経営の健全性・効率性について
平成29年度については、4月使用分より、平均7.30%の料金改定を行ったため、収益的収支比率は上昇したが、公営企業適用債の借入及び、一般財源による施設の設計等の事業により、経費回収率と汚水処理原価がわずかに上昇した。また、人口や使用水量の減少が続く中、下水道事業計画の見直しによる認可変更を行い、必要な施設能力が下がったため、施設利用率は上昇した。
老朽化の状況について
処理場施設については、定期的に修繕を行ってきたが、25年以上使用している機器もあり、交換部品が入手できなくなってきているため、更新が必要な機器が増えてきている。また、管渠については、定期的に目視点検等を行っているが、地形的な関係もあり、管渠の老朽化はそれほど進行していないが、ヒューム管については、マンホールとの接続付近でクラックが発生している個所もあり、管渠内面からの更生工法で修繕を行っているが、注意深く観察していく必要がある。更新や修繕が必要な機器等が増えてきているが、単独事業と補助事業による修繕や更新費用を比較し、安価で十分な効果がある方法を十分検討し、修繕や更新を行っていく必要がある。
全体総括
事業の持続的経営のため、包括的民間委託やコンセッション方式、広域化等が論議されているが、それらの方式の導入の検討に当たっては、委託料や改築、更新費用が適正なものであるか、適正な維持管理が行われているか等を担保するため、下水道公社を中心とした民間委託や広域化を検討していく。また、平成32年度より公営企業会計に移行するが、人口減少等による使用料収入の減少が見込まれているため、使用料改定等を含めた経営計画を作成し、中長期的な安定した経営を目指す。