北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨城県栃木県群馬県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県愛知県三重県滋賀県京都府大阪府兵庫県奈良県和歌山県鳥取県島根県岡山県広島県山口県徳島県香川県愛媛県高知県福岡県佐賀県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県

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地方財政ダッシュボード

福岡県苅田町の財政状況(2022年度)

🏠苅田町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

大型事業所の集中等により類似団体平均を上回る税収があるため1.24となっており、令和3年度と同率である。令和4年度単年度でみると、償却資産の増加により固定資産税が増加したため、基準財政収入額が増加している。本町の主な歳入は地方税であるため景気動向に大きく影響を受けやすく、需要額においては少子高齢化等の要因から今後も増加が見込まれるため、歳入歳出のバランスに留意し、健全な財政運営を行っていくとともに、企業誘致や債権回収の強化に取り組み、財政基盤の強化に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、前年度に比べて2.3%改善し、類似団体平均を下回る結果となった。令和4年度は税収増により経常的一般財源等が増加したことが要因の一つであると考えられる。地方債の借入抑制による公債費の減少に加え、歳入の固定資産税の増収により経常収支比率は減少傾向ではあるが、今後も、公共施設の適正な管理や事務事業評価による事業の見直しを行い、現在の水準を維持するよう努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たりの金額は5年連続で類似団体を上回る結果となった。これは主に人件費が要因となっており、ごみ処理や消防、給食等の業務を単独で行っていることが要因と考えられる。これらの施設も老朽化が進んでおり維持管理費が増加することが見込まれるため、業務の民間委託、広域化等の検討を行いコストの削減に努める。また、前年度に比べて1,834円増加しているのは、リサイクルセンター長期包括的業務委託料の増等による物件費の増が一因である。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は前年度に比べて1.3減少している。減少の主な要因は職員構成の変動に伴うものである。今後も類似団体の状況等に注視しながら、適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成25年度から実施していた行財政改革により、新規採用者の抑制や町費負担教職員の廃止により、平成27年度以降は類似団体平均を下回っているが、増加傾向は続いている。これは、ごみ処理や消防等の町単独で行っている事業に加え、区画整理事業などの大型事業を実施していることや今後の公共施設の適正な維持管理のための技術職の確保が必要となっているためである。デジタル化を推進し、業務の効率化、ごみ処理や消防事業の広域化を検討し、適切な職員数の維持に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、前年度に比べ0.1%上昇し、類似団体平均を上回っている。これは将来負担比率と同様に過去に実施した事業の財源に地方債を充てており、元利償還金が類似団体に比べて多いことが要因である。3ヵ年平均は0.1%の上昇であるが、令和4年度では0.3%上昇しており、上昇の要因は、令和6年度にピークを迎える土地区画整理事業特別会計での元利償還金の増加である。本町の標準財政規模は景気動向に大きく影響を受けるため、今後も過度に地方債に依存しない財政運営に努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、前年度に比べ13.4%改善し,17.6%となった。改善した主な要因は、地方債の新規借入抑制による地方債残高の減少と、固定資産税の増収による標準財政規模の増加が要因である。減少傾向であるが、類似団体を大きく上回っているのは、過去に実施したインフラ整備や公共施設建設の財源に地方債を充てており、地方債残高が多いためであると考えられる。今後、施設の長寿命化等に備えて、基金へ積み立てを行い、将来負担比率が悪化しないよう努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は、税収増による一般財源の増及び負担率改定による退手納付金の減により1.2%減少している。現状の組織体制では、大幅な人件費の削減は難しい状況である。デジタル化を推進し、業務の効率化や事務作業の削減を目指し、職員及び会計年度任用職員の適正配置やごみ処理、消防事業の広域化を検討し、組織体制の見直しを行っていく必要がある。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、0.2%減少している。これは、リサイクルセンター長期包括的業務委託料の増等により物件費は増となっているが、それ以上に税収増による一般財源の増の影響が大きく、減少したものである。類似団体より高止まりしているのは、ごみ処理や給食、消防業務を単独で実施しているため施設の維持管理に係る物件費が多く、行政サービスの提供方法の差異によるものと言える。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、0.3%減少している。これは、私立保育園委託料や子ども医療費は増となっているが、それ以上に税収増による一般財源の増の影響が大きく、減少したものである。社会保障関係経費は、年々増加しており、今後も増加していくことが見込まれるため単独事業の見直しや受益者負担の適正化に努めていく。

