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地方財政ダッシュボード

京都府京都市の財政状況(2017年度)

🏠京都市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

大学生が多く納税者の割合が低いことや,古い木造家屋・低層の建物が多く固定資産税が少ないことなどの特性により,財政基盤が構造的に脆弱であるため,類似団体の平均値を下回っている。都市の成長戦略と行財政改革を一体的に推進し,経済を活性化させることで,市民所得の向上や中小企業活性化につなげ,税収増にもつなげていく。

経常収支比率の分析欄

総人件費の削減に取り組んでいるものの,依然として人件費,扶助費といった義務的経費の比率が高いことから,高い水準で推移している。人件費の比率が高い要因は,市域が広大である,文化財・木造家屋が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどで,人口千人当たりの職員数が多いことによるものである。また,扶助費については,障害者福祉費にかかる扶助費が多いこと及び保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く保育所運営費にかかる扶助費が多いことによるものである。今後も障害者福祉費や医療費などの社会福祉関連経費の増加が見込まれるため,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に掲げる自主財源の確保や総人件費の削減など,財政構造の転換を図る取組を進めていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画(24年度~27年度)に基づいた職員数の削減などにより,人口1人当たり人件費・物件費等の減少に努めているが,依然として高い状況にあり,類似団体平均値も上回っている。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に基づき,効率的で効果的な人員配置による職員数の削減,時間外勤務の縮減等を行い,更なる総人件費の削減に努めていくとともに,物件費等についても引き続き抑制に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

平成28年度(平成29年4月1日時点)の指数は,本市における給与制度の総合的見直しの影響等により,前年度の値を下回った。今後も引き続き,本市の人事委員会からの勧告及び報告を踏まえて,適宜給与の改定を行い,市内民間企業における給与水準との均衡を図っていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

市域が広大である,文化財・木造家屋が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどにより類似団体平均に比べ高くなっているが,平成23年度に策定した部門別定員管理計画に基づき,平成24年度から,都市特性を踏まえた職員の配置など,これまでの経緯を考慮しつつ,政令指定都市に共通する事務事業については,全国で最も効率的な執行体制をめざすなど,平成24年度からの10年間に一般会計等で約1,400人の削減を目指している。このうち,平成27年度までの4年間については,京都市の都市特性を踏まえた水準の高い行政サービスを維持しつつも,公民の役割分担の見直しや,効率的な執行体制の構築などにより,一般会計等で721人の職員を削減した。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,新たに策定した部門別定員管理計画を着実に推進し,特に本市が他都市より突出して職員数の多い部門を中心に,抜本的な業務執行体制の見直しを行うなど,28年度から32年度までの5年間に一般会計等で当初の目標を上回る800人以上の削減を目指す。

実質公債費比率の分析欄

教職員給与費移管に伴う財源移譲により標準財政規模が大幅に増加したことに加え,償還を迎える満期一括債の減少により元利償還金が減少したため,実質公債費比率は減少したものの,地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行や公債償還基金の取崩しにより,類似団体平均値を上回っている。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,市債残高の適切なコントロールに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めていく。

将来負担比率の分析欄

教職員給与費移管に伴う財源移譲により標準財政規模が大幅に増加したことに加え,市債残高の縮減や,ごみ処理施設整備の損害賠償請求に係る和解金を公債償還基金等に積み立てたことにより,将来負担額が減少したものの,地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行や公債償還基金の取崩しにより,類似団体平均値を上回っている。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,市債残高の適切なコントロールや職員数の更なる適正化などに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画(24年度~27年度)に基づいた職員数の削減などにより,人件費の経常収支比率の減少を図っているが,依然として類似団体平均を上回っている。これは,市域が広大である,文化財・木造家屋が多いといった都市特性を有すること,これまで福祉,教育,消防等の分野において,京都市独自の重要政策の推進に取り組んできたことなどによるものである。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に基づき,効率的で効果的な人員配置による職員数の削減,時間外勤務の縮減等を行い,更なる総人件費の削減に努めていく。

物件費の分析欄

本市では,保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く,保育所運営費にかかる所要額を扶助費で計上していることから物件費が低いことや,これまでから保育所等の民営化推進,委託料の適正化等に取り組んできたことにより,類似団体平均を下回っている。今後も「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に掲げる改革を徹底することで,抑制に努めていく。

