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地方財政ダッシュボード

三重県四日市市の財政状況(2020年度)

🏠四日市市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

本市には、全国有数の石油化学コンビナートやIT関連企業等の多様な産業が集積し、税収面で恵まれた状況にあることから、類似団体の平均より良好な値となっています。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、法人市民税や償却資産に係る固定資産税等が前年度と比べ減収となったものの、なお堅調な市税収入などにより、本市の財政力指数は、前年度から0.04ポイント増の1.21となりました。これらの税は、今回のように景気に左右されやすく、安定して見込まれる歳入ではないことから、引き続き行財政改革に取り組み、経常経費の抑制等、歳出の徹底的な見直しを行うとともに、税等の徴収率向上対策を中心とする歳入確保に努めていきます。

経常収支比率の分析欄

新型コロナウイルス感染症の影響により、固定資産税・法人市民税等がともに減収となり、市税収入全体で減となったことに加え、会計年度任用職員制度の導入、三重とこわか国体・三重とこわか大会に向けた人員増加等に伴う人件費の増などにより、令和2年度における本市の経常収支比率は、前年度から3.3ポイント増の78.1となりました。なお、本市の経常収支比率は非常に良好な水準でありますが、これは、近年の市税収入の大幅増加に伴う一般財源の増が主な要因であることから、引き続き、歳出における経常経費の節減や費用対効果の向上などの取り組みを継続していきます。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費については、職員数の増加、並びに会計年度任用職員制度の開始に伴う会計年度任用職員(パートタイム)への期末手当支給等により、前年度に比べ増となっています。その一方で、物件費については、近年の労務単価や最低賃金の上昇に伴う外部委託料・臨時職員賃金の増などにより上昇傾向にありますが、令和2年度は会計年度任用制度の開始に伴い、パートタイム職員の賃金等が物件費から人件費に移ったため減となっています。なお、人口1人当たりの人件費・物件費等決算額については、職員数の増加に伴い、前年度と比べ6,707円増の125,762円となりました。

ラスパイレス指数の分析欄

平成25年度以降、類似団体平均を上回る数値で推移しており、全国でも給与水準が高い自治体となっています。社会経済情勢の変化や国の給与水準等を踏まえ、引き続き本市の給与水準の適正化に努めていきます

人口1,000人当たり職員数の分析欄

新・行財政改革大綱(平成10年度策定)に基づき、他都市に先がけて職員数の削減を実施してきたことにより、人口千人当たり職員数は、令和元年度まで類似団体平均を下回っていました。しかしながら、平成29年以降、三重とこわか国体・三重とこわか大会関連の職員の増員や、市立四日市病院の医療職員の増員などから、職員数は増加傾向にあり、令和2年度には、人口千人当たり職員数が類似団体平均を上回りました。

実質公債費比率の分析欄

過去の大型プロジェクトの実施や下水道事業の推進により、これまで類似団体平均を上回っていましたが、償還のピークが過ぎたことや、市債の発行抑制に努めてきたことにより、令和2年度は類似団体平均を下回りました。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、一般会計等の地方債残高が47億円の減となったことなどから、前年度の-11.1%から7.7ポイント減の-18.8%(表示上は0)に減少し、さらに改善しました。今後も、将来世代の負担を軽減するため、市債発行の抑制や基金残高の確保などに取り組み、健全で持続可能な財政運営を行っていきます。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

新・行財政改革大綱に基づき、他都市に先駆けて職員数の削減に努めてきたことにより人件費が抑制され、類似団体平均を下回っています。特に平成30年度以降、職員数の増加傾向や、人事院勧告による給与等の引き上げがあるものの、市税等の増収による一般財源の増により、経常収支比率における人件費は、類似団体平均を大きく下回っています。令和2年度は、会計年度任用職員制度の導入に伴い、これまでの嘱託職員及び臨時職員に係る賃金等(物件費)が人件費に移行したことから、前年度から5.5ポイント増の23.5%となっています。今後も事務の効率化・合理化を継続しながら、業務量の的確な把握と適正な定員管理を行っていきます。