その他の分析欄

介護保険特別会計や後期高齢者医療特別会計への繰出金が増加したが、それ以上に税収増による一般財源の増の影響が大きいため、0.3%減少している。類似団体を下回っているのは、本町は下水道事業が法適用企業であるため、下水道事業への繰出金が補助費等に分類されるためと考えられる。今後も高齢化の進展などにより繰出金の増加が見込まれるため介護予防の推進や保険料の適正化に努めていく。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、0.1%減少している。これは、水道基本料金減免事業やカーボンニュートラル立地促進奨励金等により補助費等は増となっているが、それ以上に税収増による一般財源の増の影響が大きく、減少したものである。類似団体を下回っているのは、ごみ処理や給食、消防業務を単独で実施しており、一部事務組合への負担金が少ないためであり、行政サービスの提供方法の差異によるものと言える。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、0.2%減少した。これは、区画整理事業分の増により公債費は増加しているものの、それ以上に税収増による一般財源の増の影響が大きく、減少したものである。しかし、今後は公共施設の更新や長寿命化等の地方債が必要な大型事業が予定されているため基金を計画的に積み立て、活用するなど過度に地方債に依存しない財政運営に努めていく。

公債費以外の分析欄

税収増による一般財源の増の影響により、全項目で経常収支比率が減少しているため、公債費以外の経常収支比率は前年度に比べて2.1%減少しており、類似団体平均を下回った。特に減少が大きいものは、人件費の1.2%となっている。本町は、景気動向により歳入の経常一般財源等が大きく影響を受けるため、令和3年度は新型コロナウイルス感染症の影響により町税が減収し、経常収支比率が特に悪化していた。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

類似団体平均と比較して高い主な項目は、衛生費(+11,658円)、土木費(+2,796円)、民生費(+1,336円)である。衛生費は、ごみ処理業務を本町単独で実施しているため例年、類似団体平均を上回っているが、令和4年度に大幅に類似団体平均を上回ったのは、新型コロナウイルス対策として、水道基本料金減免事業を実施したからである。土木費は、下水道事業会計への繰出金が増加したことや、県の実施する港湾整備事業への負担金が増加したことなどにより、類似団体平均を上回っている。民生費は、類似団体の中でも人口が多く、15歳未満人口比率割合も高いため社会福祉サービスや子育て支援に係る経費が高くなっていると考えられる。また、前年度と比べて、大幅に減少しているのは、令和3年度に実施された子育て世帯への臨時特別給付金事業にかかる経費が減少したことが主な要因である。類似団体平均よりは低いが、前年度に比べて増加している主な項目は、商工費(+1,752円)、消防費(+1,266円)である。商工費はカーボンニュートラル立地促進奨励金の増、消防費は指令システム・消防救急デジタル無線中間更新業務の増が主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

各項目の中で、類似団体平均と比較して高い主な項目は、扶助費(+19,152円)、物件費(+5,978円)、普通建設費(新規整備)(+4,077円)、積立金(+2,814円)である。扶助費については、前年度に比べて17,715円減少しているが、類似団体を大幅に上回っている。これは、私立保育園委託料や自立支援給付費等の増加、類似団体の中でも人口が多く、15歳未満人口構成比率が高いことが要因であると考えられる。今後も高齢化や制度改正、サービスの充実により社会保障関係経費は増加が見込まれるため、受益者負担の適正化や単独事業の見直しを検討し、持続可能なサービス提供を目指していく。物件費については、ごみ処理や給食、消防業務を単独で実施していることにより類似団体平均を上回っている。これらの業務で使用する施設や備品は老朽化が進み、今後コストが増加する見込みであることから民間委託や広域化、施設の統廃合を検討し、コスト削減に努める。普通建設事業費(新規整備)については、前年度に比べて9,658円減少しているが、地域密着型施設等整備事業や苅田小学校区放課後児童クラブ創設事業を行ったため類似団体平均を上回った。積立金については、老朽化している施設の更新のため、公共施設整備基金への積立金が大きく増加したため、類似団体平均を上回った。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

