に費やされており、財政が硬直化した状態にあるため、公債費の抑制や事務事業の見直しによる経常経費の削減に努めることにより、経常収支比率の改善を図ります。
本県は、グループ内の類似団体に比べ人口が少なく(19府県中18位。1位神奈川県:9,126,214人。18位三重県:1,815,865人)、政令指定都市もないため、グループ内の順位も相対的に低くなっています。グループ内平均値を上回っている主な要因は人件費です。総人件費の抑制については、平成24・25年度に給与抑制措置を実施しました。また平成25年4月からの退職手当の支給水準の引下げ、平成27年4月からの給与制度の総合見直し等により給与の見直しを進めるとともに、これまで定数配置の選択と集中により職員数の見直しをしてきたところです。今後も、「第二次三重県行財政改革取組」を踏まえ、総人件費の抑制に努めます。
平成25年度は、平成23年7月以降実施してきた本県独自の給料抑制措置が終了したことにより、指数が高くなっています。平成26年度は、臨時特例法による国の減額措置が終了したことにより、ラスパイレス指数は低下しました。平成27年度は、給与制度の総合的見直しによる給料表の引下げ率が国より大きかったことから、指数はさらに低下しました。平成28年度は、給料表の引上げ率が国よりも大きかったことから、指数が上昇しました。平成29年度から給与構造改革にかかる現給保障の廃止を導入しており、引き続き給与制度の運用の適正化に努めます。
平成17年度から平成22年度の間には、「定員適正化計画」により、普通会計部門で1,093人(4.6%)の職員を削減しました。また、平成23年度以降も「三重県行財政改革取組」により、総職員数の抑制に取り組み、343人(1.5%)の職員を削減したところです。なお、本県では、グループ内の他団体に比べ人口が少なく、政令指定都市もないことから、グループ内の順位が低くなっているものと思われます。また、総職員数は削減しているものの、人口も減少していることから、平成25年度以降の人口10万人当たり職員数は増加しています。今後も、「第二次三重県行財政改革取組」の中で、効率的で機動的な業務遂行が可能となる組織体制・運営の検討を進めることとしており、適切な定員管理に取り組んでいきます。
実質公債費比率は都道府県平均を上回り、グループ内順位は下位に位置しているものの、昨年度よりも0.3ポイント改善しました。平成23~25年度は元利償還金が毎年50億円前後増加し続けたことにより上昇しました。平成26年度は元利償還金の増が10億円程度になり、基準財政需要額への算入額が30億円増加したことで単年度では改善しましたが、3年平均でみると上昇しました。平成27年度は、元利償還金において、臨時財政対策債が22億円、退職手当債が12億円、災害復旧事業債が5億円の増となりましたが、基準財政需要額への算入額で臨時財政対策債が33億円、災害復旧事業債が5億円の増、償還に充てる特定財源が19億円の増となったことにより改善しました。引き続き、更なる改善を目指して、「第二次三重県行財政改革取組」に取り組みます。
都道府県平均を上回っているものの、グループ内順位は上位に位置し、4.6ポイント改善したことから、将来の財政負担の縮減が進んだものと考えています。平成24年度は地方債現在高の増により上昇しましたが、平成25年度は退職手当支給額の見直しに伴う退職手当負担見込額の減により改善し、平成26年度も退職手当負担見込額の減や、標準税収入額の増加による標準財政規模の増により改善しました。平成27年度は、地方消費税の増収等による標準税収入額の増に伴う標準財政規模の増により改善しています。引き続き、「第二次行財政改革取組」に取り組み、将来負担の減少に努めます。
人件費にかかる経常収支比率は、昨年度と比べ0.7ポイント上昇しましたが、グループ内平均値と比べると低い値となっています。平成24・25年度においては給与抑制措置を実施し、平成23年度に比べて改善しました。また平成25~27年度にかけて、段階的に退職手当の支給水準の引下げを行っています。しかしながら、平成27年度においては、退職金の増や人事委員会勧告による給与改定に伴う給与の増により分子である支出が増加したほか、発行可能額の減少に伴う臨時財政対策債の減などにより分母である収入が減少したため、当該比率は上昇しているところです。今後も引き続き、平成28年3月に策定した「第二次三重県行財政改革取組」を踏まえ、総人件費の抑制に努めます。
物件費にかかる経常収支比率は、昨年度と同じ値であり、グループ内平均値と比べて高い値となっています。平成23年度以降は、3.6ポイント前後を推移していますが、厳しい財政状況を踏まえ、事業の選択と集中を図るとともに、徹底した事務事業の見直しを行っているところです。こうした中、平成27年度においては分子の支出は減したものの、発行可能額の減少に伴う臨時財政対策債の減など分母である収入の減もあったため、当該比率の改善には至りませんでしたが、今後も、引き続き経常経費の削減に努めます。
扶助費にかかる経常収支比率は、昨年度と同じ値であり、グループ内平均値と比べて低い値となっています。平成23年度以降は、1.3ポイント前後を推移していますが、今後も社会保障関係経費の増加が見込まれることから、その動向を注視するとともに、引き続き資格審査の適正な実施など適切な執行に努めます。なお、扶助費の大宗は、生活保護費や児童入所施設措置費など法令等の規定により支出が義務付けられており、縮減が容易でない経費が占めています。
その他にかかる経常収支比率は、昨年度と同じ値であり、グループ内平均値と比べると高い値となっています。平成23年度以降は、1.1ポイント前後を推移していますが、今後、公共施設の老朽化に伴い、維持補修費の増加も見込まれています。このため、平成27年3月に策定した「みえ公共施設等総合管理基本方針」を基に長期的な視点に立って、公共施設等の総合管理を行うほか、事業の選択と集中を図るとともに、徹底した事務事業の見直しを行うなど、経常経費の削減に努めます。
補助費等にかかる経常収支比率は、昨年度から0.5ポイント上昇しましたが、グル―プ内平均値と比べると低い値となっています。平成23年度以降は上昇傾向にあり、今後も、介護給付費県負担金や、後期高齢者医療費県負担金などの社会保障関係経費の増加に伴い、引き続き上昇することが見込まれています。このため、事業の選択と集中を図るとともに、徹底した事務事業の見直しを行うなど、経常経費の削減に努めます。
公債費にかかる経常収支比率は、県債の元利償還金の増などにより昨年度から0.9ポイント上昇し、グループ内順位は最下位となりました。平成23年度以降の推移についても、県債の元利償還金の増加に伴い上昇傾向にあります。県債残高の増加は将来の元利償還金の増大をもたらすことから、平成23年度末に定めた財政運営の改革において、「実質的な地方交付税である臨時財政対策債や災害に対応するための災害復旧事業債などを除いた県債残高について、将来世代に負担を先送りせず、4年以内に減少に転じる」という目標を掲げました。これについては、平成26年度末に達成していますが、「第二次三重県行財政改革取組」を踏まえ、引き続き減少傾向を維持するよう取り組みます。
公債費以外にかかる経常収支比率は、昨年度より1.2ポイント上昇しましたが、グループ内平均値と比べると低い値となっています。平成24年度以降は改善傾向にありましたが、平成27年度においては、退職金の増や人事委員会勧告による給与改定に伴う給与の増により分子である支出が増加したほか、発行可能額の減少に伴う臨時財政対策債の減などにより分母である収入が減少したため、当該比率は上昇しているところです。扶助費や扶助費的な補助費等は縮減が容易でない面がありますが、徹底した事務事業の見直しや総人件費の抑制とともに、効果的な税収確保対策や多様な財源確保などの取組により歳入を確保することで、機動的な財政運営を目指します。
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