経営の健全性・効率性について
当市の簡易水道事業は、平成29年4月1日に上水道事業との統合を予定しており、現在その準備を進めているところです。一般的に簡易水道は、住家の点在する中山間地域に布設していることから施設整備費用が高額となり、料金収入だけでは経営が困難なため、国庫補助金や一般会計からの繰入金などの財源に依存する厳しい財政状況となっています。当市の平成27年度の収益的収支比率は、全国平均値を下回り、約68%に留まっています。これは、事業の統合に向けて施設整備に注力するとともに、財源として借り入れた地方債の償還割合が高いことが主な要因となっています。一方では、施設整備によって給水エリアが拡大し、水道利用者が増えたことから、料金収入は年々増加し、使用水量が増えることで、水道施設の利用率、稼働率の上昇にもつながっています。しかし、当市の簡易水道は料金収入にならない水質管理や凍結防止のための水量も多くあることから、有収率は低くなっています。
老朽化の状況について
平成27年度から28年度まで、水道施設管理システムの構築や資産調査を実施し、老朽化施設の現状把握に努めています。当市の簡易水道事業は、昭和25年から供用開始されている地域もあり、一部の施設については、生活基盤近代化事業や簡易水道再編推進事業により更新を図るとともに、道路改良工事に合わせた老朽管の更新や、漏水の多い管種の耐震管への更新を進めています。このような取り組みにより、平成27年度の管路更新率は約0.9%となり、全国平均を上回っています。
全体総括
平成29年4月1日の上水道事業との統合に伴い、簡易水道事業の施設整備は平成28年をもって終了する見込みとなっています。今後は上水道事業として、料金収入を基本とした健全な経営を目指します。統合後の簡易水道施設は維持管理が中心となることから、資産管理を行うためのアセットマネジメントや、水道施設管理システムに基づき策定する水道事業整備計画により、計画的、効率的な施設の更新を進めていきます。