令和4年度の実質収支比率は、新型コロナウイルス感染症対策のために財政調整基金から取り崩し、また、老朽化する施設の更新に備え、剰余金を財政調整基金ではなく公共施設整備基金に積み立てたことにより、実質収支額が減少し、3.52%減少した。同様の理由で、実質単年度収支比率は、2.15%減少し、財政調整基金残高比率も3.60%減少した。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

国民健康保険特別会計において、令和3年度の歳入不足を補うため、令和4年度より27百万円の繰上充用を行ったことが赤字の主な原因である。また、令和4年度の実質収支赤字額は10百万円で、繰上充用額27百万円に対して、17百万円減少している。減少の主な要因は、滞納繰越分を含めた国保税の収納率の向上(76.6%→77.5%)、第三者納付金の増による歳入の増加及び特定健康診査等事業費の減額による歳出額の減少である。令和4年度は一般会計からの赤字補填はなく、繰上充用分を除けば、毎年度黒字となっており、赤字額の圧縮が順調に進んでいる状況である。今後、赤字解消に向けて、更なる国保税収納率の上昇による歳入確保並びに疾病予防対策等による歳出抑制に努めていく。国民健康保険特別会計以外の会計は、例年と同程度の黒字額を維持している。今後も歳入歳出のバランスに注視し、保険料、使用料等の見直しを適宜検討していく。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金等(A)の元利償還金は、一般会計では8百万円減少したが、土地区画整理事業特別会計では45百万円増加したため、合計で37百万円増加している。一方で、分子の減少要素である算入公債費等(B)は、補正係数の減や平成13年度同意債の算入終了により56百万円減少となったため分子全体では102百万円の増加となった。計画的に基金に積み立て活用する等地方債残高の減少に努め、過度に地方債に依存しない財政運営を行っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担額(A)の一般会計等に係る地方債の現在高は、地方債の新規借入抑制により668百万円減少となった。一方、分子の減少要素である充当可能財源等(B)の充当可能基金は、900百万円の増加となった。これは、新型コロナウイルス対策で財政調整基金を56百万円取り崩したものの、公共施設の老朽化対策として、公共施設等整備基金へ939百万円積立てを行ったこと等によるものである。最終的な将来負担比率の分子は、前年度と比べて1,044百万円の減少となり、過去5年間で最も低い1,712百万円となった。本町の財政は、景気動向の影響を大きく受けやすいため、今後も過度に地方債や基金の取崩に依存することのない健全な財政運営に取り組んでいく。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)公共施設整備基金に939百万円、企業立地等奨励金基金に200百万円の積立てを行った。一方で、新型コロナウイルス感染症対策に伴う経費に充当するため、財政調整基金を56百万円取り崩し、基金全体では900百万円の増額となった。(今後の方針)老朽化した公共施設の更新や長寿命化、非耐震化の本庁舎建替えの財源として公共施設整備基金を中心に、財政調整基金とのバランスを取りながら積立を行っていく予定である。また、町内進出企業への奨励金財源として企業立地等奨励金基金の残高を約600百万円とするため計画的に積立を行っていく予定である。

財政調整基金

(増減理由)新型コロナウイルス感染症対策に伴う経費に充当するため56百万円の取崩を行ったため、財政調整基金は減少となった。(今後の方針)財政調整基金は、平成25年度から平成27年度まで1,250百万円取崩を行ったため、残高が減少していたが、平成29年度より積立を行い、残高水準が平成24年度末時点と同程度まで増加した。今後は、計画的に債券の購入を行い、債券から得た利息を積み立てていく予定である。

