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地方財政ダッシュボード

三重県菰野町の財政状況(2016年度)

🏠菰野町

地方公営企業の一覧

末端給水事業 公共下水道 特定環境保全公共下水道 農業集落排水


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2016年度)

財政力指数の分析欄

近年は類似団体内平均値を約0.1上回って推移している。平成22年度以降は景気低迷による影響から基準財政収入額における市町村民税関係等が大幅に減少したことにより下降に転じたが、平成26年度から上昇傾向にあり、平成28年度も、市町村民税関係や固定資産税が増収となっている。一方で、基準財政需要額の社会福祉費や高齢者保健福祉費なども増加傾向にあるため、財政力指数としては横ばいとなっている。今後においても雇用創出事業等を行い、税収の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

社会保障費などの義務的経費、物件費等の増加により経常収支比率が高く推移しているものの、平成28年度は臨時財政対策債の発行額が約3億4千万円増となったこと、普通交付税が約1億4千万円増となったこと等により前年度と比較して3.4ポイントの減となっている。今後においては、超高齢社会を迎えることにより財政の硬直化傾向が見込まれる。税、使用料及び手数料等の財源確保や行政コストの削減を図り、限られた財源の中で、費用対効果に留意しつつ事業や施策を取捨選択し、持続可能な財政運営を行う必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

類似団体内平均値と比較して、平成28年度も引き続き、下回る結果となった。保育園、小学校における給食を直営で実施しており、消防や清掃関係においては町単独で実施しているため、人件費や物件費のうち賃金等で高い数値として表れている。また、保育園、幼稚園における障がい児加配等にも注力しており、特に民生費の賃金が高い数値で推移している。今後においては、多様化した住民ニーズに的確に対応しながら行政コストの削減に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値を2.7ポイント上回り、全国町村平均値を3.3ポイント上回っている。今後も地域の民間企業の平均給与の状況及び町財政の状況等を踏まえ、引き続き給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

定員管理については、平成15年度をピークに職員数を削減してきているが、近年は新名神高速道路開通に向けて特別救助隊を配置する必要があり、消防職員の増員を行っているため、増加傾向にある。平成28年度はほぼ同水準で推移しているが、今後についても新規採用の抑制、技能労務職の退職不補充を基本としながら、引き続き適正な定員管理を実施するよう努める。

実質公債費比率の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値を5.6ポイント下回っている。主な要因として、従来より起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことがあげられる。今後、清掃センター整備事業などの高額な地方債の償還が見込まれるが、将来の公債費の推移を予測しながら、最少の経費で最大の効果をあげることができるよう事業を遂行する。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は無し(-)となっており、健全な数値を示している。主な要因として、起債抑制を行ってきたことにより、将来負担である地方債現在高が比較的小さく表れているため、将来負担額が基金や基準財政需要額算入見込額などの充当可能財源等を下回ったことがあげられる。今後、消防庁舎整備事業などの大規模事業が予定されており、大幅な基金残高の減少、地方債残高の増加が見込まれるが、将来負担比率に目を配りながら健全な財政運営に努め、住民サービスの提供と施設長寿命化を含む社会資本整備等を行う。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2016年度)

人件費の分析欄

当町は単独消防の運営や保育園、小学校の給食を直営で実施しているため、人件費が高い数値を示す要因となっている。平成28年度においても、類似団体内平均値と比較すると4.4ポイント上回っている。今後においても事業見直し等を推進し、人件費水準の適正化に努める。

物件費の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値に比べ4.9ポイントと大きく上回っている。消防や清掃関係の町単独での実施、保育園や幼稚園における障がい児加配等により賃金等の物件費が高い数値を示している。今後においては、各種事業の見直しを行い、行政コストの削減に努める。

扶助費の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値を1.2ポイント下回っているが、前年度と同水準となっている。今後においては高齢化による社会保障費の増大により、高い数値で推移することが予測されるため、国・県の動向を見極めながら事業や施策を取捨選択し、住民に必要なサービスを提供していくよう努める。

