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地方財政ダッシュボード

三重県菰野町の財政状況(2017年度)

🏠菰野町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2017年度)

財政力指数の分析欄

近年は類似団体内平均値を約0.1上回って推移している。平成22年度以降は景気低迷による影響から基準財政収入額における市町村民税関係等が大幅に減少したことにより下降に転じたが、平成26年度から上昇傾向にあり、平成29年度も、町民税関係や固定資産税が増収となっている。一方で、基準財政需要額の社会福祉費や高齢者保健福祉費なども増加傾向にあるため、財政力指数としては横ばいとなっている。今後においても雇用創出事業等を行い、税収の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

社会保障費などの義務的経費、物件費等の増加により経常収支比率が高く推移しており、さらに、平成29年度は普通交付税が錯誤措置や税収増により約3億2千万円減となったこと、臨時財政対策債の発行額が約1億円減となったことなどにより前年度と比較して4.5ポイントの増となっている。今後においては、超高齢社会を迎えることにより財政の硬直化傾向が見込まれる。税、使用料及び手数料等の財源確保や行政コストの削減を図り、限られた財源の中で、費用対効果に留意しつつ事業や施策を取捨選択し、持続可能な財政運営を行う必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体内平均値と比較して、平成29年度も引き続き、下回る結果となった。保育園、小学校における給食を直営で実施しており、清掃関係においては町単独で実施しているため、人件費や物件費のうち賃金等で高い数値として表れている。また、保育園、幼稚園における障がい児加配等にも注力しており、特に民生費の賃金が高い数値で推移している。今後においては、多様化した住民ニーズに的確に対応しながら行政コストの削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値を2.7ポイント上回り、全国町村平均値を3.3ポイント上回っている。今後も地域の民間企業の平均給与の状況及び町財政の状況等を踏まえ、引き続き給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員管理については、平成15年度をピークに職員数を削減してきているが、近年は新名神高速道路開通に向けて特別救助隊を配置する必要があり、消防職員の増員を行っているため、増加傾向にある。平成29年度はほぼ同水準で推移しているが、今後についても新規採用の抑制、技能労務職の退職不補充を基本としながら、引き続き適正な定員管理を実施するよう努める。

実質公債費比率の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値を5.4ポイント下回っている。主な要因として、従来より起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことがあげられる。今後、清掃センター整備事業などの高額な地方債の償還が見込まれるが、将来の公債費の推移を予測しながら、最少の経費で最大の効果をあげることができるよう事業を遂行する。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は無し(-)となっており、健全な数値を示している。主な要因として、起債抑制を行ってきたことにより、将来負担である地方債現在高が比較的小さく表れているため、将来負担額が基金や基準財政需要額算入見込額などの充当可能財源等を下回ったことがあげられる。今後、消防庁舎整備事業等の大規模事業が予定されており、大幅な基金残高の減少、地方債残高の増加が見込まれるが、将来負担比率に目を配りながら健全な財政運営に努め、住民サービスの提供と施設長寿命化を含む社会資本整備等を行う。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2017年度)

人件費の分析欄

当町は単独消防の運営や保育園、小学校の給食を直営で実施しているため、人件費が高い数値を示す要因となっている。平成29年度においても、類似団体内平均値と比較すると5.4ポイント上回っている。今後においても事業見直し等を推進し、人件費水準の適正化に努める。

物件費の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値に比べ6.6ポイントと大きく上回っている。消防や清掃関係の町単独での実施、保育園や幼稚園における障がい児加配等により賃金等の物件費が高い数値を示している。今後においては、各種事業の見直しを行い、行政コストの削減に努める。

扶助費の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値を1.2ポイント下回っているが、前年度より0.5ポイント上昇している。これは、障害者介護給付費等の増加が要因となっており、今後においても高齢化による社会保障費の増大により、高い数値で推移することが予測されるため、国・県の動向を見極めながら事業や施策を取捨選択し、住民に必要なサービスを提供していくよう努める。

その他の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値に比べ1.4ポイント下回っている。特別会計への繰出金の割合が大きく占めているため、負担区分に基づいた適正な繰出金の支出に努めるが、今後は高齢社会による介護保険特別会計への繰出金の増大が懸念される。

補助費等の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値を3.0ポイント下回っている。下水道事業については今後も未普及区域解消のため、整備を継続して行っていくことが計画されており、補助費等が上昇していくことが予測されている。今後もより一層、公益性や事業効果の観点から補助金等の見直しを行う必要がある。