物件費の分析欄

行財政改革の中で外部委託等を推進し、委託料が増加してきたことで、平成29年度までは類似団体平均に比べ高い水準となっていましたが、平成30年度以降は、市税等の増収による一般財源の増により、類似団体平均を下回っています。令和2年度については、会計年度任用職員制度が開始されたことにより、それらの職員に支出する給料等の性質が物件費から人件費に変更となったため、数値が大きく減少しています。

扶助費の分析欄

社会保障関連経費の伸びにより増加傾向が続いており、令和2年度は、ひとり親世帯や子育て世帯に対する臨時特別給付金給付事業費の皆増や、幼児教育・保育の無償化の通年化に伴う子育て施設等利用給付事業費の増などにより扶助費は前年度から0.3ポイント増の10.0%となっています。現段階では類似団体平均を下回っていますが、今後も扶助費の精査を行い、適正な執行に努めます。

その他の分析欄

アセットマネジメント事業として公共施設の計画的な維持補修を進めており、維持補修費が増加しているほか、高齢化の進展から後期高齢者医療特別会計や介護保険特別会計への繰出金が増加していることから、近年は比率が上昇傾向にあります。なお、下水道事業への繰り出しが補助費等となることから、類似団体平均よりも低い指標となっています。

補助費等の分析欄

下水道事業や四日市港管理組合への負担金支出が多額であることから、類似団体平均を上回っていますが、平成30年度以降、市税等の増収による一般財源の増により、数値が年々改善しており、令和2年度は前年度から0.3ポイント改善しました。これらの支出について精査する一方で、各種団体への補助金・負担金を始め、個々の補助事業についても、必要性や効果の検証を行うとともに、適宜見直しを進めることで、さらなる適正化を図っていきます。

公債費の分析欄

過去に発行した市債の償還が順次終了するとともに、市債発行の抑制により市債残高の減少を図ってきたことから、令和2年度は前年度から0.6ポイント改善し、類似団体中最も低い水準となりました。今後も、効果的かつ効率的な市債の発行に努めます。

公債費以外の分析欄

令和2年度については、新型コロナウイルス感染症の影響により法人市民税が減収となったことなどで、一般財源が減少し、数値が増加しましたが、依然として類似団体平均を下回る結果となっています。本市は普通交付税の不交付団体であり、市税収入の増減の影響を受けやすい傾向にあり、高齢化の進展等に伴う社会保障関連経費のさらなる増加も見込まれるため、引き続き適正な執行に努め、経常経費の節減を図っていきます。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

住民一人当たりの総務費は142,319円となっており、前年度決算と比較すると206.8%増となり、類似団体平均を上回っています。これは、国民一人につき10万円給付した特別定額給付金の増加などによるものです。住民一人当たりの民生費は143,430円となっており、全国平均、類似団体平均、県内平均を下回っていますが、令和2年度は認定こども園の整備や幼児教育・保育の無償化の通年化などによる大幅な増となったほか、近年は社会保障経費の増加により、上昇傾向にあります。住民一人当たりの衛生費は37,578円となっており、前年度決算と比較すると19.3%増となり、類似団体平均を上回っています。これは、新型コロナウイルス感染症対応の経済対策として実施した、水道基本料金半年間無料化に伴う水道事業会計への補助金が増加したことなどによるものです。住民一人当たりの教育費は52,200円となっており、前年度決算と比較すると31.1%減となりましたが、類似団体平均を上回っています。これは、小・中学校の普通教室空調設備や海蔵小学校改築などの整備費が減少となったものの、一人一台タブレット導入に向けた小中学校の校内ネットワーク整備などが増加したことなどによるものです。住民一人当たりの公債費は21,871円となっています。以前は類似団体平均よりも若干高い水準にありましたが、市債発行の抑制に努めた結果、平成28年度以降は類似団体平均を下回っています。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