その他の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値に比べ1.2ポイント下回っており、前年度と比較して4.6ポイント減少している。特別会計への繰出金の割合が大きく占めているため、補助費等でも記述したが、下水道事業会計が法適化されたことに伴う減である。その他の特別会計に対して、負担区分に基づいた適正な繰出金の支出に努めるが、今後は高齢社会による介護保険特別会計への繰出金の増大が懸念される。

補助費等の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値を2.6ポイント下回っているものの、前年度と比較して3.9ポイント増加している。これは下水道事業会計が法適化されたことに起因する。下水道事業については今後も未普及区域解消のため、整備を継続して行っていくことが計画されており、補助費等が上昇していくことが予測されている。今後もより一層、公益性や事業効果の観点から補助金等の見直しを行う必要がある。

公債費の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値を7.3ポイントと大きく下回っており、今後も起債の抑制に努める。今後、清掃センター整備事業等の高額な地方債の償還が見込まれるが、将来の公債費の推移を予測しながら、最少の経費で最大の効果をあげることができるよう事業を遂行する。

公債費以外の分析欄

平成28年度においては、類似団体内平均値に比べ4.3ポイント上回っている。今後においては、高齢社会による社会保障費の増大から更なる財政の硬直化が見込まれるため、財源の確保、行政コストの削減、事業・施策の取捨選択を図り、持続可能な財政運営を行う必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

増加した主なものとして、総務費(5,674円、16.5%増)、衛生費(28,118円、114.7%増)、教育費(8,149円、23.2%増)がある。総務費は、コンビニ交付システム導入や財政調整基金積立金の増加による。衛生費は、清掃センター整備事業により増加している。教育費は、小学校エアコン整備事業や大羽根東野球場改修事業などの大規模な建設事業により増加している。減少した主なものとしては、商工費(-664円、20.3%減)消防費(-4,335円、24.7%減)がある。商工費は、国の消費喚起施策によるプレミアム商品券発行補助金が皆減となったことによる減少である。消防費は、消防指令センター整備等負担金や移動局デジタル無線機更新などの皆減による減少となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2016年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算額は、住民一人当たり314,345円となっている。増加した主なものとしては、補助費等(13,437円、70.5%増)、普通建設事業費(うち更新整備)(45,260円、382.4%増)、積立金(4,651円、396.8%増)がある。補助費等については下水道事業会計が法適化されたことにより、繰出金から補助費等に振り替えたことによる増加である。普通建設事業費(うち更新整備)に関しては、清掃センター整備事業費や小学校エアコン整備事業などの大規模な建設事業があったことによる増加である。積立金に関しては財政調整基金への積立てが前年度と比べて約195百万円の増加となったことに起因する。また、減少した主のなものとしては、普通建設事業費(うち新規整備)(-11,000円、87.3%減)、繰出金(-12,668円、31.8%減)がある。普通建設事業費(うち新規整備)ついては、決算統計の新規設備と更新設備の考え方の変更により事業費を振り替えたことによる減少である。繰出金については、下水道事業会計が法適化されたことにより、補助費等に振り替わったことによる減少である。

実質収支比率等に係る経年分析(2016年度)

分析欄

平成28年度は、清掃センター整備事業などの大規模な投資的事業を行ったため、実質単年度収支は赤字となっているが、財政調整基金を取り崩したことにより、実質収支額は黒字となっている。ただし、決算上剰余金の積立を行ったため、標準財政規模に対する財政調整基金残高は増加する結果となった。今後は高齢化による社会保障費の増大や、清掃センター整備事業などの高額な地方債の償還が見込まれるため、計画性を持った財政運営を行い、財政の健全化を図る。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2016年度)

分析欄

全ての会計において黒字となっているが、今後においても税収の確保、適正な利用者負担を求め、行政のスリム化及び効率化を図り、持続可能な財政運営を行う必要がある。また、一般会計から他の会計に対する繰出金等については、負担区分に基づいた適正な繰出を行い、運営・経営の健全化に努めなければならない。