減債基金

(増減理由)積立、取崩ともに行っていないため現在高に変動なし(今後の方針)中期的に歳出が確実に見込まれている特定目的基金(公共施設整備基金、企業立地等奨励金基金)を中心にバランスと取りながら積立てを行っていく予定である。

その他特定目的基金

(基金の使途)公共施設整備基金:公共施設の老朽化対策のため、施設の新築や改修、設備の更新等の財源に充当する。企業立地等奨励金基金:苅田町企業立地促進条例等に基づく奨励金の財源に充当する。まちづくり基金:ふるさと寄附金やまちづくり自販機の売上を積み立て、本町の発展やまちづくりの推進を図る事業の財源に充当する。宿泊税交付金基金:福岡県宿泊税交付金を積み立て、苅田町の観光資源の魅力向上、旅行者の受入環境の充実その他の観光の振興を図る事業に充当する。霊園管理基金:霊園の管理料を積み立て、霊園管理に要する経費の財源に充当する。(増減理由)公共施設整備基金は、令和3年度決算余剰金の1/2419百万円と固定資産税等の増収を受け一般会計から520百万円の積立を行ったことにより増加となった。企業立地等奨励金基金は、奨励金の歳出に充てるため189百万円の取崩を行い、200百万円の積立を行ったことにより増額となった。まちづくり基金は、ふるさと応援寄附金の受入等による52百万円の積立を行った一方で、ふるさと応援寄附金の返礼品等の経費に充てるため29百万円の取崩、過去に積み立てたふるさと応援寄附金を活用し次世代自動車の購入補助経費や電子黒板の購入経費に充てるため29百万円の取崩を行ったため6百万円の減額となった。宿泊税交付金基金は、観光の振興を図る事業に要した経費より、福岡県宿泊税交付金の受入が多かったため8百万円の増加となった。霊園管理基金は、管理費に要した経費より管理料の受入の方が多かったため2百万円の増加となった。(今後の方針)公共施設整備基金は、今後老朽化の進む公共施設の改修や長寿命化、庁舎の建替え等多くの財源が必要となることから、前年度決算余剰金の1/2を中心に地方税の増収や歳出の削減により捻出した一般財源を計画的に積み立てる予定となっている。企業立地等奨励金基金は、町内進出企業等へ令和9年度までに約600百万円の奨励金支払が見込まれているため、地方税の増収や歳出の削減により捻出した一般財源を計画的に積み立てる予定となっている。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

類似団体に比べて1.6%低くなっている。これは、平成23年度の町民温水プール建設、平成26年度の消防本部事務所棟建替え及び土地区画整理事業等による道路新設整備等により、比較的新しい固定資産を保有しているためである。しかし、個別施設ごとにみると、多くの公共施設等で老朽化が進み、これから一斉に大規模改修や建替えの時期を迎える状況である。令和3年3月に策定した公共施設個別施設計画及び令和4年3月に改訂した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設の修繕や更新等を計画的に実施することで、コストの分散、縮減や財政負担の軽減につなげる。

