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地方財政ダッシュボード

高知県黒潮町の財政状況(2022年度)

🏠黒潮町

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

まちの主要産業である農業・漁業就業者の高齢化、常に転出超過である人口移動による老年人口割合の増加、生産年齢人口の減少などにより、類似団体の平均を下回る状況が続いている。平成30年6月に策定された「黒潮町総合戦略」に基づいた施策を推進していくことで、本町最大の目標である2060年、町人口6,800人の達成に向け、町にとって有益となる各種施策の推進を図る。

経常収支比率の分析欄

前年度は普通交付税の追加交付や投資的経費の大幅増があったことにより、好転していたが、今年度はどちらも減となっており、そのほか平成28年度に借入を行った保育所移転事業や庁舎建設事業などの緊急防災・減災にかかる大型事業に対する元金据置期間が終了し、元金の支払が増加したことが要因となり、前年度よりも高い比率となった。歳出削減等の取り組みに努め、行財政構造の改革を推進し、経常経費削減を図っていく必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

移住相談員や保育所職員等の人件費が微減となっているが、自治体ネットワーク強靭化に係る機器等更改委託、自治体DX業務支援委託などの物件費の増が大きいため、依然として増加傾向にある。引き続き、ランニングコストの注視など事業内容の精査をしながら、最小の経費で最大の効果を求めていくことが必要となる。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数については、類似団体に近い数値であり、昨年度から大きな変動はない。引き続き、適切な運用を行い、ラスパイレス指数の上昇抑制を図り、適正な給料水準を保つよう努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

保育所の直営による人員確保や業務増加に伴う人員配置により、依然として類似団体を上回る職員数となっている。デジタル化の推進等により、人員削減へと繋げていきたいところではあるが、人口減少に伴う地方創生事業による行政ニーズへの対応などにより、職員数の削減は限界まで来ている状況であると考えられる。財政状況をふまえた行政サービスの質と量をより良いものにしていくためにも、職員数をどのようにしていくかは喫緊の課題である。

実質公債費比率の分析欄

市町村合併以降行ってきた繰上償還や、交付税措置の高い地方債での借入などにより、近年連続して数値改善を続けていたが、平成29年度より連続して悪化に転じている。令和4年度は、平成28・29年度に借入を行った防災対策事業にかかるハード事業の償還が開始したことにより、前年より0.4ポイント増となっている。今後も事業内容を精査することで必要性を確認するとともに繰上償還の実施により、実質公債費比率の上昇を抑えていく必要がある。

将来負担比率の分析欄

類似団体や全国・県内の市町村と比較しても、数値の良好な状態が続いており、平成26年度より将来負担比率もマイナスとなっている。地方債残高は、新庁舎建設事業や保育所高台移転事業、住宅整備事業など大型事業の地方債借入に伴い増加傾向にあるが、繰上償還や、有利な地方債を活用することにより、良好な状態を維持していく必要がある。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人事院勧告による期末勤勉手当の支給率のプラス改定や任期付職員、会計年度任用職員の雇用増により、前年度より微増となった。引き続き、給与水準の適正化を図っていきたい。

物件費の分析欄

燃料高騰による公共施設の光熱水費や自治体DX推進に係る経費の増により、前年度より2.3ポイント増となっており、依然として類似団体よりも高い数値となっている。全体的な経費の見直しを入念に行い、経常経費の削減に努めたい。

扶助費の分析欄

保育所が直営であるため、児童福祉に係る扶助費は類似団体よりも低い数値を保っている。令和4年度は、障がい者自立支援給付費や子育て世帯臨時特別給付金の減により、前年度より0.1ポイント減となっている。今後も、子どもから高齢者まで住み慣れた地域で自立した生活が送れるよう、提供するサービスの内容を精査しながら、財政健全化を図っていく。

その他の分析欄

その他に係る経常収支比率が類似団体を下回っているのは、繰出金の減額が要因だと考えられる。繰出金は昨年度比0.3%減となっており、平成30年度より一部繰出金の削減を改善した効果が近年の数値に反映している。今後も保険料の見直しや健康増進、介護予防の充実を継続的に行っていく必要がある。

補助費等の分析欄

農作物出荷促進事業、社会福祉協議会補助金、燃料タンク対策事業などが減となっており、前年度より0.3ポイントの減となった。国・県の交付金や地方債の活用などにより、昨年度と近い数値となっている。

公債費の分析欄

これまでの大規模事業に充当した地方債の元金償還が開始されたことにより、令和4年度も依然として高い数値となっている。類似団体順位は最下位となっており、今後の起債発行については、より厳密な精査が必要である。しかしながら、今までの繰上償還の実施や有利債の借入によって、将来負担比率は類似団体より低い数値を維持しているところである。今後も引き続き、国や県の補助金等を最大限活用し、新規発行の地方債に注視しながら、健全な財政運営を行っていくことが必要不可欠である。

