経営の健全性・効率性について
①国庫補助金や他会計繰入金が増加したことで総収益が増加し、前年度と比較して数値は改善している。しかし、今後も人口減少により使用料収入の減少が見込まれるため、厳しい状況が続く。④調査表の記入ミスにより、グラフ上は2,448.26となっているが、正しくは3.23である。管渠等の整備を完了していることから、事業規模に占める企業債残高は類似団体と比較し、低い数値で推移しており、今後は耐用年数の短い機械設備等を中心に計画的な更新を行う予定である。⑤現状では汚水処理に係る経費を使用料で賄えていない状況が続いている。使用料は前年度と比較して増加したものの、汚水処理費が前年度より増加したことにより、数値が悪化している。今後も経費節減や使用料の確保に努める必要がある。⑥汚水処理費が増加したため、汚水処理原価についても増加した。有収水量も人口減少に伴い減少していくため、今後も経費節減に努める必要がある。⑦施設の統合事業にも着手した結果、昨年度と比較して施設利用率が1.89ポイント上昇し、施設利用の改善・向上を図ることができた。⑧類似団体の平均値を上回る水準となっている。これは、水洗便所への改造に必要な資金融資に係る利子補給制度の整備や生活環境の改善等の啓発活動等、水洗化率向上のための取組を実施してきたことによると考えられる。100%を目標とし、引き続き水洗化率の向上に努める必要がある。
老朽化の状況について
③管渠の整備は完了しているが、整備完了からの経過年数が浅く、法定耐用年数が経過するまで期間があるため、管渠施設の老朽化度合は低い。H28~29については施設統合に伴う管渠布設があったため、数値が上昇した。
全体総括
当市農業集落排水施設事業については、整備を完了し維持管理を行っている状況である。処理施設が広域に点在し、維持管理費が大きく、また、施設規模が小さく有収水量も低いため、汚水処理原価が高い傾向にある。使用料収入のみでは維持管理経費を賄えられていない現状があり、安定した財源の確保、維持管理費の低減を図る必要がある。平成29年度は三河地区を北有路地区に、今西中地区を井田・額田地区に施設統合する工事が完了し、三河汚水処理場を平成29年6月に、今西中汚水処理場を平成30年3月末に廃止し、農業集落排水施設は18地区となり、事業効率の向上を図った。下豊西部汚水処理場についても、令和3年度より公共下水道へ施設統合する予定であり、さらなる事業効率の向上を図る。また、令和5年4月より公営企業会計適用を予定している。