扶助費の分析欄

障害者福祉費にかかる扶助費が多いこと及び保育所数に占める民間設置箇所数の割合が高く保育所運営費にかかる扶助費が多いことなどから,類似団体平均を上回っている。主に国制度に基づく事業が多いため,見直しには限界があるが,今後も,運用面における課題がないか点検を行っていく。

その他の分析欄

高齢化率が26.7%(平成27年度国勢調査時点)と進展しており,後期高齢者医療特別会計や介護保険事業特別会計への繰出金が多くなっていることから,類似団体平均値を上回る状況にある。

補助費等の分析欄

本市では,平成21年度決算から「京都市補助金等の交付等に関する条例」に基づき,交付状況を公開するなど市民目線に立った適正化の取組を進めていることに加え,事務事業評価を活用した見直しや外郭団体のあり方を検討する中で,補助費等は減少傾向にある。平成26年度は,京都市産業技術研究所(地場産業,伝統産業振興のための技術支援機関)の地方独立行政法人化(直営から交付金による運営に変更)により増加した。今後も「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)に掲げる本市外郭団体の改革等を行うなど,補助金等の見直しに引き続き取り組んでいく。

公債費の分析欄

地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債などの市債の償還が減少し,類似団体平均値を下回っている。今後も,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画(28年度~32年度)で掲げる市債残高の適切なコントロールにより,比率の改善に努めていく。

公債費以外の分析欄

総人件費を削減しているものの,依然として民間保育所運営措置費をはじめとした社会福祉関連経費等は増大しており,義務的経費である人件費及び扶助費の比率が他都市を上回っているため,全体的に見ても財政の硬直度合いは,類似団体平均値を上回る状況にある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

目的別に見た住民一人当たりコストについては,類似団体と比較した場合,「民生費」(2位),「消防費」(3位),「諸支出金」(3位)が特に高く,逆に「労働費」(20位),「土木費」(18位)が低くなっていることが特徴として挙げられる。これらの項目の主な理由は以下のとおり。<高いもの>◆民生費…障害者福祉や保育サービスの充実に取り組んでいることによる◆消防費…消防出張所の立替え建設事業による◆諸支出金…地下鉄事業に対して経営健全化計画に基づき,多額の健全化出資金を繰り出していることによる<低いもの>◆労働費…雇用対策事業特別会計の廃止(平成28~)による◆土木費…市債残高の縮減に向けて投資的経費の規模を的確にコントロールしていることによる

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

性質別に見た住民一人当たりコストについては,類似団体と比較した場合,「人件費」(2位),「扶助費」(4位),「投資及び出資金」(1位)が特に高く,逆に「物件費」(20位),「普通建設事業費」(16位)が低くなっていることが特徴として挙げられる。これらの項目の主な理由は以下のとおり。<高いもの>◆人件費…市域が広大であることや文化財・木造家屋が多いといった都市特性から,教育(文化),消防等の分野において職員の配置を充実させていることによる◆扶助費…総合的な障害者施策の推進や切れ目のないきめ細やかな子育て支援の充実に取り組んでいることによる(特に保育所は全体に占める民営保育所の割合が高いことも主な要因)◆投資及び出資金…地下鉄事業に対して経営健全化計画に基づき,多額の健全化出資金を繰り出していることによる<低いもの>◆物件費…保育所に占める民営保育所の割合が高いことや,公設施設の民営化を進めていることなどによる◆普通建設事業費…市債残高の縮減に向けて投資的経費の規模を的確にコントロールしていることによる

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

リーマンショックによる景気後退の影響を受け,平成20年度決算では,約30億円の実質赤字となったが,人件費の削減や徹底した事務事業の見直しなどの聖域なき行財政改革,地方交付税の確保等により,着実に赤字を解消し,平成22年度決算では実質黒字へと転換した。以降も実質収支については黒字を確保しているが,平成28年度決算では,市税・府税交付金が下振れしたことにより,実質収支が-11億円となった21年度決算以来の厳しい状況となった。(平成28年度決算の実質収支は,+5億円)平成29年度決算においては,前年度のような大きい下振れはなかったものの,依として然厳しい状況のなか,全庁を挙げて歳出抑制・歳入確保を徹底し,実質収支の黒字を確保じた。(平成29年度決算の実質収支は,+4億円)

