経営の健全性・効率性について
①経常収支比率は横ばいから若干改善で推移している。使用料については減少、受託事業収益は増加、組織市町からの繰入金は横ばいで推移、またかかる経費については支払利息の減少などでやや減少となっていることが要因となっている。⑤経費回収率については料金水準は変わらないため類似団体に比べ低いが、永平寺町松岡地区からの汚水の受託事業収益を加えると類似団体と同程度まで増加する。⑥汚水処理原価については、当組合の処理区域からの使用料で原価を算定したもので類似団体に比べ高く推移している。受託事業にかかる汚水量を加味する場合、類似団体以下の処理原価となる。以上のことから、経営の健全性、効率性については、受託事業収益を含めた場合、類似団体と同程度であると考えられる。受託事業収益は事業の広域化によってもたらされているため、今後も広域化や共同化を推進しスケールメリットを生かしたいと考える。③流動比率については、留保資金の確保等現在のところ十分であると考える。④企業債残高対事業規模比率については、投資額を償還額以内に抑えているため減少している。
老朽化の状況について
供用開始後35年を過ぎ、①有形固定資産減価償却率は50%ほどとなっている。これは機械電気設備については10~20年と耐用年数が短いためである。これらの設備の老朽化が進んでいるため、ストックマネジメント計画を策定し計画的な改築事業を行っている。管渠設備については耐用年数は50年となっているが、管内調査により見つかった一部の不具合に対して管更正工事を実施した。全体的には②管渠老朽化率で示されるよう耐用年数を経過した管渠は0%である。
全体総括
組合では、下水道サービスを永続的に区域住民に提供していくために、中期経営計画に基づく事業計画や経営の健全化に向けた取り組みを実施している。しかしながら人口減少社会や水需要の低下、施設の老朽化など経営環境は非常に厳しいものと認識している。現在は経営戦略の策定中であり、組織市町との事業の共同化や処理場のダウンサイジングなど具体的な経営の効率化に向けた取り組みを一歩ずつ実施する予定である。