歳出決算総額は、住民一人当たり490,584円となっています。住民一人当たりの人件費は、67,305円となっており、平成25年度以降ほぼ横ばいで推移していましたが、令和2年度は、会計年度任用職員制度の開始に伴い、これまでの嘱託職員や臨時職員の経費を物件費から人件費に移行したことから大幅な増となりました。その結果、類似団体の平均を上回ることとなりましたが、引き続き職員の適正配置や給与制度の見直し等による人件費の抑制に努めてまいります。住民一人当たりの公債費は、21,871円となっており、計画的な市債の発行に努めてきたことで、平成25年度以降、毎年減少しており、平成28年度以降、類似団体の平均を下回っています。引き続き、効果的かつ効率的な市債の発行に努めていきます。住民一人当たりの扶助費は、90,453円となっており、類似団体の平均を下回っています。扶助を必要とする方には適切な支援を行いつつ、今後も現在の状況を維持できるよう、扶助に頼らないまちづくりを進めていきます。住民一人当たりの普通建設事業費は、54,621円となっており、前年度から減少したものの、引き続き類似団体の平均を上回っています。これは、令和元年度は三重とこわか国体に向けた四日市市総合体育館整備、令和2年度は一人一台タブレット導入に向けた小中学校の校内ネットワーク整備や保々子ども園・楠こども園・神前こども園の認定こども園整備など大規模な投資を実施したことが主な要因です。住民一人当たりの積立金は、10,805円となっており、前年度から減少したものの、引き続き類似団体の平均を上回っています。これは、平成30年度は市税の上振れ分7,280百万円を新設のアセットマネジメント基金へ積み立て、令和元年度、令和2年度は同基金に目標額の1,000百万円を積み立てたことが主な要因です。住民一人当たりの補助費等は、149,261円となっており、令和2年度は水道基本料金半年間無料化に伴う水道事業会計への補助金などコロナ対応に係る支援を実施したことにより大幅な増となったほか、下水道事業や四日市港管理組合への負担金支出額が多額であることから、類似団体と比較して高い水準にあります。反面、下水道事業への繰出金を補助費等として整理していることから、住民一人当たりの繰出金は29,754円と、類似団体と比較して低い水準となっています。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

財政調整基金残高については、前年度決算剰余金の1/2ルール分など17億円を積み立て、令和2年度末の残高は約149億円となっています。実質収支額については、市債の発行抑制や基金繰入金の減額に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による例年の規模を超える不用額が生じたことなどから、45億円の黒字となりました。実質単年度収支については、35億円の黒字となり、引き続き健全な財政状況にあるといえます。今後も、災害などの不測の支出や景気変動による減収に備え、安定した市民サービスを行うため、財政調整基金等の残高確保に努めるとともに、実質収支・実質単年度収支が適正な値となるよう、健全な財政運営を行っていきます。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

連結実質赤字比率は、指標作成当初から「赤字なし」の状況が継続しています。令和2年度は、全ての会計において黒字となりました。今後も、引き続き、企業会計の収益構造の改善や特別会計の採算性の向上に努めるとともに、人口減少や高齢化社会の進展など、社会構造の変化に対応するため、介護保険や後期高齢者医療をはじめとした特別会計の財政基盤の強化を目指します。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

過去の大型プロジェクトに係る市債の償還が順次終了するとともに、「償還額以上は借り入れない」、「交付税措置のある地方債を優先的に借り入れる」など、計画的な市債発行に努めてきたことにより、令和2年度の元利償還金は、前年度に引き続いて減少し、実質公債費比率の分子も1,579百万円から1,401百万円へと減少しました。実質公債費比率は徐々に減少しており、令和2年度は2.5%となり、類似単体平均を1%下回りました。今後も計画的な市債の発行に努めていきます。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度は、公営企業債等繰入見込額について、一般会計からの繰入金のうち元利償還金に充てることができる額が減少したことにより7,170百万円の減となったことや、一般会計等に係る地方債の現在高が、市債の発行抑制により4,644百万円の減となったことなどにより、将来負担額は前年度に比べて12,256百万円の減となりました。一方で、充当可能財源等は、基準財政需要額算入見込額が交付税措置のある市債の償還が順次終了していることに伴い5,303百万円の減となったことなどにより、前年度に比べて7,845百万円の減となりました。これらの要因により、将来負担比率の分子は前年度と比べて4,413百万円減の-13,526百万円となり、さらに数値が改善しました。今後も、将来世代の負担を軽減し、健全な財政運営を維持するため、市債発行の抑制や基金残高の確保などに努めていきます。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)三重とこわか国体・とこわか大会の開催に伴う運動施設等の整備にかかる財源として都市基盤・公共施設等整備基金から387百万円取り崩したこと等により、基金全体の繰入金は730百万円となりました。一方、前年度決算剰余金の二分の一ルール分等1,665百万円を財政調整基金に積み立てたことや、土地開発公社の解散に伴い、市に帰属された残余財産等514百万円を土地開発公社経営健全化基金に積み立てたこと等により、基金全体の積立金は3,364百万円となり、基金残高は前年度に比べて2,634百万円の増となりました。(今後の方針)令和4年度は、新型コロナウイルスの影響等により落ち込んだ地域経済の回復を図るため、本市独自の経済対策の実施に伴う財源として、財政調整基金から2,256百万円の繰入金を計上していることから、基金全体の残高についても減少する見込みとなっています。今後も、新型コロナウイルスの影響が見通せない状況ではありますが、災害等の発生や市税収入の急激な落ち込み等の不測の事態に備え、決算剰余金等を財源として、財政調整基金の残高の維持に努めるとともに、将来に発生する大型投資事業や公共施設の大量更新に要する経費を確保するため、各種基金の残高の確保に努めていきます。