債務償還比率の分析欄

類似団体に比べ202.6%低くなっている。これは、地方債の新規借入を抑制し、地方債現在高が約6.7億円減少したことに加え、基金積立金現在高が約9億円増加し、地方債償還に充当可能な財源が増加したためである。引き続き地方債の借入抑制を行う方針であるが、老朽化した公共施設等の大規模改修や建替えの際に地方債現在高が増加することが見込まれる。本町の経常一般財源等歳入は景気の影響を受けやすいため、債務償還比率が景気動向に大きく左右されないよう地方債の償還と借入のバランスを注視し、老朽化の進んだ施設の大規模改修等の大型事業を計画的に行っていく。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率は地方債の新規借入抑制、基金積立による充当可能財源の増加により年々減少しているが、類似団体と比べて高い水準で推移している。また、有形固定資産減価償却率は類似団体に比べて低くなっているが、5年間で4.9%上昇しており公共施設等の老朽化が進んでいる状態である。今後、公共施設等の長寿命化で地方債の活用を予定していることに加え、区画整理事業の地方債借入もあることから、計画的な老朽化対策や過度に地方債に依存することがないようにバランスを図りながら財政運営を行っていく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率と実質公債費比率は類似団体と比べて、高い水準で推移している。地方債償還のピークは平成29年度であり、平成30年度以降は、福祉施設建設や町民プール建設等の大型事業に係る地方債の償還が終了しているため、実質公債費比率は減少傾向にある。また、将来負担比率についても、地方債の借入抑制や基金残高の増加により減少を続けている。しかし、現在進行中の与原地区区画整理事業等の大型事業に加え、公共施設の老朽化対策が必要であるため、現在積立を行っている公共施設整備基金等も活用しながら計画的な地方債借入を行い、各指標のバランスに留意しながら健全な財政運営に努めていく。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、道路、橋りょう・トンネル及び公営住宅である。道路、橋りょう・トンネルについては長寿命化や総ストック点検を実施済みであり、計画的な更新を行っているため類似団体に比べて低くなっていると考えられる。公営住宅は個別施設計画を策定済みであり、計画に基づき大規模改修や除却を行っている。一方、類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、学校施設及び公民館である。特に、学校施設は、小中学校共に稼働年数が50年を経過しているものがあり、減価償却率が74%を超えている。令和3年3月に策定した公共施設個別施設計画及び令和4年3月に改訂した公共施設等総合管理計画に基づき計画的に大規模改修等を行い、長寿命化を図っていく必要がある。また、公民館は類似団体に比べて町民一人当たり面積が大きくなっており、長寿命化対策と併せて、除却や統廃合についても今後検討していく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が低くなっている施設は、体育館・プール及び消防施設である。これは、平成23年度に町民温水プール建設、平成26年度に消防本部事務所棟の建替え、平成27年度に消防デジタル無線、高機能消防指令システムの更新をそれぞれ行ったことが要因である。しかし、年々類似団体平均に近づいているため、計画的に改修を行い長寿命化を図っていく必要がある。一方、類似団体と比較して、有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は、図書館、市民会館、一般廃棄物処理施設、保健センター・保健所及び庁舎である。一般廃棄物処理施設は、特に、し尿処理施設の老朽化が進んでいるが、現在、下水道施設を活用した処理方法に変更する事業が進行中であり、同事業に沿って必要な部分の老朽化対策を行うこととしている。図書館及び庁舎は、屋上防水の劣化や電気設備等不具合が生じた場合、その都度修繕を行っているが、長寿命化工事のような大規模改修は行っておらず老朽化が進んでいる。令和3年3月に策定した公共施設個別施設計画及び令和4年3月に改訂した公共施設等総合管理計画に基づき、優先すべき改修等を計画に沿って行う予定としているが、改修等にあたっては基金等を活用し、今後の財政運営に過度な負担が生じないよう努めていく。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等の資産は、前年度と比較して、745百万円(+1.5%)の増加となった。