実質公債費比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

実質公債費比率の減少は、単年度の比率において、平成25年度の数値(4.43717)が3か年平均から外れたことによる減。また、従来より、起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことにより実質公債費比率(分子)を抑えている。今後、清掃センター整備事業などにおいて高額な地方債の償還が見込まれるが、将来の公債費の推移を予測しながら、最少の経費で最大の効果をあげることができるよう事業を遂行する。

将来負担比率(分子)の構造(2016年度)

分析欄

将来負担比率の分子はマイナスで推移している。主な要因として、起債抑制を行ってきたことにより、将来負担である地方債の現在高が比較的小さく表れているため、将来負担額が充当可能財源等を下回ったことがあげられる。今後、消防庁舎整備事業などの大規模事業が予定されており、大幅な基金残高の減少、地方債残高の増加が見込まれるが、将来負担比率に目を配りながら健全な財政運営に努め、住民サービスの提供と施設長寿命化を含む社会資本整備等を行う。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2016年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体より若干低めとなっているが、個別の施設に注目すると、橋りょうや消防庁舎などが老朽化に伴い、有形固定資産減価償却率が増加傾向にある。今後は、各公共施設等の個別施設計画を順次策定し、同計画に基づき、長寿命化対策を図る。

債務償還可能年数の分析欄

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

類似団体平均と比較して、将来負担比率については、従来より起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことにより下回っている。有形固定資産減価償却率は類似団体内平均値より若干低い数値を示しているが、それぞれの施設の老朽化に伴い、上昇していくことが予想される。今後は各公共施設等の個別施設計画を順次策定し、施設の長寿命化を図っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率及び実質公債費比率は類似団体平均値を下回っている。主な要因として、従来より起債抑制を行ってきたことや基準財政需要額に算入される地方債を中心として借入を行ってきたことがあげられる。今後、清掃センター整備事業などの高額な地方債の償還や、消防庁舎整備事業などの大規模事業が予定されており、大幅な基金残高の減少などが見込まれるが、それぞれの指標に目を配りながら健全な財政運営に努め、住民サービスの提供と施設長寿命化を含む社会資本整備等を行う。

施設類型別ストック情報分析表①(2016年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

ほとんどの類型において有形固定資産減価償却率は類似団体平均を下回っているものの、橋りょう(当町にはトンネルは該当なし)については、類似団体平均を大きく上回っている。当町には橋りょうはおよそ400橋存在し、このうち約2割の橋りょうが架橋から約50年以上経過していることが要因となっている。また、幹線道路や生活道路に架かる重要な橋りょうにおいても老朽化が進んでおり、これら施設の計画的な修繕が急務となっている。このため、橋りょう長寿命化修繕計画に基づき、緊急な修繕を要する損傷、劣化等が見受けられる橋を計画的に修繕することにより、今後の維持管理費用の減少を見込んでいる。

施設類型別ストック情報分析表②(2016年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体と比較して消防施設については、有形固定資産減価償却率が大きく平均を上回っている。これは、昭和60年に建設された消防庁舎がその要因となっている。今後、新名神高速道路の供用開始に伴い、消防庁舎の整備も計画されていることから、有形固定資産減価償却率は減少していくことが見込まれている。

財務書類に関する情報①(2016年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

全体会計の資産は78,828百万円と一般会計等の資産49,714千円に比べ29,114百万円多い。このうち99.7%を水道及び下水道事業用資産が占め、うち75%が下水道事業用資産となる。水道及び下水道事業の主要な資産である水道管と汚水管きょで見ると、延長は水道管の方が相当に長いが、汚水管きょについては、1メートルあたりの整備費用が水道管に比べて大きいこと、また水道管より耐用年数が長く、事業着手も平成6年度と、経年による減耗が水道管に比べて小さいことなどから、下水道用資産が全体会計に占める割合が大きくなっている。資産に占める負債の割合は一般会計等の19%に対し、全体会計は28%となっている。公営企業が行う事業、特に整備途上の下水道事業において、地方債が主な財源となり、全体会計において、負債が資産に占める割合が高くなっている。なお、水道事業会計の資産に占める負債の割合は39%、下水道事業会計は96%と下水道事業が整備途上にあることがわかる。一方、負債の低下は資産の老朽化でもあり、水道事業が更新期にあるとみてとることもできる。国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療特別会計の負債に地方債は計上されておらず、主に賞与等引当金を計上したものとなっているが、全体会計に占める割合は非常に小さい。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