公債費の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値を6.5ポイントと大きく下回っており、今後も起債の抑制に努める。今後、清掃センター整備事業等の高額な地方債の償還が見込まれるが、将来の公債費の推移を予測しながら、最少の経費で最大の効果をあげることができるよう事業を遂行する。

公債費以外の分析欄

平成29年度においては、類似団体内平均値に比べ6.4ポイント上回っている。今後においては、高齢社会による社会保障費の増大から更なる財政の硬直化が見込まれるため、財源の確保、行政コストの削減、事業・施策の取捨選択を図り、持続可能な財政運営を行う必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

増加した主なものとして、農林水産業費(6,348円、50.6%増)、商工費(1,663円、63.7%増)、土木費(2,737円、9.9%増)がある。農林水産業費は、農地耕作条件改善事業や基幹土地改良施設防災機能拡充保全事業により増加している。商工費は、菰野富士遊歩道等整備事業や湯の山地域空き家再生等推進事業により増加している。土木費は、橋りょう維持補修事業や下水道事業会計への繰出金により増加している。減少した主なものとしては、衛生費(-8,919円、16.9%減)、教育費(-10,012円、23.1%減)がある。衛生費は、清掃センター整備事業にかかる事業費の減により減少している。教育費は、小学校エアコン整備事業、小中学校太陽光発電等設置工事、大羽根東野球場改修事業などの事業完了に伴う事業費の減により減少している。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2017年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり303,293円となっている。増加した主なものとしては、普通建設事業費(うち新規整備)(4,316円、270.1%増)、公債費(1,264円、9.9%増)がある。普通建設事業費(うち新規整備)に関しては、千種地区コミュニティセンター整備事業などの大規模な建設事業があったことによる増加である。公債費に関しては平成27年度借入の緊急防災・減災事業債((新消防指令センター等整備事業建設負担金、消防救急デジタル無線機更新)や、平成25年度借入の臨時財政対策債の元金償還開始となったことによる増加である。また、減少した主なものとしては、普通建設事業費(うち更新整備)(-9,987円、17.5%減)、積立金(-4,912円、84.4%減)がある。普通建設事業費(うち更新整備)については、清掃センター整備事業費や小学校エアコン整備事業等の事業費の減少に起因する。積立金については、財政調整基金への積立てが前年度と比較して約195百万円の減少となったことに起因する。

実質収支比率等に係る経年分析(2017年度)

分析欄

平成29年度は、前年度に引き続き、清掃センター整備事業などの大規模な投資的事業を行ったため、実質単年度収支は赤字となっているが、財政調整基金を取り崩したことにより、実質収支額は黒字となっている。ただし、決算上剰余金の積立を行ったため、標準財政規模に対する財政調整基金残高は増加する結果となった。今後は高齢化による社会保障費の増大や、清掃センター整備事業などの高額な地方債の償還が見込まれるため、計画性を持った財政運営を行い、財政の健全化を図る。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2017年度)

分析欄

全ての会計において黒字となっているが、今後においても税収の確保、適正な利用者負担を求め、行政のスリム化及び効率化を図り、持続可能な財政運営を行う必要がある。また、一般会計から他の会計に対する繰出金等については、負担区分に基づいた適正な繰出を行い、運営・経営の健全化に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

実質公債費比率は前年度から0.1ポイントの増加となっている。これは平成27年度借入の緊急防災・減災事業債の元金償還が開始されたことによる元利償還金の増加が要因となっている。一方、類似団体内平均と比較して低い水準にある要因は従来より、起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことにより実質公債費比率(分子)を抑えていることが考えられる。今後、清掃センター整備事業などにおいて高額な地方債の償還が見込まれるが、将来の公債費の推移を予測しながら、最少の経費で最大の効果をあげることができるよう事業を遂行する。

将来負担比率(分子)の構造(2017年度)

分析欄

将来負担比率の分子はマイナスで推移している。主な要因として、起債抑制を行ってきたことにより、将来負担である地方債の現在高が比較的小さく表れているため、将来負担額が充当可能財源等を下回ったことがあげられる。今後、消防庁舎整備事業などの大規模事業が予定されており、大幅な基金残高の減少、地方債残高の増加が見込まれるが、将来負担比率に目を配りながら健全な財政運営に努め、住民サービスの提供と施設長寿命化を含む社会資本整備等を行う。

基金残高に係る経年分析(2017年度)

