経営の健全性・効率性について
①収益的収支(%)100%を下回っているものの平成27年度は類似団体平均を18.40上回っている。平成24年度から毎年数値が上昇し、改善傾向にある。④企業債残高対給水収益比率(%)平成26年度に岩村・上矢作の建設改良事業がピークに達し、借入額が増加して指標が上昇したが、平成27年度は類似団体平均とほぼ同水準となった。⑤料金回収率(%)平成27年度は類似団体平均を14.55上回っている。平成23年度から毎年数値が上昇、改善傾向にある。⑥給水原価(円)平成25年度までは類似団体平均を大幅に上回っていたが、平成26年度から改善傾向となり、平成27年度には類似団体平均を15.7下回った。⑦施設利用率(%)平成23年度以降下降していたが、平成27年度に上昇し類似団体平均と比較しても平成23年度以降ずっと上回っている。今後は特に簡易水道地域で人口減少に伴う水需要の低下が予想されるため、井戸水併用している工場等の水道水への切替えや、施設更新時にダウンサイジングの検討を進める必要がある。⑧有収率(%)類似団体平均を大幅に上回るが、平成27年度で80.18と2割の水が失われている。今後も継続的して漏水調査を実施し、指標を改善していく。以上、恵那市簡易水道事業の経営の健全性、効率性は類似団体と比較して良好である。
老朽化の状況について
③管路更新率(%)平成23年度以降、類似団体平均を大きく下回っている。平成27年度には指標が上昇し若干の改善が見られたが、平成23年度以降岩村統合簡易水道事業で設置を進めてきた水道施設の供用が開始され、いっせいに除却が進んだことによる。全体的に管路更新率が低く、年度によりばらつきもあることから、計画的に老朽管更新を進めていく必要がある。
全体総括
全国平均、類似団体平均と比較してみると、全体的に経営の健全性・効率性については問題ないものと思われる。しかし、今後は人口減少に伴う水需要の低下により給水収益は減少していく見込みである。また、管路更新率も全国と比較すると非常に低い水準であり、特に山岡町、明智町、串原など、統合簡易水道事業を全体的に行っていない地域について計画的に更新を進めていく必要がある。なお、一般会計繰入金については、基準内繰入金を全額繰り入れておらず簡易水道事業としては料金設定も現行のままで問題ないと思われるが、平成29年度からは水道事業と経営統合するため、従来必要のなかった減価償却費も発生する。更新計画や料金設定については、水道事業の経営戦略の見直しの中で進めていく必要がある。