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地方財政ダッシュボード

千葉県館山市の財政状況(2020年度)

🏠館山市

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公共下水道


収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2020年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数は、近年横ばいであり、類似団体より高い値となっている。今後、人口減少や全国平均を大きく上回る高齢化率(40.0%令和3年4月1日現在)により、市税収入の減少が見込まれるところである。引き続き税収事務を強化し、歳入の確保に努める。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は、令和元年度から3.7ポイント改善したものの、類似団体平均、全国平均及び千葉県平均より高い値が続いている。歳入は、人口減少や少子高齢化に伴う市税等の経常的な収入減はあったが、普通交付税や地方消費税交付金の増により好転した。歳出は、会計年度任用職員への制度移行に伴う人件費の増となったものの、下水道事業会計への負担金減により、前年度と横ばいとなっている。今後も扶助費や各会計への繰出金は増加する見込みであるため、第三次館山市行財政改革方針及び公共施設等総合管理計画に基づく事務事業や施設運営の見直しに努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たりの人件費・物件費等の決算額は、類似団体平均より低い値で推移している。今後も、民間委託や事務の効率化を推進し、効率的な財政運営を継続するとともに、人件費・物件費を総合的に抑制できるよう努める。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数は類似団体平均を下回っているものの、ほぞ適正な水準にあると考えている。今後とも適正な昇給・昇格制度の運用等により、給与水準の適正化に努める。(平成29年4月1日から平成30年11月30日まで職員給与の削減を実施)

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口1,000人当たりの職員数は、ほぼ横ばいで、類似団体平均を下回る状況が続いている。平成30年度には、人的資源の有効活用による効率的な組織・人員体制の構築を目的とした調査を実施し、組織の課題や適正な人員規模について検討を行った。当該調査の結果等を受け策定した「第6期定員適正化計画」に基づき、一定水準まで職員を増員することとしているところだが、人的資源の確保と人件費の抑制を両立させるため、職員の資質向上、事務効率化や民間委託の推進により、さらに効率的な行政運営に努める。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率は、おおむね5.5%前後で推移しており、類似団体より低い数値となっている。今後は、近年集中的に実施してきた教育施設耐震化事業に係る起債の償還開始及び大規模改修事業の着手による数値の悪化が見込まれる。引き続き「館山市公共施設等総合管理計画」に基づき計画的に施設更新を行うことにより、普通建設事業の量をコントロールするよう努める。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率は、令和2.6ポイント悪化となったが、これは令和元年の台風の災害復旧に伴う地方債現在高の増や、給食センター建設等の債務負担行為に基づく支出予定額の増によるものである。今後、公共施設の大規模改修事業(給食センター改修事業、中学校建替事業、清掃センター長寿命化対策事業)により地方債現在高が増加し、数値の悪化が見込まれることから、引き続き「館山市公共施設等総合管理計画」に基づき、計画的な施設更新や交付税算入率の高い起債の活用を行う。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2020年度)

人件費の分析欄

経常収支比率に係る人件費の割合は、平成29年4月1日~平成30年11月30日に実施した職員給与の削減(2%~5%)の終了に伴い、令和元年度以降高い値となっている。令和2年度からは、会計年度任用職員へ移行となり、物件費から人件費への取扱いとなったことが影響している。今後は、「館山市第三次行財政改革方針」に基づき、民間委託の推進を進めるとともに、事務作業の効率化を図ることにより経常的な支出に係る人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

経常収支比率に係る物件費の割合は、令和元年度から2.1ポイント下がり、類似平均団体よりも低い数値となっている。要因としては、会計年度任用職員制度(人件費)への移行に伴う非常勤職員経費の減、コロナ感染症の影響による臨時休校やPFI事業への移行に伴う給食センター調理業務委託料の減などが挙げられる。引き続き事務事業の取捨選択を行うとともに、窓口業務の集約化など、民間委託の推進による事務事業の効率化を図る。

扶助費の分析欄

経常収支比率に係る扶助費の割合は、令和元年度までは概ね10%前後で推移していたが、令和2年度はやや低い値となった。扶助費に係る非常勤職員賃金が人件費扱い(会計年度任用職員)となったことや、制度改正に伴う児童扶養手当費の減によるものである。費用の性質から大幅な削減は困難と考えるが、市単独事業の見直し、医療費抑制の啓発や各福祉制度のより適切な運用により、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