例年どおり、減価償却により、事業用資産では502百万円、インフラ資産では428百万円と大きく減少しているが、火葬場かんだ苑の耐火物更新及び城南団地20棟の外壁・屋上防水改修等による事業用資産の682百万円の増加や基金の積立てによる基金の900百万円の増加等により、増加となっている。一般会計等の負債は、前年度と比較して、544百万円(4.8%)の減少となった。主な減少要因としては、固定負債のうち地方債等の減少(▲688百万円)が挙げられる。地方債の減少については、公共施設の老朽化に伴う大規模改修や建替えに備えて、地方債の発行を抑制し、地方債残高の減少に努めているためである。全体会計では、前年度と比較して、負債が僅かに増加している(+362百万円、+1.3%)。これは、一般会計等の負債が減少しているのに対し、土地区画整理事業特別会計や下水道事業会計(特に公共下水道事業)において、事業費の増加に伴い、地方債の償還額より新規借入額の方が大きく、地方債残高が増加してしまっているためである。土地区画整理事業については、令和年9度に終了予定ではあるが、来年度以降も元利償還金が高い水準で推移していくことに加え、一般会計においても公共施設の大規模改修等が控えているため、できる限り起債を抑制し、地方債残高の減少に努め、過度に地方債に依存しない財政運営を行っていく。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の純経常行政コストは、経常費用の減少幅に対し、経常収益の減少幅が大きかったため、前年度と比較して、136百万円の増加(+1.0%)となった。まず、経常費用の増加についてみると、最大の増加要因は、補助金返還金(296百万円)である。その他の増加要因は、人件費のうち退職手当引当金繰入額(+35百万円)、物件費等のうち苅田町リサイクルセンター長期包括的業務委託(+61百万円)、補助金等のうちカーボンニュートラル立地促進奨励金(+150百万円)である。一方、経常収益の減少についてみると、主な減少要因は、前年度に退職手当引当金を取り崩したこと等による減少(▲184百万円)である。一般会計等の純行政コストは、前年度と比較して、70百万円の増加(+0.5%)となった。純行政コストは、純経常行政コストに臨時損益を加味したものであり、増加の主な要因は、保留地処分金の増加(+67百万円)である。全体会計では、一般会計等に比べて純行政コストが5,795百万円増加している。これは、水道料金等を使用料及び手数料に計上していること等により経常収益が増加する一方で、それ以上に、介護保険のサービス給付費等を補助金に計上していること等により経常費用が増加しているためである。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等の本年度差額は、前年度と比較して、358百万円の減少(▲29.5%)となり、純資産残高は1,289百万円の増加となった。本年度差額は、(財源-純行政コスト)であるところ、前年度比で減少となったのは、財源の減少(▲288百万円、▲1.9%)が純行政コストの減少(70百万円、+0.5%)を上回ったためである。財源は、税収等と国県等補助金の合計であるが、税収等は増加(+5.7%)し、国県等補助金は大きく減少(▲18.1%)している。税収等の主な増加要因は、固定資産税の増加(+455百万円)、地方消費税交付金の増加(+81百万円)及びふるさと納税の増加(+39百万円)である。また、国県等補助金の主な減少要因は、子育て世帯臨時特別給付金給付事業費補助金の減少(▲636百万円)であるが、給付金事業のように全額補助であれば、財源と純行政コストがほぼ同額となるため、純資産変動額への影響は少ない。全体会計では、国民健康保険特別会計、介護保険特別会計等の国民健康保険税や介護保険料が税収等に含まれることから、一般会計等と比べて、税収等が2,340百万円、国県等補助金は3,526百万円多くなっている。それに対して、かかった純行政コストの増加額は5,795百万円であるため、本年度差額は一般会計等より多い927百万円となり、純資産残高は47,567百万円となった。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等の業務活動収支は、前年度と比較して、67百万円の増加(+3.7%)となった。業務収入は減少した(▲69百万円、▲0.5%)が、それ以上に業務支出が減少した(▲122百万円、▲0.9%)ことによる。臨時特別給付金により、収入及び支出の総額は大きく減少しているが、国の全額補助であるため、収支への影響はほとんどない。一般会計等の投資活動収支は、前年度と比較して、127百万円の減少(▲10.4%)となった。支出が減少したが(▲77百万円、▲4.0%)、それ以上に収入が減少した(▲204百万円、▲27.7%)ことによる。業務活動収支が投資活動収支を大きく上回っているため、基礎的財政収支は1,455百万円となっている。