経営の健全性・効率性について
収益的収支比率は71.56%で、100%を下回っており、類似団体平均76.02%や全国平均75.51%を下回っています。企業債残高対給水収益比率は1,878.96%で、類似団体平均1,246.73%や全国平均1,242.90%を上回っています。これらは、平成24年度から推進してきた簡易水道施設の更新・統合事業により企業債残高が増えたためで、整備が完了するH29年度まで指標は悪化すると見込まれます。しかし、その効果として、効率的な施設管理や、安心・安全な水の安定した供給体制が確立されます。料金回収率は53.02%で、前年度よりやや悪化しています。これは、施設更新・統合事業に係る企業債償還金の増加が主な要因であり、給水原価271.95円も同様に悪化しています。どちらの指標も、企業債償還のピークを迎えるH32年頃まで悪化しますが、以降は改善していくと見込まれます。本市の水道事業を持続可能なものとするため、適正な料金への見直しによる経営基盤の強化が必要とされています。有収率は81.24%で、類似団体平均75.48%や全国平均75.27%を上回っています。管路の老朽化が懸念される中、同水準で推移しており、引き続き、漏水対策への取り組みを継続します。
老朽化の状況について
管路更新率は0.36%で、類似団体平均0.54%や全国平均0.71%を下回っており、今後、耐用年数の到来を見据えた計画的な管路の更新が必要であり、耐震化を兼ねた更新をH32年度から着手する予定としています。
全体総括
簡易水道施設の更新・統合事業に係る企業債償還金の増高に加え、収益面において、継続する人口減少や市民意識の変化による節水型社会への移行により使用水量が減少するなど、水道事業を取り巻く環境は極めて厳しいものとなっています。安心・安全な水を安価な料金で安定的に供給するため、適正な維持管理に努めるとともに、更新投資についても、施設・設備の重要度や老朽化度合等に重点を置き、財政状況のバランスの取れた効率的・効果的な更新計画の策定に取り組みます。