基金全体

(増減理由)前年度の普通交付税において多額の錯誤が発生したため、平成29年度は普通交付税の錯誤措置の軽減を図るため、前年度に財政調整基金に積み立てた錯誤相当額約196百万円を取り崩した。また、清掃センター整備事業や千種地区コミュニティセンター整備事業に伴い、「公共施設整備基金」を160百万円取崩し、あわせて「地域づくり推進基金」から同コミュニティセンター整備事業のために40百万円取崩したこと等により、基金全体としては134百万円の減となった。(今後の方針)基金全体が減少傾向にあり、その一方で財政調整基金が微増傾向にあったことから、今後は基金の使途の明確化を図り、消防庁舎整備事業等の大規模な施設整備に備え、公共施設整備基金などの個々の特定目的基金に積み立てていくことを予定している。

財政調整基金

(増減理由)前年度の普通交付税において多額の錯誤が発生したため、平成29年度は普通交付税の錯誤措置の軽減を図るため、前年度に積み立てた錯誤相当額約196百万円を取り崩したが、固定資産税や個人町民税の増収等により、約86百万円の増となった。(今後の方針)基金全体が減少傾向にあり、その一方で財政調整基金が微増傾向にあったことから、今後は基金の使途の明確化を図り、消防庁舎整備事業等の大規模な施設整備に備え、公共施設整備基金などの個々の特定目的基金に積み立てていくことを予定している。

減債基金

(増減理由)昭和62年度の臨時財政特例債の償還見合額2百万円を取り崩したことにより、減となった。(今後の方針)今後検討の必要がある消防庁舎整備事業に関して起債は交付税措置もなく、事業を実施となれば多額の償還が予想されるため、その償還の一部に取り崩すことを予定している。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共施設整備基金:公共施設及び公益施設の建設等に要する経費の財源・教育基金:教育施設の建設等に要する経費の財源(増減理由)・公共施設整備基金:清掃センター整備事業や千種地区コミュニティセンター整備事業に伴い、160百万円を取崩したことによる減。・教育基金:中学校エアコン整備事業に伴い、30百万円を取崩したが、法人税の法人税割超過課税分を30百万円積み立てたことにより増減はない。(今後の方針)・公共施設整備基金:消防庁舎整備事業等の大規模な施設整備が予定されているため、年度間の財政収支を見極めつつ、使途の明確化を図るためにも、積み立てていくくことを予定している。・教育基金:学校施設等の大規模改造事業等が今後も継続的に予定されているため、今後も一般財源の金額に応じて継続的に取崩しを行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2017年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体より若干低めとなっているが、個別の施設に注目すると、橋りょうや消防庁舎などの老朽化に伴い、有形固定資産減価償却率が増加傾向にある。今後は、各公共施設等の個別施設計画を順次策定し、同計画に基づき、長寿命化対策を図る。

債務償還可能年数の分析欄

債務償還可能年数は国及び三重県平均において下回っている状態にはあるが、実質公債費比率等の健全化度合に比べると指数はやや高く、また類似団体との比較においても指数がやや上回っている状態にある。これは、近年、清掃センターや小中学校大規模改造事業等の公共施設のストック最適化に対して積極的に投資してきており、事業費の財源に地方債を充てていることが要因であると分析される。この債務償還可能年数の上昇が健全化度合の指標となる実質公債費比率にも影響を与えることになるため、適正な投資計画に基づき、借入を行う必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体平均と比較して、将来負担比率については、従来より起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことにより下回っている。有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値より若干低い数値を示しているが、それぞれの施設の老朽化に伴い、上昇していくことが予想される。今後は各公共施設等の個別施設計画を順次策定し、施設の長寿命化を図っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体平均値を下回っている。主な要因として、従来より起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことがあげられる。今後、清掃センター整備事業などの高額な地方債の償還が予定されており、大幅な基金残高の減少などが見込まれるが、それぞれの指標に目を配りながら健全な財政運営に努め、住民サービスの提供と施設長寿命化を含む社会資本整備等を行う。

施設類型別ストック情報分析表①(2017年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、橋りょう(当町にはトンネルは該当なし)については、類似団体平均を大きく上回っている。当町には橋りょうはおよそ400橋存在し、このうち約2割の橋りょうが架橋から約50年以上経過していることが要因となっている。また、幹線道路や生活道路に架かる重要な橋りょうにおいても老朽化が進んでおり、これら施設の計画的な修繕が急務となっている。このため、橋りょう長寿命化修繕計画に基づき、緊急な修繕を要する損傷、劣化等が見受けられる橋を計画的に修繕することにより、今後の維持管理費用の減少を見込んでいる。