そのため、基金の積立増加につながっている。令和4年度は、償却資産の増による固定資産税の増収などもあり、基金の積み増しを行えており、純資産比率も上昇している。しかし、固定資産の償却率が約60%と半分以上償却が進んでいる状況を踏まえると、公共施設等総合管理計画や個別施設計画と合わせて、各施設の長寿命化を図りながら施設の更新等を計画的に実施することで、コストの分散、縮減や財政負担の軽減につなげることが必要である。また、当町の歳入は景気の動向により大きく変動する特質があるため、歳入の動向を注視しながら各事業の実施を行っていく。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体平均を37.9万円下回っているのは、類似団体の中でも人口が多いことに加えて、本町は市町村合併をしておらず、合併市町村と比べて保有施設が少ないことが要因と考えられる。歳入額対資産比率も類似団体平均を下回っており、これは資産合計額が平均程度であるのに対し、歳入総額が平均より多いためと考えられる。なお、類似団体も含めて、令和2年度から当該比率が大幅に減少しているのは、国の新型コロナ対策補助金等により全団体の歳入総額が大幅に増加したことによると考えられる。有形固定資産減価償却率は、前年度と比べて1.5%増加している。有形固定資産減価償却率は築年数の新しい町民温水プールや消防事務所棟等の施設があるため類似団体平均を下回っているが、インフラ資産や小中学校、公民館等の施設の老朽化は進んでいるため、総合管理計画、個別施設計画等に基づき計画的に長寿命化工事や修繕を行っていく。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は、資産合計の増加(+745百万円、+1.5%)より純資産の増加(+1,289百万円、+3.3%)が上回ったため、1.4%増加した。一昨年度までは類似団体平均を下回っていたが、地方債の新規借入れを抑制し、償還を進めていることから当該比率は年々増加しており、昨年度、類似団体平均を上回ることとなった。将来世代負担比率は、昨年度は一昨年度と同率であったが、今年度再び減少に転じた。減少傾向にはあるものの、類似団体平均と比べると4.9%高くなっており、これは地方債残高が類似団体と比べ多いことが要因と考えられる。今後も過度に地方債に依存することなく、計画的に基金を積み立てるなど、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体平均を3.4万円下回っている。これは、純行政コストは類似団体と比べて高い水準であるが、人口がさらに高い水準であるため、住民一人当たりに換算すると平均値を下回るものと考えられる。なお、昨年度から類似団体平均に近づいた状態が続いているが、これは国の新型コロナ対策等により全団体の純行政コストが大幅に増加したことで、団体間の値の差が縮小したものと考えられる。今後は、国の新型コロナ対策の影響を除いても、純行政コスト(特に社会保障給付)は確実な増加が見込まれることから、事業の見直しを含めて検討し、行政コストの削減に努めていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、前年度と比較して1.7万円減少している。これは、地方債残高が減少したことが大きな要因である。類似団体平均よりも下回っているのは、負債合計は類似団体と比べ高い水準であるが、人口がさらに高い水準であるため、一人当たりの負債額が少なくなるものと考えられる。基礎的財政収支は、昨年度に続き金額の大きい単独事業が重なったことより、前年度比で+193百万円となった。公共施設の整備や基金積立基の増加により投資活動収支は減少している。本町は集積する企業等の固定資産税や法人町民税が類似団体と比べ多く、財源が多いため類似団体平均と比較して大幅な黒字となっている。しかし、景気の動向により税収が大きく変動する特質があるため、今後、景気に大幅な変動があった場合でも、安定的に財政運営を行えるよう地方債残高や行政コストの削減等に努めていく。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっているが、本年度は経常費用に臨時特別給付金を含んでいるため、当該数値が前年度より大きく減少しており、本年度数値に基づ<受益者負担の状況判断は難しいといえる。ただし、臨時特別給付金の影響を除いても、経常費用は増加し、経常収益は減少しているため、当該数値は一定程度減少していたことが見込まれる。経常費用は、社会保障給付の増加等により今後も増加が見込まれているため、経常収益について、使用料・手数料の見直しやその他の項目の債権回収を強化するとともに、税等の負担の公平性・公正性の確保に努めていく。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,