公債費以外の分析欄

子育て世帯臨時特別給付金の皆減などがある一方で、燃料高騰による物件費が増などの影響もあり、前年度とほぼ横ばいとなっている。世界情勢による影響は大きいが、抑えられる経費については引き続き最小限にとどめ、最大の効果を出せるよう、財政の硬直化を回避していく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別に分析すると、総務費が定住促進住宅事業の件数が減ったことにより減、民生費が単年度対応となった子育て世帯や非課税世帯等への臨時特別給付金事業の減、土木費が町営住宅等整備事業や道路事業の件数が減ったことにより減、消防費が木造住宅耐震事業や幡多中央消防組合黒潮消防署分担金の減、教育費小中学校空調整備事やスクールソーシャルワーカー活用事業などが減となっている。一方で、衛生費が地球温暖化対策実行計画や長寿命化総合計画策定事業の増、農林水産業費が畜産団地施設改修事業や漁業集落環境整備事業の増、商工費がスポーツツーリズム事業や商工事業者等経営支援事業の増、公債費がこれまでの大規模事業に充当した地方債の元金償還が始まったことによって増となっている。令和4年度は、コロナ対応における事業の一時的な増減が大きいことが影響し、民生費には大きな乖離が発生している。公債費については、防災対策事業や庁舎建設事業に対する起債の措置期間が終了したことで元金が増えていっており、年々高い数値が続いている。繰上償還の検討、補助金や交付金の利活用などを積極的に行い、事業の精査をしながら健全な財政運営を行っていきたい。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は住民一人当たり1,047,527円となっている。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり157,515円となっており、、類似団体と比較すると高い順位を維持しているものの、依然として高い数値となっている。これは保育所が直営であることが原因として考えられるが、類似団体との乖離が大きくならないよう、今後も引き続き給与水準の適正化を図っていく必要がある。物件費は、住民一人当たり225,765円となっており、燃料高騰による公共施設の光熱水費や自治体DX推進に係る経費の増などにより、値は高い状況にある。引き続き、全体経費の見直しを行い、経常経費の削減に努める必要がある。普通建設事業費については、宅地造成事業が始まったが、学校の空調整備事業の減や町営住宅整備事業や社会資本整備事業の道路整備事業費が減となったことで、昨年よりも14.2%減額し、一人当たり181,662円となっている。引き続き、事業の精査を行いながら、事業費の減少を目指していきたい。公債費は一人当たりで163,130円となっており、昨年に引き続いて、類似団体よりも高い数値である。庁舎建設事業や防災対策事業などの大型事業に対する元金措置期間終了に伴って、今後も続いて増加傾向が見込まれることから、繰上償還の検討やこれからの新規発行の地方債に注視しながら、公債費の削減に努めたい。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

昨年度に引き続き、「財政調整基金」の取り崩しを行わず、歳計剰余金の積立を行ったことにより増となっている。実質収支額と実質単年度収支については、借入額の大きいハード事業の元金措置期間終了などにより、昨年と比べ低い数値となっている。今後も引き続き、合併支援措置の縮減による歳入の減などが見込まれるため、「黒潮町総合戦略」により、町の施策を推進しつつ、財政基盤の強化に努めていくことが必要である。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

赤字決算だった「国民健康保険事業特別会計」は平成30年度以降、黒字決算となっている。これは、平成30年度より国保制度が改革され新制度に移行し、県全体で医療給付費をまかなうことで各市町村での経費が調整されたことが大きな要因であると考えられる。宮川奨学資金特別会計については、昨年度から0.03ポイント減少しているが、これは奨学金の利用者が昨年度より減少したことが要因と考えられる。その他の特別会計の標準財政規模比は前年とほぼ横ばいで好転しているが、一般会計からの繰出金は依然として続いており、累積赤字は解消されたが、会計単体では赤字解消には至っていないため、その解消は喫緊の課題である。制度の見直し等も行いながら、引き続き行政運営の健全化を図っていきたい。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

令和4年度は、平成27年度に行った保育所移転や庁舎建設事業などの大型なハード事業に対する元金措置期間が終了したことで元金の支払が増加したことで、昨年よりも高い数値となっている。これまでの庁舎建設事業や防災対策事業に加え、近年では住宅整備事業のハード事業が追加されたことで、今後も、将来的な実質公債費率の悪化は避けられない状況にある。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

交付税措置の有利な地方債の借入れ、基金造成などによる充当可能特定財源等の確保により、連続して将来負担比率のマイナスが続いている。これまで行った多額の地方債借入れによる数値の悪化や合併債の終了に伴う財源確保についてが懸念されるため、引き続き、国や県の補助金等を最大限活用し、地方債残高の抑制を図りながら、健全な財政運営を行っていくことが必要不可欠である。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)・防災対策事業の地方債償還財源に充当するため「防災対策加速化基金」を約130百万円、償還のため「減債基金」を約30百万円、新型コロナウイルス感染症緊急対策基金を約5百万円取り崩しているが、「財政調整基金」へ歳計剰余金を150百万円積み立て、「ふるさと納税基金」への110百万円取崩に対して、約257百万円の積み立てを行い、その他「過疎地域持続的発展事業基金」や「財政支援事業基金」などに多く積み立てを行ったことで、基金全体としては約282百万円の増となった。(今後の方針)・引き続き、基金の使途の明確化を図り、町財政の健全な運営に資する基金運営を行っていきたい。