経常収支比率に係るその他(主に特別会計への繰出金)の割合は、類似平均団体、全国平均及び千葉県平均と比較して高い値であり、当市固有の経常収支比率悪化の原因と考えられる。下水道事業の企業会計への移行に伴う減少はあるが、高齢化に伴う医療費、介護費の増により、特別会計への多額の繰出金が生じている。今後は、各会計での独立採算制を高める取り組み(医療費・介護給付費の抑制に係る施策など)を推進し、少しでも繰出金を減少させるよう努める。

補助費等の分析欄

経常収支比率に係る補助費等の割合は、令和元年度から1.1ポイント上がり、類似平均団体よりやや高い値となっている。下水道事業が企業会計へ移行したことにより、繰出金から負担金及び補助金に変更となったこと、普通建設費の増に伴う安房広域消防費負担金の増が主な要因である。今後は関係市と連携し公営企業や一部事務組合に経営改善を促すこと、水道事業の経営統合を進めること等により、経費の縮減に努める。

公債費の分析欄

経常収支比率に係る公債費の割合は、近年、義務教育施設等の耐震改修事業や小中一貫校、幼稚園の老朽化対策など大規模事業を実施してきたものの、その他の普通建設事業を抑制してきたことにより、類似団体平均より低い数値となっている。今後、大規模改修事業の着手により、公債費の割合が高くなることが見込まれるため、引き続き計画的な普通建設事業の実施に努める。

公債費以外の分析欄

経常収支比率に係る公債費以外の割合は、類似団体平均、全国平均及び千葉県平均と比較して高い値で推移している。人件費及び繰出金の影響が大きいと考えられる。今後は、各会計での独立採算制を高める取り組み(医療費・介護給付費の抑制に係る施策など)を推進し、少しでも繰出金を減少させるよう努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

令和2年度歳出決算総額の住民一人当たりコストは679,108円となっており、令和元年度と比較すると、主に総務費、農林水産業費、教育費の類似団体平均が高くなっている。これは、総務費では新型コロナウイルス感染症に伴う経済対策とした特別定額給付金、農林水産業費では乳用牛舎等整備に対する畜産競争力強化対策整備事業補助金や令和元年度の台風災害に伴う被災農家支援補助、教育費では給食センター施設整備事業などによるものである。また、平常時における歳出の主な構成項目である民生費については、住民一人当たり177,896円となっており、令和元年度から増加となった。これは施設や利用者の増に伴う障害介護給付費や障害児通所等給付費の増などによるものである。今後も効率的な行財政運営を継続するとともに、市民のニーズに合う行政サービスを厳選し、各事業に必要な支出を確保するよう努める。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2020年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

令和2年度歳出決算総額の住民一人当たりコストは679,108円となっており、令和元年度と比較すると、主に物件費、普通建設事業費、貸付金において類似団体平均を上回っている。これは、令和元年度の台風災害に伴う災害廃棄物処理委託料(物件費)や被災住家・農家支援補助(普通建設事業費)、新型コロナウイルス感染症に伴う対策として中小企業融資預託金(貸付金)の増、給食センター施設整備事業(普通建設事業費)、乳用牛舎等整備に対する畜産競争力強化対策整備事業補助金(普通建設事業費)などによるものである。また、平常時における歳出の主な構成項目である扶助費については、住民一人当たり83,031円となっており、令和元年度から増加した。これは施設や利用者の増に伴う障害介護給付費・障害児通所等給付費の増によるものである。今後も効率的な財政運営を継続するとともに、経常収支比率の改善により、各事業に必要な支出が確保できるような財政運営に努める。

実質収支比率等に係る経年分析(2020年度)

分析欄

令和2年度標準財政規模比における実質収支額及び実質単年度収支は、ともに黒字となっている。令和元年台風災害に伴う繰越経費の不用額が多額となったこと等により、財政調整基金の取崩しは行わなかった。なお、平成28年度、30年度における実質単年度収支の赤字は、各年度における実質収支額が前年度比で減少したことにより単年度収支が赤字となったためである。当市を取り巻く厳しい財政状況は今後も継続すると考えられるが、事務事業の見直し、施設の統廃合や民間委託の推進など行財政改革に着手することで、健全な財政運営に努める。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2020年度)