財政調整基金

(増減理由)新型コロナウイルス感染症に対する本市独自の緊急支援策等を実施するため43億円をいったん取り崩したものの、その後、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の交付や前年度決算剰余金の二分の一ルール分など1,665百万円の積み立てを行ったことなどにより残高を戻した結果、前年度に比べて1,665百万円の増となりました。(今後の方針)令和4年度は、新型コロナウイルスの影響等により落ち込んだ地域経済の回復を図るため、本市独自の経済対策の実施に伴う財源として、財政調整基金から2,256百万円の繰入金を計上しています。今後も、新型コロナウイルスの影響が見通せない状況ではありますが、災害等の発生や市税収入の急激な落ち込み等の不測の事態に備え、決算剰余金等を財源として、財政調整基金の残高の維持に努めていきます。

減債基金

(増減理由)運用益の積み立てを行ったことから、残高は314百万円となりました。(今後の方針)大規模な投資にかかる今後の償還状況や会計検査等において繰上償還を命じられるリスクを踏まえ、市債残高の一定割合を確保するなど、市債の償還に必要な財源を確保し、将来にわたる財政の健全な運営に努めていきます。

その他特定目的基金

(基金の使途)・アセットマネジメント基金:公共施設等総合管理計画における公共施設の建替え及び大規模改修、長寿命化に伴う維持補修や解体撤去・都市基盤・公共施設等整備基金:道路・河川等の都市基盤整備のほか、市庁舎等や小中学校・幼稚園・保育園などの公共施設等の整備(増減理由)・アセットマネジメント基金:「四日市市財政プラン2020」における毎年度の積立目標額から、1,006百万円を積み立てました。・都市基盤・公共施設等整備基金:今後の大規模投資事業に備えるため、142百万円を積み立てた一方で、三重とこわか国体・とこわか大会の開催に伴う運動施設整備事業などに対して387百万円の取り崩しを行いました。(今後の方針)・アセットマネジメント基金:公共施設の大量更新が始まる令和16年度までに残高を200億円とすることを目標に、当面の間毎年度10億円の積立を行っていきます。・都市基盤・公共施設等整備基金:市税収入の年度間の変動に左右されず、大規模投資事業を着実に進められるよう、本基金を活用しながら所要の財源の確保に努めていきます。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は類似団体平均より高い水準にはありますが、令和2年度の本市の償却率は令和元年度に引き続き減少しました。これは、国体関連施設等の整備工事完了及び小中学校改修等による有形固定資産取得価額(償却対象)が増加したことによるものです。類似団体より高い水準となっているのは、昭和40~50年代に建設された多数の公共施設が老朽化していることに起因しますが、本市では「四日市市公共施設等総合管理計画」に基づき長寿命化事業を実施し、定期的な修繕、機器更新を行うことにより施設の機能や安全性を確保していきます。

債務償還比率の分析欄

本市の債務償還比率は、令和2年度も、前年度に引き続き改善しました。これは、地方債の償還を進めていることによる地方債残高の減少等に伴い、将来負担額が対前年度比で約120億円減少したことに加え、大規模法人による設備投資等に伴う市税収入が引き続き堅調であることを背景とした基金等の積立により、充当可能財源についても、前年度と同等規模で確保できていることによります。しかしながら、市税収入は景気変動の影響を受けやすく、安定して見込まれる歳入ではないことから、引き続き行財政改革に取り組むとともに効果的かつ効率的な市債発行に努めます。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、平成30年度決算以降、大幅に類似団体平均を下回っている状況にありますが、有形固定資産減価償却率については、近年は減少傾向であるものの依然として類似団体平均を上回っています。昭和40~50年代に建設された公共施設の大量更新に備え、基金を活用し、所要の財源を中長期的な視点で確保していくほか、定期的な修繕、機器更新を行い、公共施設の長寿命化を行うことで、財政負担の平準化を図っていきます。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

