経営の健全性・効率性について
農業集落排水事業には、処理場が27箇所あり、その資本費、維持管理費により汚水処理原価が高くなっているものの、使用料については、公共下水道事業の料金体系に準じているため、①の収益的収支比率及び⑤の経費回収率ともに、100%を大きく下回っている。なお、①の収益的収支比率について、前年度と比較して19.23ポイント低下しているが、平成30年度から資本費平準化債の借入れを始めたため、収益的収入の他会計繰入金が大幅に減少したためである。⑤の経費回収率について、前年度と比較して6.32ポイント低下しているが、施設の老朽化に伴いマンホールポンプや処理場の修繕等が増加したため、汚水処理費が増加したためである。同様に、⑥汚水処理原価についても、汚水処理費が増加したため、前年度と比較して増加している。⑧水洗化率については、未接続世帯に普及員が訪問し、接続促進を行うことにより年々改善しているものの、類似団体平均値と比べて低くなっている。
老朽化の状況について
平成27年度から陸地部のストックマネジメント事業による機能診断等を行っており、平成30年度に最適整備構想を策定し、令和元年度からは、島嶼部についても順次、実施する予定としている。今後は、耐用年数が経過し、老朽化等による機能の低下が考えられる施設について、補助制度を活用しながら施設の更新等を行っていく予定である。
全体総括
最適整備構想に基づき、汚水処理施設や管渠等の増改築及び老朽化した施設の機能回復を図ることとしている。また、整備事業のピークは過ぎているため、地方債償還金については逓減することから、汚水処理原価についても逓減し、経費回収率も改善すると考えている。なお、現在進めている統合整備事業では、農業集落排水の朝倉地区6処理区を、令和3年度から一つの処理場で処理する予定のほか、令和元年度からは北浦東地区を特定環境保全公共下水道の木浦・有津地区に統合する事業を開始しており、令和2年度に接続完了の予定である。施設の統廃合により、施設利用率のほか、収支や経費回収率も改善すべく経営の健全化を図っている。