施設類型別ストック情報分析表②(2017年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して消防施設については、有形固定資産減価償却率が大きく平均を上回っている。これは、昭和60年に建設された消防庁舎がその要因となっている。新名神高速道路の供用開始に伴い、消火エリアが拡大し、車両火災の増加が予想され、現在の資機材や人員の見直しが必要となる。そのため効率的、効果的な活動を行うため、ハード面である消防庁舎についても今後、再整備について検討をしていく必要がある。

財務書類に関する情報①(2017年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

●(前年度との比較)4か年の継続事業として行った清掃センター整備事業の完成により、約18億円が建設仮勘定から建物に振り替えられている。当町において1施設で18億円の投資額は大きく、平成29年度の単年度で見ても、清掃センター整備事業分だけで約7億円の有形固定資産が前年度に比べ増加したことになる。平成29年度は清掃センターを含めた有形固定資産で約21億円が新しく計上されたが、減価償却累計額控除後の有形固定資産でみると、約4億4千万円の増加に留まっている。これだけ減価償却額が大きいということになり、今後の投資額によっては有形固定資産が減少することが想定される。また資産の増加に対して負債が増加した割合の方が大きくなっているが、これは清掃センター整備事業を単独事業として行い、地方債を財源としたことによる。(一般会計等と全体会計の比較)全体会計の資産約801億円と一般会計等の資産約499億円との差額302億円の約99%が水道及び下水道事業用資産で、うち約76%が下水道事業用資産となっている。資産の多くを占める管きょで見ると、延長は水道管の方が長いが、汚水管は水道管に比べて1メートルあたりの整備費用が高く、耐用年数が長いこと、また下水道事業の事業着手が平成6年度と、経年による減耗が水道管に比べて小さいことなどから、下水道用資産が全体会計に占める割合が大きくなっている。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

(前年度との比較)一般会計等では前年度と比較して、経常費用、経常収益とも2%程度の伸びとなり、純行政コストは横ばいとなった。経常費用では社会保障費や減価償却費等の増加が補助金等や支払利息の減少を上回った。補助金等の減少は前年度における臨時福祉給付金や民間施設に対する介護施設等整備補助金が皆減となったことによるもので、いずれも臨時的経費で金額が大きいため、これを除くと、経常費用はもっと増加傾向にあるとみることができる。一般会計等の純行政コストについては、施設使用に対して受益者負担に基づく使用料の見直しを行うなど、純行政コストの圧縮を図る。●(一般会計等と全体会計の比較)純行政コストでみると、一般会計等より全体会計の方が6,658百万円大きくなっている。このコスト差は社会保障関係の特別会計において保険給付費等が移転費用として経常費用に計上されているのに対し、その財源となる保険税等が経常収益には計上されないため、純行政コストが大きくなっていること、また下水道事業は整備途上で使用料が多くないことや、経常費用に一般会計が負担すべき経費が多く計上されているのに対し、経常収益には一般会計補助金が計上されていないためコストが多くなりやすい。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては純行政コストを税収等で回収することができず、前年度に引き続き本年度差額でマイナスとなってこれを下回った。純行政コストは微減だったが、これを回収する税収等で減少したことによる。税収等が減少した要因としては、景気の回復傾向から町税は増加したが、前年度に普通交付税の過大算定があり、翌年度は錯誤措置によって普通交付税が本来の額より大きく減少したことによる。全体会計では、企業会計において、水道事業会計では水道料金が料金対象経費を上回っていること、下水道事業会計では使用料対象経費を下水道使用料及び一般会計補助金により賄えたことから、本年度差額はプラスになっている。特別会計では、介護保険特別会計において、官庁会計ベースとして前年度繰越金等を見込まない単年度収支がプラスとなり、建設事業もなく、本年度差額ではプラスとなる。国民健康保険及び後期高齢者医療特別会計では、官庁会計ベースとして前年度繰越金等を見込まない単年度収支がマイナスになっている。一般会計等のマイナス幅が増えたことで、全体会計における本年度差額などが前年度を下回った。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、主要な歳入の町税や普通交付税等が業務収入に計上されるため、業務活動収支ではプラスになる。前年度を下回った理由としては、前年度において普通交付税に過大算定があり、翌年度は錯誤措置によって普通交付税が本来の額より大きく減少したことによる。投資活動収支は建設財源となる地方債が財務活動収入に計上されるなどしてマイナス幅が大きくなる。マイナス幅が前年度を下回ったのは、清掃センター整備事業が前年度を下回るなどして公共投資額が減少したことによる。財務活動収支では償還金を借入が上回り、地方債残高が増加する。全体会計では特別会計の国民健康保険及び後期高齢者医療特別会計において、官庁会計ベースとして前年度繰越金等を見込まない単年度収支がマイナスとなっており、本年度資金収支額でもマイナスになっている。介護保険特別会計ではプラスとなった。企業会計では、本年度資金収支額が水道事業会計でマイナス、下水道事業会計でプラスとなった。水道事業では不足分に多くの留保財源を充てており、資金が減少している。