過去に発行した地方債の償還が順次終了するとともに、近年は交付税措置のない地方債の発行抑制を行っていることから、将来負担比率及び実質公債費比率は減少傾向であり、令和2年度決算においてはいずれも類似団体平均を下回っています。将来負担比率については、平成30年度決算において、土地開発公社における債権債務の清算完了し、設立法人等の負債額等負担見込額が皆減となったことから、比率が大幅に改善し、以降は将来負担額が充当可能財源等を下回る状態(「-」)となっています。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却償却率が類似団体平均と比較して、特に高くなっている施設は道路と公民館です。道路の取得原価は本市全体の有形固定資産の約40%を占めており、有形固定資産減価償却率は80%弱となっていることから、これが全体における有形固定資産減価償却率の高止まりに影響しています。老朽化した道路ストックを適切に管理するため、定期的(5年ごと)に点検を実施し、劣化が進んだものから修繕・更新を行い、安全性の確保に努めています。また、公民館機能を持つ地区市民センターについては、「四日市市公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的に長寿命化事業に取り組み、機能の維持及び安全性の確保に努めています。一方、有形固定資産減価償却率が類似団体平均を特に下回っているのは、児童館と港湾・漁港です。児童館の減価償却率が平成29年度以降低下したのは、平成29年3月に老朽化した橋北児童館を閉館し、平成29年4月に廃校を改修して新たに開設した橋北交流会館内のこども子育て交流プラザに機能を移転した影響によるものです。港湾・漁港の減価償却率が類似団体平均を下回っているのは、主に老朽化進行による堤防等の機能喪失等の改善を図る漁港海岸長寿命化計画に基づく改修工事の影響によるものです。認定こども園・幼稚園・保育所の減価償却率が平成30年度以降低下傾向にあるのは、施設老朽化や園児数減少等による配置の見直しに基づく施設改廃の影響によるものです。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

