経営の健全性・効率性について
上里町公共下水道は平成26年度より地方公営企業の全部適用を受け、今期で2度目の決算となりました。法適用1年目の平成26年度は赤字決算でしたが、2年目の平成27年度については黒字となり、料金収入や一般会計からの繰入金等の収益で、維持管理費や支払利息等の費用をどの程度賄えているかを表す経常収支比率では前年度比で3.70%の上昇となりました。しかし、全国平均と比較すると6.08%低く、さらなる収益向上が必要となります。1年以内に支払うべき債務に対する支払能力を表す流動比率は、黒字となったことで前年度より向上してはいますが、理想値であります100%には届かない状態です。今後の企業債償還金の増加に対応できるよう、支払能力を高めるための改善を継続して図っていく必要があります。水洗化率では前年度比で1.92%の増となりましたが、類似団体と比較しても依然低い状態となっています。水洗化率の向上は収益への向上に直接結びつくため、住民の皆様に公共下水道の利用に関し、一層のご理解を頂けるよう、啓発活動等をより積極的に行い、経営の改善を図る必要があります。
老朽化の状況について
上里町公共下水道は平成7年度より工事を実施し、平成22年度に供用を開始いたしました。このため管渠の老朽化への改善の必要性は現時点ではありません。
全体総括
平成26年度の赤字決算から、平成27年度は黒字決算へと黒字への転換ができました。しかし、使用料収入だけでは経費は賄い切れていないため、経営改善のためには接続率の向上が必須となります。また、今後は管渠整備拡大と共に、供用開始後の経年に伴う老朽化への対策も併せて必要となることを視野にいれ、資金不足にならないよう計画的な整備を行っていく必要があります。