収益等の状況について
収益的収支比率は100%を超えており,売上高GOP比率は類似施設平均値を超えていることから,健全な経営が継続されていると言える。H30年度は,料金収入自体はわずかに増となったが,新庁舎建設工事の着手に伴う公用車の駐車台数の増によるものであり,近年の減収傾向は継続している。また,経年劣化に伴い,精算機の入替(賃貸借)を行ったため,経常的な管理費が増となることから,今後の収支の見通しを立てながら,設備投資に必要な財源の確保と,健全な経営の維持を図らなければならない。
資産等の状況について
本施設は,竣工から40年以上経過しており,令和元年度に施設構造体や設備の劣化状況及び長寿命化の対策調査を行っているところである。将来的な設備投資については,上記の調査結果を基に,本施設と隣接している庁舎の建替えや,地上の駐車場整備後の庁舎敷地利用の方向性も踏まえ,慎重に判断していく。
利用の状況について
※数値の修正⑦敷地の地価267千円→266,623千円⑧設備投資見込額335,770千円→99,050千円H30年度については,前年度とほぼ同数とはなったが,稼働率は緩やかに低下している傾向にある。要因としては,周辺の民間駐車場が増加したことによる利用者の分散であると予想される。今後,利用者の増加を図るため,利用形態の改変を検討する必要もあるが,周辺の民間駐車場の影響及び本施設の今後の方向性に注視することが前提となる。また,稼働率,収益的収支比率がともに健全と言える数値であるため,料金設定は概ね妥当である。
全体総括
現状では,収支や駐車場の利用状況から,概ね健全な経営状態を維持できているが,利用料金は平成5年度をピークに,年々減少傾向が続いている。このような状況から,中長期的な視野で経営健全化等の取組を推進するため,令和2年度までに本施設の経営戦略を策定し,収支の改善を図ることに努める。ただし,将来的には,本施設と隣接している市庁舎の建替えや,地上の駐車場整備後の庁舎敷地利用の方向性により,駐車場の運営に大きな影響を受けるため,それぞれの影響を予測した収支状況の見通しや必要な設備投資の見極めを適宜行い,最終的には施設の活用形態について,検討していく必要がある。