類似団体平均と比較して特に有形固定資産減価償却率が高くなっている施設は図書館であり、特に低くなっているのは、福祉施設、一般廃棄物処理施設及び消防施設です。図書館については、現在の所在地に開館した昭和48年より40年以上経過し、老朽化が進んでいることから、現在新図書館を含む複合的な中心市街地拠点施設整備について検討を進めています。福祉施設については、昭和54年に開設以来40年経過し老朽化が進んでいた児童発達支援センターあけぼの学園が平成30年度に移転新設したことに伴う福祉施設全体の償却対象倍増により減価償却率が改善しました。一般廃棄物処理施設については、平成27年度に老朽化していた北部清掃工場に代わる四日市クリーンセンターの新設により減価償却率が改善しました。消防施設については、老朽化した消防署や出張所の改築が随時行われていることから、平成28年度以降継続して類似団体平均を下回っています。前年度数値と比較し変動が大きかったのは、体育館・プールです。令和元年度までは類似団体平均とほぼ同じ水準でしたが、令和2年度に国体開催に向け建設を進めていた総合体育館の新設により有形固定資産残高が増加し、減価償却率が類似団体平均を21.6%下回りました。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から9,518百万円(+2.6%)の増加となりました。主な要因は、国体関連施設の整備、小中学校の改築や大規模改修などによる事業用資産5,462百万円(+3.1%)の増加です。インフラ資産については、新たな投資が減価償却による資産の減少を上回ったことなどにより332百万円(+0.3%)の増加となりました。また、負債総額は、地方債の返済(4,311百万円、▲9.2%)に努めたことなどにより、前年度末から4,464百万円(▲5.6%)の減少となりました。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等の経常費用は136,978百万円となり、前年度比37,381百万円の増加(+37.5%)となりました。その内訳は、人件費が21,831百万円(+4.7%)、光熱水費や消耗品費、委託料、維持補修費などが19,663百万円(+11.3%)、減価償却費が9,420百万円(+6.7%)、市民への補助金、児童福祉・生活保護・医療費給付などの社会保障費が66,229百万円(+99.4%)、このうち、新型コロナウイルス感染症に関する特別定額給付金を含む補助金等は、前年度から32,353百万円増の39105百万円となっています。その他特別会計や企業会計への繰出金が18,143百万円(+9.1%)となっています。経常費用のなかでは、国体開催準備や新型コロナウイルスなど特殊事情を除くと、社会保障給付が前年比664百万円増と引き続き増加傾向にあり、今後も高齢化に伴い、社会保障費の増大が見込まれるため、引き続き効果的かつ効率的な財政運営に努めていきます。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、令和2年度の純資産変動額は13,981百万円(+4.8%)の増加となりました。この増加は主に新型コロナウイルス感染症に関する特別定額給付金に伴う交付金による国県等補助金の増加(60,047百万円(+35,049百万円、+140.2%))によるものです。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は前年度より3,780百万円減(▲15.9%)の19,934百万円となりました。これは、税収等収入が前年度より2,563百万円減(▲2.9%)となったことに加え、物件費等支出が1,380百万円増(+7.3%)、社会保障給付支出が664百万増(+2.5%)となったことなどによるものです。また、投資活動収支については前年度より2,828百万円増(+17.9%)の△12,989百万円となっています。これは、公共施設等整備費支出が前年度に比べて3,268百万円減(19.5%)となったことなどによるものです。さらに、財務活動収支については、地方債の償還額が地方債発行収入を上回ったことから、4,892百万円となっています。このほか、業務活動収支と投資活動収支の合計などからなる基礎的財政収支(プライマリーバランス)は、一般会計等ベースで9,858百万円と黒字であり、行政サービスに必要な資金を、借金なしに賄うことができています。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は、前年度より3.1万円増加しました。これは主に国体関連施設等の整備により有形固定資産が前年度より4,769百万円(+1.5%)増加したことなどによるものです。歳入額対資産比率は、対前年度比0.51年下回りましたが、これは、新型コロナウイルス感染症に関する特別定額給付金の交付金などにより国県等補助金収入が前年度に比べて35,773百万円増加(+164.3%)したためであり、一過性の要因によるものです。有形固定資産減価償却率は、令和2年度における国体関連施設等の整備により有形固定資産の対前年度比増加率(5.0%)が減価償却累計額の増加率(2.2%)を上回ったため、前年度より1.8%減少しました。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率については、前年度より1.7%増加しました。これは、主に国体開催に向けた既存施設の更新による有形固定資産残高の増加や、基金積立等により前年度から資産合計が9,518百万円(+2.6%)増加した一方、地方債の返済が進んだこと(4,311百万円、▲9.2%)などにより負債総額が前年度末か4,464百万円の減少(▲5.6%)となったことによるものです。将来世代負担比率については、前段と同様に国体関連施設の整備等の理由による有形固定資産の増加、また地方債の償還が進められていることから対前年度比0.8%減少となりました。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは対前年度比12.4万円増加しました。これは、前年度に比べて純行政コストが37,999百万円増加(+40.5%)した影響ですが、新型コロナウイルス感染症に関する特別定額給付金により、移転費用が著しく増加したためで一過性の要因によるものです。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額については、地方債償還が進んだこと等による負債合計減少(4,464百万円、▲5.6%)により対前年度比1.5万円減少しました。基礎的財政収支については、前年度に比べて国体関連施設等の整備が減少したことに伴い、投資活動収支は改善(+2,845百万円、21.5%)しましたが、償却資産の減価償却の進展による固定資産税の減収や、新型コロナウイルス感染症の影響による法人市民税の減収等による業務活動収支の悪化(3,858百万円、▲16.0%)等により対前年度比1,013百万円減少しました。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は、経常収益の減少に比べて、経常費用が著しく増加したことにより、対前年度比2.0%減少となりました。しかし、経常費用の増加は、ほぼ新型コロナウイルス感染症に関する特別定額給付金による移転費用の増加が占めており、一過性の要因によるものです。一方で、社会保障給付などは年々増加傾向にあるため、引き続き効果的かつ効率的な財政運営に努めていきます。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,