財政調整基金

(増減理由)・利子額及び歳計剰余金150百万円の積立による増加。(今後の方針)・引き続き、災害への備え等のため、過去の実績等を踏まえ、計画的な積み立てを行っていきたい。

減債基金

・償還のため30百万を取り崩しているが、150百万円の歳計剰余金積立により増加。(今後の方針)・過去に行った防災対策事業にかかるハード事業に対する借入により、現在、地方債償還のピーク時であることから、引き続き、今後の普通建設事業等の整備計画及び地方債の償還計画を踏まえ、計画的な事業実施を踏まえた基金の積み立てと取り崩しを行っていきたい。

その他特定目的基金

(基金の使途)・建設推進基金:町の建設に資するため。・ふるさと納税基金:町の未来に向けての施策および寄付者の意向を反映した施策に効果的活用するため。・新しいまちづくり基金:町の新しいまちづくりに資するため。・地域活性化事業基金:町の多様な歴史、伝統、文化、教育、観光及び産業等を活かし、活性化に資するため。・防災対策加速化基金:地域の課題や特性に応じた優先的に取り組むべき防災対策をきめ細かに進め、災害に強い地域社会の実現の加速化を図るため。(増減理由)・防災対策加速化基金:防災対策事業の地方債償還の財源に充当するため130百万円を取り崩したことによる減少。・ふるさと納税基金:寄附者の意向をふまえ、教育・文化振興等の財源に充当するため110百万円を取り崩し、当該年度に寄付を受けたもののうち約257百万円を積み立てたことによる増加。(今後の方針)・各基金の使途にあった計画的な積み立て及び運用を行っていきたい。そのうち、「防災対策加速化基金」については、引き続き、防災対策に要した経費に関連する町債の償還に充当を予定している。また、「ふるさと納税基金」については。町に寄せられた寄附金を適正に管理し、引き続き、町の将来に向けての施策及び寄附者の意向を反映した施策に効果的に活用していきたい。当初予算規模から高い水準となっているため、収支の調整に基金を取り崩す状況が続いている。将来世代へ課題や負担を残さないためにも、各事業の内容精査を丁寧に行いながら行政サービスの質を向上させつつ健全な財政運営を行っていきたい。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

令和4年度は令和3年度から0.5ポイント減少しているが、全国平均を下回る結果となっており、近年の防災対策に係る普通建設事業費の増加が主な要因である。引き続き、公共施設等総合管理計画及び個別施設計画により、一層の単年度の財政負担の低減や事業実施の平準化を図り、効果的な取り組みを推進していきたい。

債務償還比率の分析欄

債務償還可能比率は類似団体の平均を下回っているが、今後においても地方債の新規発行に気を配りながら、引き続き適切な財政運営に努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっているため、当町の値は表示されていない。引き続き、適切な財政運営に努め、良好な値を継続していく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

有利債の借入などにより将来負担比率はマイナスとなっているため、当町の値は表示されていないが、実質公債費比率が上昇の一途をたどっていることは注視しなければならない。引き続き、普通建設事業の抑制による地方債残高の圧縮や基金の適正管理などに努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

橋りょうについては老朽化が類似団体を上回っているため、平成25年度に策定をした「黒潮町橋梁長寿命化修繕計画」に基づき、緊急性により優先順位をつけ順次改修を行っているところである。公営住宅については老朽・耐震化対策として、長期計画となる建て替え事業(119戸)を令和4年度より開始、令和18年度に終了予定。多額の事業費が長期的に継続するため、その都度、想定入居者等を確認し、建て替え戸数を整理しながら、適正に事業をすすめていく。港湾・漁港については国のストックマネジメント事業を導入により改修計画を策定し、長寿命化を実施している最中である。引き続き、令和2年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画により、計画に基づく施設全体の長寿命化対策及び安全対策を進めていきたい。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

図書館施設については、ユニークな構造上、随時、雨漏りや空調設備の修繕を行っているが、その場しのぎとなっているため抜本的な改修が必要な状況である。以後、令和5年度に当町が選定された「脱炭素先行地域」による国庫補助金を活用して、早急に対策を進めていきたい。一般廃棄物処理施設については、令和6年度からの3年間で大規模改修を予定しており、老朽化は解消される見込みだが、財源となる地方債の発行は、以降の実質公債費比率等の上昇に起因するため、他事業の年次計画をふまえ、年間発行額の調整を図っていきたい。消防施設の老朽化対策については、消防屯所の津波浸水区域から高台への移転を順次行っているところであり、将来的には解消される見込みである。令和2年度には公共施設等総合管理計画に基づく個別施設計画を策定したため、計画に基づき施設全体の長寿命化対策及び安全対策を進めていきたい。各施設の一人当たり面積等は人口減少の中で、施設の統廃合が進まないことから、現状では増加傾向が続いている。今後は、真に必要な施設のあり方を政策的な議論とあわせて確認していきたい。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,