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

国民健康保険事業や介護保険事業における保険料徴収率の向上などにより,両事業の累積黒字の額が昨年度と比較して大幅に増加したことなどに伴い,連結実質収支は黒字を維持している。また,特に赤字比率の高かった高速鉄道事業特別会計(表・グラフでは「その他会計(赤字)」と記載)は,駅ナカビジネスの積極的な展開による増収策,経常経費の削減などコスト削減策を着実に推進したほか,市を挙げたお客様確保の取組により平成27年度から3年連続で黒字を確保しており,計画よりも1年前倒しで経営健全化団体から脱却した。今後も,引き続き,連結ベースでの財政健全化に向けた取組を進めていく。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない市債を発行してきたことなどが元利償還金等に影響し,実質公債費比率を類似団体よりも押し上げる要因となっている。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)で掲げる市債残高の適切なコントロールに取り組み,引き続き比率の改善に努めていく。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

市債残高の縮減や,ごみ処理施設整備の損害賠償請求に係る和解金を公債償還基金等に積み立てたことにより,将来負担額が減少したものの,とりわけ地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない市債残高が増加傾向にあることが,将来負担比率を類似団体よりも押し上げる要因となっている。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画第2ステージ(28年度~32年度)に基づき,市債残高の適切なコントロールや職員数の更なる適正化などに取り組んでおり,引き続き比率の改善に努めていく。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)○公共施設整備管理基金・・・焼却灰溶融施設の和解金の積立による増○美術館基金・・・ネーミングライツ収入の積立による増○財政調整基金・・・焼却灰溶融施設の和解金の積立,歳計剰余金の積立による増(今後の方針)まずは可能な限り,財政調整基金への積み立てを増額するように努めていくこととしている。

財政調整基金

(増減理由)焼却灰溶融施設の和解金の積立,歳計剰余金の積立による増(今後の方針)全庁を挙げて歳出抑制・歳入確保を徹底することで,可能な限り実質収支の黒字を確保し,災害への備え等のため過去の実績等を踏まえ、まずは100億円程度を目途に積み立てていくことを予定している。

減債基金

(増減理由)満期一括償還に係る積立金以外の残高はゼロで推移。(今後の方針)満期一括償還に係る積立金について,本市の積立ルールに基づき,適切に積立を行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)主な基金2~3個程度の使途○市庁舎整備基金市庁舎整備事業○公共施設等整備管理基金公共施設及び公用施設の整備及び管理に関する事業,また本市以外のものが行う公益性のある施設の整備及び管理に資する事業○文化芸術振興基金市民の文化の発展及び文化芸術の振興に寄与する事業(増減理由)平成29年度末残高の増減が大きかった主な基金○公共施設等整備管理基金焼却灰溶融施設の和解金の積立による増○美術館基金ネーミングライツ収入の積立による増(今後の方針)今後、増減が大きくなると見込まれる主な基金について、その増減理由○市庁舎整備基金新庁舎庁舎整備事業の進捗に合わせ,その財源として大幅に取り崩す見込のため○美術館基金京都市美術館整備事業の進捗に合わせ,その財源として大幅に取り崩す見込のため

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

庁舎や市営住宅など,公共施設の老朽化が進んでおり,類似団体平均値を若干上回っている。施設の長寿命化に向けた計画的な設備更新のほか,公共施設の集約化による保有量の最適化など,適切な保有資産のマネジメントを進めていく必要がある。

債務償還可能年数の分析欄

地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の発行額が多いことなどにより,類似団体平均値を上回っている。引き続き,市債残高の縮減に取り組むとともに,歳入増加(都市の成長戦略の推進による税収増等)及び歳出削減(人件費の削減,事業見直し)などの行財政改革を進めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体と比較すると,将来負担比率だけでなく,有形固定資産減価償却率も上回っており,今後,公共施設の老朽化改修等の必要性がますます高まっていくことを踏まえると将来負担比率は,類似団体との乖離がさらに広がっていく可能性がある。このため,引き続き,歳入・歳出両面において行財政改革を進めることで,財政の健全化を図りつつ,計画的な設備更新,公共施設の集約化など,適切な保有資産のマネジメントについても,合わせて進めることで,持続可能な財政運営を目指していく。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

