収益等の状況について
収益的収支比率が高く,売上高GOP比率が増加傾向にあることなどから,収益性が高く健全な経営が継続されている。ただし,料金収入が年々減少傾向にあることや,支出については,電気供給契約の見直しや修繕費の抑制など既に行っており,これ以上の経費削減が難しいことから,長期的に見れば経営状態は下向きになることも予想される。また,施設や設備の老朽化が進んでいることから,改修工事や設備更新等についての見通しを立て,必要な財源等を確保する必要がある。
資産等の状況について
本施設は,建設から40年以上経過している駐車場であり,施設や設備の老朽化対策が必要であるが,そのために多額の費用を要する。将来的な設備投資については,本施設と隣接している市庁舎の建替えや,地上の駐車場整備後の庁舎敷地利用の方向性により,駐車場の運営に大きな影響を受けるため,進捗状況を注視し,慎重な見極めが必要である。
利用の状況について
稼働率は,類似施設平均値より上回っているものの,一般利用台数は年々減少傾向にある。その最も大きな要因としては,周辺に民間駐車場が急増していることであるため,利用者が分散していると予想される。また,稼働率,収益的収支比率がともに比較的高い数値であるため,料金設定は概ね妥当とも言える。
全体総括
現状では,収支や駐車場の利用状況から,概ね健全な経営状態を維持できているが,利用料金は平成5年度をピークに,年々減少傾向が続いている。将来的には,本施設と隣接している市庁舎の建替えや,地上の駐車場整備後の庁舎敷地利用の方向性により,駐車場の運営に大きな影響を受けるため,それぞれの影響を予測した収支状況の見通しや必要な設備投資の見極めを適宜行い,最終的には施設の活用形態について,検討していく必要がある。