収益等の状況について
本施設は,市庁舎と文化会館に隣接し,地下通路で接続しているため,来庁者,文化会館利用者の駐車場と不足する公用車の駐車場としての利用が主な収入源となっている。収益的収支比率は,平成30年度までは100%を超え,健全な経営を継続していたが,令和元年度から新型コロナウイルス感染拡大により隣接する文化会館の催事が中止になる等の影響を受けて100%を割り込み,1年を通じて影響が及んだ令和2年度は更に悪化し,一般会計から繰入せざるを得ない結果となっている。
資産等の状況について
本施設は,しゅん工から40年以上経過しており,令和元年度に施設構造体や設備の劣化状況及び長寿命化の対策調査を行ったところ,構造体強度や各種設備の劣化が認められている。
利用の状況について
稼働率は,近年まで緩やかな低下傾向が続いていたが,令和2年度は,新型コロナウイルス感染症の影響が通年に及んだことから大幅に低下している。
全体総括
料金収入は平成5年度をピークに減少傾向にあるものの,平成30年度までは概ね健全な経営状態を維持してきたが,新型コロナウイルス感染症の影響により,令和元年度収支から赤字転落し,令和2年度は赤字額が更に増加した。単年度収支の改善が急務であるが,長引く同感染症の影響により利用者数の急速な回復が見通せないことから,当面はコロナ禍の中で利用者を増やす取組と,経費圧縮により収支均衡を目指すことが必要である。また,将来的には,本施設と隣接する新庁舎と新しい地上駐車場の整備や老朽化が進む文化会館の整備の方向性により,本駐車場の運営は大きな影響を受けるため,これらの影響を予測した収支状況の見通しや必要な設備投資の見極めを適宜行い,今後の本施設の活用形態について,検討していく必要がある。