過去に発行した地下鉄事業への経営健全化出資債,退職手当債,行政改革推進債など地方交付税措置のない特例的な市債の償還に伴う負担が大きく,類似団体より実質公債費比率が高くなっている。また,これらの市債残高が多額に上ることが,将来負担比率を押し上げる要因となっている。これまで,「はばたけ未来へ!京プラン」に基づき,投資規模と市債発行額を適切にコントロールしており,臨時財政対策債を除く実質市債残高は年々,減少している。引き続き,こうした取組を着実に進め,比率の改善に努めていく。※平成29年度は教職員給与費移管に伴う税源移譲により,標準財政規模が大幅に拡大したため,全ての政令市において,数値が大きく改善している。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

本市の公共建築物は,昭和40年代から50年代にかけて集中的に整備されており,全体的に老朽化が進んでいる。本市では平成27年3月に京都市公共施設マネジメント基本計画を策定し,公共施設の長寿命化や再編・再整備の取組を進めている。類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は,公営住宅(76.7%),公民館(67.6%),橋梁・トンネル(65.1%)である。これらの施設については,高度成長期に整備したものが多くを占めており,老朽化が進んでいることを踏まえ,計画的な保全による長寿命化や施設保有量の最適化を図っていく。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は,庁舎(65.0%),体育館・プール(56.8%),図書館(50.2%)である。庁舎については,本市では,特に本庁舎が老朽化しており,耐震性能が不足するなどの課題があったため,平成26年3月に市庁舎整備基本計画を策定し,防災拠点としても機能する効率的・効果的な庁舎の実現を目指すこととなった。平成29年度以降,再整備事業に着手している。その他の施設についても京都市公共施設マネジメント基本計画に基づき,適正な施設管理に取り組んでいる。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

平成29年度の一般会計等については,公営企業会計への追加出資や基金積立により,投資その他の資産は増えたが,有形固定資産について,新規取得による増加を減価償却による減少が上回ったことにより有形固定資産額は大幅に減少した。その結果,資産総額は平成28年度と比較して128億円減少し,3兆5,590億円となった。一方,負債は臨時財政対策債の増加により地方債残高が増加したほか、京都府から移管された教職員分の退職給付引当金の増加もあり,負債総額が757億円増加し,1兆6,435億円となっている。全体では,公営企業,市場特別会計の新規投資や資産評価差額の計上等により資産総額は1,028億円増の4兆8,430億円となった。一方,負債は地方債残高の増加等により521億円増の2兆8,044億円となっている連結では,京都市土地開発公社の公社債借換手続により現預金、借入債務の双方が増加したこともあり,資産総額は1,115億円増の4兆9,317億円,負債総額は638億円増の2兆8,561億円となっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

平成29年度の一般会計等については,平成28年度と比較し,業務費用について物件費は減少したが,京都府から移管された教職員分の人件費が増加したこともあり580億円の増加となった。また,移転費用についても社会保障給付の増加もあり35億円増加した。一方,経常収益は弁償金収入の増加もあり185億円の増加となっている。その結果,純経常行政コストは430億円増加の6,074億円となり,臨時損益を加味した純行政コストも409億円増加の6,046億円となった。全体では,市場特別会計における維持補修費の増加や介護保険事業特別会計における社会保障給付の増加等もあり,純経常行政コストは616億円増の8,916億円,純行政コストは597億円増の8,905億円となった。連結では,京都府後期高齢者医療広域連合における社会保障給付の増加等もあり、純経常行政コストは660億円増の1兆366億円,純行政コストは653億円増の1兆380億円となっている。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