財務書類に関する情報②(2017年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

資産額の多くを有形固定資産が占めており、住民一人あたりの資産額が小さいということは、これまでの公共施設等への投資額が大きくなかったということになる。これは公共施設等総合管理計画において住民一人当たりの公共施設面積が平均値を下回っていることからもわかる。見方を変えれば、全国的に公共施設の統廃合等が検討されるなか必要面積であったと見ることができるほか、更新費用が結果として抑えられることになる。有形固定資産減価償却率では類似団体で1.6ポイント増加したのに対し、0.1ポイントの増加にとどまった。これは清掃センター整備事業等による資産取得額が当該分の減価償却額を上回ったことによるものだが、比率は52.9%と有形固定資産の耐用年数の折返し地点にはきており、類似団体に遅れて更新時期が到来することになるため、ライフサイクルコストをもって負担を平準化するため、個別施設計画などに基づき施設の適正な管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

住民一人当たりの資産に占める負債割合は20.5%と、類似団体の平均24.2%を下回っており、これまで地方債の借入を抑制してきたことがわかるが、前年度と比較すると乖離が縮小し負債割合が増加している。これは清掃センター整備事業が単独事業のため、財源の多くに地方債を充てたことによる。住民一人当たりの負債額から見ても地方債の借入は多くはなく、現役世代がこの分の投資費用を負担してきたこともあって、純資産比率は高くなっている。地方債はその時の財源として借入れるものであるが、適正な受益者負担のひとつとして将来世代に負担を求める機能もあり、近年では地方債を積極的に借入れていることから、今後、純資産比率の低下が予想される。財政措置のある地方債を借入れ、実質公債費比率や将来負担比率の指標等、多角的な視点をもって資金運用を図る必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体の平均を下回っている。これまでの投資額が抑えられていたことが、住民一人あたりの資産額が大きくないといったことからもわかるが、このことで減価償却費が抑えられ、行政コストが類似団体を下回った主な要因とみている。これと関係して、金額は大きくはないものの、資産の調達源泉でもある地方債も類似団体と比べて小さく、利子負担が大きくないことも減価償却費と合わせて行政コストを圧縮している理由のひとつとしてみている。近年必要な事業については計画的かつ積極的に投資しており、今後行政コストの増加が見込まれる。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

基礎的財政収支では、投資活動収支のマイナスが影響して赤字となっている。投資活動収支では収入に地方債が計上されず、基礎的財政収支は基金繰入金も除いた当年度の純粋な歳入だけで公債費以外の歳出を賄えているのかをみるものとなっている。基礎的財政収支が赤字なのは、清掃センターや中学校エアコン整備の事業費が多額で、いずれも単独事業のため、起債と基金繰入金を財源としているが、この財源は基礎的財政収支の算定から除外されるためである。一方、住民一人当たりの負債額は類似団体の平均を下回っている。負債は資産の調達源泉で住民一人当たりの資産が小さいことに関係しているが、近年投資額が増加し、単独事業によるものが多いことから、資産調達源泉は国費等現役世代が負担する純資産ではく、地方債等将来世代が負担することになる負債で増加していくことが見込まている。国費等の財源確保に努め、負債と純資産とのバランスを図る。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度と比較すると、類似団体ではやや減少したのに対し、当町ではやや増加した。これは諸収入(雑入)が増加したことによるものだが、この歳入は臨時収入になるものの、公会計統一基準に基づき経常収益として計上したことで受益者負担比率が上昇したもので一時的であり、次年度は減少すると見込まれる。施設使用に対しては受益者負担の引上げの議論が必要になるが、人件費や扶助費等の増加が引上げ分を吸収し、上回ることが予想されるため、受益者負担比率の改善は難しいが、比率だけにとらわれることなく、経年に要する費用を使用料に反映するなどして不断の行いで適正な受益者負担を求めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,