分析欄

令和元年度を除き、平成25年度からすべての会計で赤字は発生していない。なお、令和元年度標準財政規模比における後期高齢者医療特別会計において発生した赤字は、千葉県後期高齢者医療広域連合へ保険料を支出した後、台風災害に伴う保険料の減免措置を行ったことにより、保険料収入額が減少したためであり、令和2年度に当該一部事務組合からの返還金をもって精算された。今後も各会計において赤字が発生しないよう、財政運営に努める。

実質公債費比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度の実質公債費比率の分子は、主に下水道事業の企業会計移行に伴う算出方法の変更や、充当財源地方債の増などに伴い公営企業債の元利償還金に対する繰入金が減となり、令和元年度から700万円減少した。今後、公共施設の大規模改修事業実施に伴い、元利償還金の増が見込まれるため、「館山市公共施設等総合管理計画」に基づく計画的な施設の更新や交付税参入率の高い起債の活用等により、新規発行債の平準化と抑制に努める。

将来負担比率(分子)の構造(2020年度)

分析欄

令和2年度の将来負担比率の分子は、令和元年度の災害に伴う災害対策債や、給食センター施設整備事業等により、一般会計等に係る地方債の現在高の増及び債務負担行為に基づく支出予定額が増となり、令和元年度から3億7,000万円増加した。今後、公共施設の大規模改修事業実施に伴い、元利償還金の増が見込まれるため、「館山市公共施設等総合管理計画」に基づく計画的な施設の更新や交付税参入率の高い起債の活用等により、新規発行債の平準化と抑制に努める。

基金残高に係る経年分析(2020年度)

基金全体

(増減理由)基金全体としては、過去3年で増加傾向となっており、令和2年度は前年度から3億4,700万円の増加となった。財政調整基金は、令和元年房総半島台風に伴う繰越予算について、不確定な要素が多かったため、結果として収支差が多く剰余金が5億7,800万円となったことが基金増の要因となっている。その他特定目的基金は、令和元年度に比べ、ふるさと納税額の減に伴う積立金の減、また実施事業への基金充当額の増により、減少となった。(今後の方針)各年度の財政需要に対応するため、財政調整基金は現状維持が精いっぱいの状況である。財政調整基金は、安定的な財政運営のため、目標額の残高となるように積み増すことを目指す。特定目的基金は、当市の厳しい財政状況を考慮しつつ、目的に則した積立、取崩を行い、安定した財政運営に資するよう活用する。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金は、令和元年房総半島台風に伴う繰越予算について、不確定な要素が多かったため、結果として収支差が多く剰余金が5億7,800万円となったことが基金増の要因となっている。(今後の方針)財政調整基金は、県内自治体において、標準財政規模に対する財政調整基金の割合が平均15%程度(館山市の場合約17億円)であるが、当市は依存財源の割合が高いことや、災害への備え、経常収支比率の動向を踏まえると、平均以上の20億円程度を目標額として積み増すことを目指す。

減債基金

(増減理由)近年残高なしの状況が続いている。(今後の方針)大規模事業の実施に伴い、公債費の増加が見込まれるが、財政状況は厳しく、毎年定額を積み立てる余裕はない状況である。まずは財政調整基金を目標額まで積み立てることが最優先と考える。

その他特定目的基金

(基金の使途)・前澤友作館山応援基金:前澤友作氏からの寄附を原資として、未来への発展に資する事業や観光振興事業等に充当・庁舎等建設基金:基金運用利子等を原資として、庁舎、教育施設の建設に係る事業に充当・環境保全基金:し尿処理手数料を原資として、し尿・ごみ処理施設の維持管理及び建設並びに収集処理に係る事業に充当・子ども・子育て支援基金:ふるさと納税を原資として、子ども・子育て支援に関する事業(遊具購入や園建設など施設管理)に充当・やさしいまちづくり推進福祉基金:ふるさと納税を原資として、福祉に関する事業(高齢者、障害者及び生活困窮者等を対象とした地域福祉)に充当(増減理由)その他特定目的基金は、令和元年度に比べふるさと納税額の減少に伴う積立金の減(-1.0億円)、また実施事業への基金充当額の増(+8.2億円)により、減少となった。(今後の方針)当市の厳しい財政状況を考慮するとともに、基金を充当する事業、積立目標額を明確化し、財政運営への適切な活用を図る。※庁舎等建設基金は、今後実施する館山中学校建設事業への財源に充てる予定。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2020年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

