経営の健全性・効率性について
令和元年度の①収益的収支比率は100%未満となっており、単年度収支が赤字であることを示している。また、平成30年度に比べ7.29%増となった要因は、管理費や企業債償還金の減少等が挙げられるが、依然として経営改善が必要な状況である。④企業債残高対事業規模比率が前年度に比べ4.1%低くなった要因は、企業債残高が減少したことにある。⑤経費回収率が前年度比5.98%増になったものの依然として100%を下回っており、本来、下水道使用料で賄うべき汚水処理費が一般会計繰入金で賄われていることを示している。経費は下水処理場の老朽化により、機械の修繕費や薬品費が大きな割合を占めている。⑥汚水処理原価が前年度に比べ減少しているのは、施設の修繕等にかかる維持管理費が低くなった為である。⑦施設利用率は平均値を上回っているが、将来の人口変動等による汚水処理水量の変化に対して適正な施設利用が図れるよう努めていく。⑧水洗化率(処理区域内人口の下水道への接続率)は、平成30年度から集計方法を変更し、より現況を把握できる数字になっている。また、下水道の整備間もない地域で水洗化率が低くなっていることから、下水道接続促進事業(新築を除いた宅内の排水設備工事費用に対して一部補助を行う事業)により、接続率向上を目指す。
老朽化の状況について
名護下水処理場は、昭和54年の供用開始から41年経過しており、老朽化が著しい。ストックマネジメント計画に基づき、計画的・効率的な管理を進めていく。左記「2.老朽化の状況③管渠改善率」は低い状況であり、処理場同様に管渠も老朽化が進んでいることから、補助事業により管渠更生工事についても進めて行く必要がある。
全体総括
本市の下水処理場及び管渠の老朽化は著しく、施設の修繕や機器の更新費等、維持管理費用は増加傾向にある。また、節水技術の向上や将来の人口減少による下水道使用料の減収も見込まれる。このような状況の中、本市の下水道事業は令和2年度から公営企業へ移行した。これにより一層の事業の健全化を図り、水道事業との組織統合による継続した事務の効率化や下水道使用料の見直しを実施していく必要がある。