経営の健全性・効率性について
①比率が増加した要因については、長期前受金戻入額がR2:44,389、R3:110,702となり、この増分が要因となる。R3決算では資産更新に伴う、既資産の除却により長期前受金戻入額が42,882,507円増加、また、基準繰出金についてH30~R2までの過年度分について、長期前受金として計上していなかったものを24,696,357円追加で計上しており合計:67,578,864円分が前年にはない部分となる。これを差引き、前年同様で算出した場合の比率は120.99%となり、収支比率は17.26ポイントの増となる。よって、100%を超えており、かつ前年より比率が高くなっているため安全性が高いと読み取れる。しかし、老朽化の状況でもあるように法定耐用年数を超えた管路延長は類似団体平均を大きく超えており、今後更新投資に充当する財源の確保が重要になるため、中長期的な目線で料金の改定等も考えていく必要がある。②①による長期前受金戻入額の増により純利益が増え、欠損金が発生していない状態となっている。前年までも欠損金は年々減少傾向にあり、健全な経営を行っていると言える。しかし、今後施設の更新等で減価償却費も増え、人口の減少による給水収益の減なども懸念されるため、①と同様の対応が必要となってくると考えられる。③管路の更新に伴う借入により流動負債が増加し前年よりマイナス36.86ポイント減少となっている。しかし、流動資産(現金預金)は今後も増加していく見込みであり比率も徐々に増加していく見込み。流動性の確保は問題ないと判断。④③により前年比増、また今後の更新等により増加していくと考えられるため注視していく必要がある。⑤料金回収率が増加した要因については、①と同様の理由で長期前受金戻入額が増加したため。①と同様に資産除却分、過年度分の基準繰出分の長期前受金戻入額を除くと料金回収率が101.19%となり、給水に係る費用が給水収益で賄えている状況であるが今後更新投資に充当する財源の確保が重要になるため、中長期的な目線で料金の改定等も考えていく必要がある。⑥⑤と同様の理由により給水原価が減少している。控除して考えた場合は168.37円となりおおよそ前年と横ばいとなっている。⑦類似団体平均で前年からみても横ばいであり適正規模といえる。⑧異常水量や漏水の確認等の早期の対応により前年比で1.46ポイント増加していると考えられる。
老朽化の状況について
①減価償却率は類似団体平均を上回っており、施設・設備の老朽化が進んでいることを示しています。法定耐用年数を超えた管路は32.74%で、更新工事を順次開始している。
全体総括
料金回収率・有収率は現状維持していくうえで、経常収支比率を上げ、資産の償却費用(将来の更新費用)についての財源確保が必要である。