経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率は、東日本大震災による家屋解体等に伴う施設使用料の減により平成23年度に低下しました。その後、対象区域の拡大や住宅建設等に伴う新規接続により、使用料収入が少しずつ増加したことにより、起債償還額が増加するなかで収益的収支比率は増加傾向となっています。今後は、集合処理効果の高い地域を優先的に整備するとともに、現在未接続となっている世帯に対して、公共下水道への接続要請を継続して行うなどして、接続率の向上を図ることにより使用料収入の増加を目指します。④企業債は、面整備を続けるために管渠延長工事を実施しているため、償還額は増えていきます。⑤経費回収率は、下水道が最近の事業のため建設工事経費がかさみ、使用料金設定を高めに設定していることから、平均より高くなっているものと思われます。⑥汚水処理原価は、供用開始から10年経過していますが、供用面積及び有収水量がまだ少ないため、類似団体と同様に全国平均より高めになっています。⑦施設利用率は、当市の下水道整備率が低く有収水量が少ない状況であるため、稼働率が低くなっています。なお、有収水量は、区域の拡大に伴い少しづつ増加していますが、それでも平均より低くなっています。⑧集中浄化槽を採用していた住宅団地の一部が供用区域となったことにより、下水道へ接続したり、マンション等の集合住宅で接続するなどにより、平均より高い水洗化率となっています。
老朽化の状況について
北茨城市の公共下水道浄化センターは、平成17年10月に供用を開始した比較的新しい施設です。小規模な修繕はあるものの、定期点検で対応している状況です。下水道の管路も浄化センターと一緒に整備をしていますが、住宅団地の集中浄化槽を廃止して下水道に接続した団地内の管路の一部には、40年以上経過したものがあります。このため、近い将来に長寿命化計画を立てて更新することとなります。平成27年度の管渠改善率は3.38%となっていますが、これは管渠改善率の計算根拠となる数値を誤って計上したためによるものです。正しい値は0.00%です。
全体総括
施設利用率は、戸別訪問により接続推進を進めるなどにより高めてまいります。面整備については、国の方針に則り、当初計画を見直し、より人口が密集した地区を優先して整備してまいりたいと考えております。施設については、10年計画で点検整備を進めてまいります。