・当市では、平成29年度に策定した公共施設等総合管理計画において、公共施設等の延べ床面積を20%以上削減するという目標を掲げ、老朽化した施設の集約化・複合化や除却を進めている。・有形固定資産減価償却率については、ここ数年上昇していたが、令和2年度で減少している。これは、給食センター建替工事や、消防団詰所更新工事、小中学校長寿命化対策工事等の実施によるものである。

債務償還比率の分析欄

・令和2年度においては、地方債残高等の増加により将来負担額が上昇しているものの、経常経費充当一般財源の減少により、債務償還比率は低下した。類似団体平均からは、やや高い比率で推移している。・今後は、館山中学校整備費や清掃センター長寿命化対策費などの大規模事業実施に伴い、比率の上昇が見込まれるため、職員数の適正化、民間委託の推進及び各種団体への補助金見直し等、経常経費の削減に努める。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

・将来負担比率は,近年減少傾向にあったが,令和2年度は地方債残高や債務負担行為に基づく支出予定額の増加により上昇している。有形固定資産減価償却率は,給食センター建替工事等の実施により低下している。・今後も大規模事業の実施に伴う将来負担比率の上昇が見込まれるため,引き続き公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づいた施設の統廃合や老朽化対策に取り組む。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

・実質公債費比率は,普通交付税や地方消費税交付金の増,下水道事業の企業会計移行に伴う算出方法変更等により,0.2ポイント改善した。・前述のとおり大規模事業の実施や,それらの財源として地方債の増加が見込まれることを考えると,今後はいずれの比率も上昇するものと思われるため,計画的な事業の実施や,これまで以上に公債費の適正化に取り組んでいく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2020年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

・類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高い施設は、図書館、一般廃棄物処理施設、体育館・プール、福祉施設であり、反対に低い施設は、橋りょう・トンネル、保健センター・保健所、消防施設である。減価償却率の高い施設のうち、プール、福祉施設については平成31年度から指定管理者制度を導入したところである。また、一般廃棄物処理施設については、個別施設計画に基づき施設の長寿命化対策を実施している。その他の施設についても老朽化が進んでおり、財政状況が厳しい中、部分的な修繕等でしのいでいる。・学校施設は再編により統廃合の検討を進めているところであり、また認定こども園・幼稚園・保育所については、1人あたり面積が類似団体より高い状況であることから、今後の在り方を検討する必要がある。・引き続き公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の統廃合や老朽化対策に取り組み、人口に併せた適正規模での維持管理に努める。

施設類型別ストック情報分析表②(2020年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

・類似団体と比較して特に有形固定資産減価償却率が高い施設は、図書館、一般廃棄物処理施設、体育館・プール、福祉施設であり、反対に低い施設は、橋りょう・トンネル、保健センター・保健所、消防施設である。減価償却率の高い施設のうち、プール、福祉施設については平成31年度から指定管理者制度を導入したところである。また、一般廃棄物処理施設については、個別施設計画に基づき施設の長寿命化対策を実施している。その他の施設についても老朽化が進んでおり、財政状況が厳しい中、部分的な修繕等でしのいでいる。・学校施設は再編により統廃合の検討を進めているところであり、また認定こども園・幼稚園・保育所については、1人あたり面積が類似団体より高い状況であることから、今後の在り方を検討する必要がある。・引き続き公共施設等総合管理計画及び個別施設計画に基づき、施設の統廃合や老朽化対策に取り組み、人口に併せた適正規模での維持管理に努める。