純行政コストでみると、一般会計等に比べ全体会計で6,635百万円増加している。このコストは国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療の特別会計と、企業会計の下水道事業会計によるものとなっている。前者については、主要な歳出である保険給付費等が移転費用として経常費用に計上されるのに対し、その財源となる保険税等が経常収益に計上されないため、純行政コストが大幅なマイナスとなり、このことは他団体でも共通する。一方、下水道事業会計の純行政コストは自治体により状況が異なる。菰野町の下水道事業会計の純行政コストは、国民健康保険等の特別会計に比べてマイナス幅は小さいものの、経常収益が経常費用に占める割合が水道事業会計に比べて小さい。まず水道事業会計でみてみると、純行政コストは発生していてもわずかで、長期前受金戻入が経常収益に計上されないことから見ても、独立採算が堅持されていることが分かる。これに比べ、下水道事業会計の純行政コストは水道事業会計より相当多くなっている。ひとつは菰野町の下水道が整備途上で接続率の関係から下水道使用料が多くはないこと、及び経常費用に減価償却費が多く計上される一方で長期前受金戻入が経常収益には計上されないこと、そして下水道事業会計の経常費用には、一般会計が負担すべき経費が多く含まれているものの、経常収益には一般会計補助金が計上されていないためである。一般会計等の純行政コストについては、施設使用に対して受益者負担に基づく使用料の見直しを行うなど、純行政コストの圧縮を図る。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては純行政コストを税収等で賄うことができていない。理由としては、前年度繰越金が公会計には計上されない中で、減価償却費分を建設事業に係る国県支出金で賄えなかったことによる。水道及び下水道事業会計においては、純資産変動計算書の財源に長期前受金戻入及び一般会計補助金等が計上されることで、純行政コストのマイナス幅が解消され、水道事業会計ではプラス、下水道事業会計では少しマイナスとなったものの、純行政コストのマイナス幅は大きく解消されている。基本的には、行政コスト計算書及び純資産変動計算書が企業会計の損益計算書と整合し、当期純利益と本年度差額は近い数値になるとみている。一般会計等では減価償却費に相応する長期前受金戻入がなく、建設事業に係る国県支出金が一度期に計上されるなど、企業会計のように十分な期間損益に基づかず、このバランスの上で純資産変動計算書が構成されると、本年度差額がマイナスになる場合もあるが、最終的には平準化されるものとみている。国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療の特別会計では、官庁会計ベースで前年度繰越金等を見込まない単年度収支においてプラスとなっており、建設事業もないことから、本年度差額は総じてプラスになる。本年度差額は会計別において下水道事業会計で若干のマイナスとなったが、水道事業会計、国民健康保険等の特別会計でプラスとなり、一般会計等のマイナスを吸収したほか、連結修正が加わって、全体会計としてはプラスとなり、純資産残高に上積みされたものである。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、主要な歳入の町税や普通交付税等が業務収入に計上されるため、業務活動収支でプラスになっている。投資活動収支ではマイナス幅が大きく、この分は建設投資に対し地方債や町税等を財源としていることが読取ることができる。全体会計では国民健康保険、介護保険及び後期高齢者医療の特別会計において本年度資金収支額がプラスとなっており、単年度収支において黒字となっていることが確認できる。企業会計の下水道事業会計でも本年度収支額がプラスとなり資金残高に上積みされたのに対し、水道事業会計ではマイナスとなり、資金残高が減少している。これは水道料金を引下げたことがひとつの要因となっている。また水道事業では建設事業の不足分に多くの留保財源を充てていることが分かる。全体会計の本年度資金収支額はプラスとなり、資金が上積みされているが、これは、水道事業会計のマイナス分を下水道事業会計、国民健康保険等の特別会計の資金収支のプラスが吸収していることによる。