平成29年度の一般会計等については,平成28年度と比較して京都府から移管された教職員の人件費増加もあり純行政コストが増加したが,方で税収等についても教職員分の財源が移管されたこともあり、財源は576億円増加し,本年度差額は赤字幅を168億円圧縮した△238億円となった。教職員に係る退職給付引当金計上や資産評価差額の影響により本年度純資産変動額は556億円減少の△885億円となり、その結果,純資産額は1兆9,155億円となっている。全体については,市場特別会計や介護保険事業特別会計において財源が増加したこともあり、本年度差額は66億円赤字を圧縮した△176億円となった。本年度純資産変動額は資産評価差額の影響等により,633億円増加の507億円となり,純資産額は2兆426億円となった。連結については,京都府後期高齢者医療広域連合において財源が増加したこともあり、本年度差額は62億円赤字を圧縮した△206億円となった。本年度純資産変動額は628億円増加の477億円であり,純資産額は2兆755億円となっている。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

・平成29年度の一般会計等については,平成28年度と比較し,業務活動収支は弁償金収入の増加等により228億円増加し,241億円となった。方,投資活動収支では,基金積立支出や公共施設等整備支出が増加する一方,基金取崩収入が減少したことなどから、赤字幅が444億円増加し,△569億円となった。財務活動収支については、市債の発行が償還を上回ったことで240億円増加し,326億円の黒字となった。これらの結果,本年度資金収支額は赤字幅を24億円圧縮した△2億円となっている。・全体については、平成28年度と比較すると、一般会計等の増減に加え,設備改修を進める市場特別会計で物件費等支出及び公共施設等整備費支出が増加したこともあり、業務活動収支は192億円増加し,782億円となり,投資活動収支は赤字幅が492億円増加し,△918億円となった。財務活動収支に関しては,公営企業において企業債の償還が進み地方債償還支出が増加したが,一方で市場特別会計で地方債発行収入が増加した結果,284億円増加した139億円となった。これらの結果,本年度資金収支額は16億円減少した3億円となった。・連結については、全体までの増減に加えて、特に財務活動収支が京都市土地開発公社の借換のための公社債発行により平成28年度と比較して384億円増加し,216億円と大幅にプラスになっている。これらの結果,本年度資金収支額は108億円増加の107億円となっている。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

本市の平成29年度の住民1人当たり資産額251.4万円,有形固定資産減価償却率62.8%は類似団体平均値と概ね同水準である。有形固定資産減価償却率は平成28年度と比較して1.7ポイント増加しており、資産の老朽化が進んでいることを示している。今後,限られた財源の中で、全ての資産を建替えなどにより更新することは困難なため,効率的かつ効果的な修繕や保有量の精査が必要になっている。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

本市の平成29年度の将来世代負担比率は34.9%であり,類似団体平均値26.0%を上回っている。本市では高速鉄道事業に係る健全化出資債,退職手当債などの資産形成につながらない地方債を多く発行していることも比率が高い要因の一つとなっている。また,地方債残高の減少よりも固定資産の減価償却による資産価値減少が大きいため、年々比率が上昇してきている。今後も資産の老朽化が進むことで、更に比率が上昇する見込みである。限られた財源の中,新規取得等により固定資産額を維持していくことは難しい。負債の削減を進めることで比率の上昇を抑えていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

本市の平成29年度の住民一人当たり行政コストは42.7万円であり、類似団体平均値42.1万円と概ね同水準である。平成29年度は京都府から移管された教職員の人件費負担増により平成28年度から3.0万円増加しているが,それを除いても社会保障給付等の増加により高止まりしており,この傾向は今後も続くと予想されることから,コストの圧縮を進める必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

本市の平成29年度の住民一人当たり負債額は116.1万円であり,類似団体平均値88.8万円よりも高い水準となっている。また負債額は年々増加傾向にある。本市では,高速鉄道事業への健全化出資債や退職手当債などの発行により負債額が類似団体と比較して高水準になっている。また,臨時財政対策債の発行などにより負債額が増加しており、特に平成29年度は京都府から移管された教職員に係る退職給付引当金の計上もあり増加額が大きくなった。地方債の発行抑制などの負債の縮減策を検討する必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

本市の平成29年度の受益者負担比率は7.3%であり,類似団体平均値6.4%を上回っている。また弁償金収入により経常収益が増加したことから,平成28年度と比較して2.4ポイント増加している。・今後も事業,施設ごとに適正な受託者負担を検討していく必要がある。-

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,