財務書類に関する情報①(2020年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から231百万円の増加(+0.5%)となった。資産総額のうち有形固定資産の割合が61.3%となっており、これらの資産は将来の(維持管理・更新等の)支出を伴うものであることから、公共施設等総合管理計画に基づき、施設の集約化・複合化を進めるなど公共施設等の適正管理に努める。負債総額では、前年度末から1,628百万円増加(+7.3%)となった。金額の変動が最も大きいものは地方債(固定負債)であり、令和元年房総半島台風に伴う災害復旧債や給食センターの施設整備に伴う地方債の発行によるものが主な要因である。地方債残高は高い水準にあるため、地方債を財源とする大規模事業については、慎重に事業を選択するとともに、交付税措置のある地方債を有効活用する必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは24,655百万円となり、前年度比8,614百万円の増加(+53.7%)となった。そのうち物件費が1,514百万円の増加(+27.2%)で,令和元年台風災害に伴うごみ処理費用(約14.3億円)等による。また,移転費用のうち補助金等が6,938百万円の増加(+227.5%)で,新型コロナウイルス感染症対策である特別定額給付金の支給等によるものである。純行政コストは25,124百万円となり,前年度比8,871百万円の増加(+54.6%)となった。臨時損失のうち、災害復旧事業費が134百万円増加(+41.6%)したことが主な要因である。今後は、公共施設の老朽化のさらなる進展等、経費上昇の傾向が続くことが見込まれる中、大規模建設事業が続くため、施設の適正化や事業の見直し等を推進し、経費の抑制に努めていきたい。また、高齢化の進展などにより、社会保障給付についても同様に今後増加傾向が見込まれるため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、税収等の財源(23,681百万円)が純行政コスト(25,124百万円)を下回ったことから、本年度差額は△1,443百万円、また本年度純資産変動額は△1,397百万円となり、前年度末の純資産残高に変動額を加えた本年度末純資産残高は25,219百万円となった。新型コロナウイルス感染症対策等による国県等補助の増加があったものの、災害復旧費や災害ごみ処理経費等による純行政コストの増加により,純資産残高は減少となった(1,397百万円)。また,純資産変動額が減少した状況は、当年度の行政サービスの提供に要した執行経費を財源で賄えていない状況であり、現世代によって将来世代も利用可能な資源の取崩しが行われたことを表している。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は△741百万円と減少した。新型コロナウイルス感染症対策による国県補助金等の増加により業務収入は増加したが,災害ごみ処理費(物件費)や特別定額給付金(補助金等支出)等により業務支出が上回ったことによるものである。投資活動収支については、観光振興基金の一部を前澤友作館山応援基金へ振り替えるための基金取崩により,投資活動収支のマイナスが618百万円となっている。また,財務活動収支については,地方債等発行収入等の財務活動収入3,146百万円が,地方債等償還支出等の財務活動支出2,862百万円を上回り、284百万円となっている。今後は、大規模事業の着手、公共施設の老朽化対策等、経費の増加や地方債の償還額が増加することが考えられるため、財政的な負担に十分配慮し、行財政改革を更に推進する必要がある。

財務書類に関する情報②(2020年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は類似団体平均を大きく下回っているが、これは取得価格が不明である資産が備忘価額1円で登録されているためである。また、歳入額対資産比率についても類似団体平均を下回っている。有形固定資産償却率については、類似団体平均と同程度だが、建物の多くが、老朽化の進行が著しい。今後は公共施設等総合管理計画に基づき、計画的な保全による長寿命化や施設の集約化を進めるなど、公共施設等の適正管理に努める。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

純資産比率は類似団体平均を下回っており,令和2年度は地方債残高等の増加により負債が増加したことから、前年度より低下した。負債の大半を占めているのは、地方交付税の不足を補うために特例的に発行している臨時財政対策債である。将来世代負担比率は,4.3%増加し,類似団体平均を上回っている。しかしながら、今後は大規模事業の着手が続き、さらに負担は増加することが予測されるため、今後も新規に発行する地方債の抑制を行うとともに、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体を下回っているが、昨年度に比べて19.7%増加している。費用としては,災害復旧経費や新型コロナウイルス感染症対策費のほか,高齢化の進展などにより、社会保障給付について増加傾向となっているため、事業の見直しや介護予防の推進等により、経費の抑制に努める。令和元年度より、温水プール、老人福祉センターや公園業務等の指定管理をスタートさせたが、更なる指定管理者制度やアウトソーシングの検討,公共施設の統廃合等により、着実にコストの抑制を図っていく。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、類似団体平均値を下回っているが地方債残高等の増加により前年度と比較し増加している。今後は、ゴミ処理施設の改修、学校建設があるため、債務費用が過度に財政を圧迫することのないよう、引き続き新規に発行する地方債の抑制を行うなど、地方債残高を圧縮し、将来世代の負担の減少に努める。基礎的財政収支は、投資活動収支及び業務活動収支ともに赤字であったため,△900百万円となっている。これは令和元年度台風災害や新型コロナウイルス感染症の影響等によるもので、一過性のものであると考える。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は大幅に減少し,類似団体平均値も下回っ当市においてはH17年度に「使用料・手数料の設定に関する基本方針」を定め、概ね5年に一度、受益者負担設定の水準の見直しを行っているが,昨年度は台風災害,本年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、見直しを見送っている。今後もコロナ感染症による影響もあるが、引き続き稼働率をはじめとする利用状況に注視し、受益者負担の適正化に努めつつ、行財政改革による経費の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,