財務書類に関する情報②(2016年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額が類似団体の平均を大きく下回っているほか、公共施設等総合管理計画においても住民一人当たりの公共施設面積が類似団体の平均値を大きく下回っていることから、施設整備に対する投資額は多くはなかったとみることができる。一方、歳入額対資産比率でも類似団体の平均を下回ってはいるものの、住民一人当たりの資産額に比べその差は小さい。理由のひとつとして、平成28年度は清掃センターや小学校エアコン整備事業など大型事業が重なり、歳入決算額が最も大きい年度であったことによる。有形固定資産減価償却率は類似団体の平均をやや下回ってはいるが、比率は52.8%と、有形固定資産の耐用年数の折り返し地点に入っていることがわかる。今後、施設が老朽化し補修費用の増嵩が見込まれることから、ライフサイクルコストをもって負担を平準化していくため、長寿命化計画を策定し、施設の適正な管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

住民一人当たりの資産に占める負債の割合は19%と、類似団体の平均24%を下回り、これまでにおいて地方債の借入を抑制してきたことが推察される。適正な受益者負担として使用料の見直しがあげられるが、当町では起債により将来世代に対し負担を求めることも適正な受益者負担の考え方のひとつとしている。ただ、住民一人当たりの負債からも分かるように、これまでの地方債の借入は多くはなく、この分、現役世代が投資費用を負担してきたこともあって、純資産比率は高くなっている。現在は適正な受益者負担として、起債により将来世代に負担を求めることも一つの考えとし、地方債を積極的に借入れていることから、今後、資産に対する純資産比率は低下し、負債の割合が増加することが予想される。財政措置のある地方債を借入れており、実質公債費比率や将来負担比率の指標と併せながら、多角的に状況を見る必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たりの行政コストは類似団体の平均を下回っている。当町における住民一人当たりの資産等が類似団体の平均を下回っていることから資産形成は大きくはなく、減価償却費が抑えられていることが、行政コストが類似団体を下回った主な要因と推察している。これと関係して、資産の調達源泉である地方債も大きくはなく、現に住民一人当たりの負債も類似団体の平均を大きく下回っており、地方債に係る利子負担が大きくはないことも減価償却費と合わせて行政コストを圧縮している理由のひとつとみている。一方、当町では公共下水道が整備途上で、毎年行う繰出が多額にのぼり、行政コストに影響しているところもある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

業務活動収支では臨時財政対策債を除き黒字を維持できているが、投資活動収支の赤字幅がこれを大きく上回り、基礎的財政収支は赤字となっている。資金収支計算書の本年度資金収支額はプラスのため、投資事業でも単独事業費分が多額で、基礎的財政収支の算定において収入から除外される起債や基金繰入金を主な財源としていたことが推察できる。平成28年度は清掃センター整備事業や小学校エアコン整備事業の事業費が多額で、起債と基金繰入金を財源としている。一方、住民一人当たりの負債は類似団体の平均を大きく下回っている。負債は資産の調達源泉で、地方債が主なものとなるため、住民一人当たりの資産が小さいことと比例的に関係している。負債が小さいため、施設の老朽化度合及びこれまでの設備投資の規模について検証していく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は類似団体平均と一致している。適正な受益者負担と公平性の観点から、一部の施設使用に対し使用料を求めるようになったことから、受益者負担比率の上昇要因とはなる。しかしながら、経常収益に対し経常費用が圧倒的に大きく、使用料が上昇しても、人件費や扶助費の増加が、使用料の増加分を吸収し、さらには上回ることが予想され、受益者負担比率は低下するものと考えられる。比率だけにとらわれることなく、経年に係る費用をコスト化し使用料に反映するなどして不断に適正な受益者負担を求めていく必要がる。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,