経営の健全性・効率性について
①経常収支比率令和2年4月1日に簡易水道事業を統合したことにより施設の維持管理費、減価償却費が増加した。令和2年度は新型コロナウイルス感染症に係る水道料金減免等に伴う給水収益の減等により経常収益が減少したこと、また旧男川浄水場施設撤去工事費用の増に伴う資産減耗費の増等により経常費用が増加したことにより、経常収支比率は9.87ポイント低下した。類似団体平均値と比較し比率が低くなっているが、100%以上を維持していることから、健全な経営ができていると言える。今後も健全な経営の維持に努める必要がある。④企業債残高対給水収益比率水道料金減免に伴い給水収益が減少したこと、また簡易水道事業統合に伴い企業債残高が大きく増加したことにより、企業債残高対給水収益比率が大幅に増加した。ただし、給水収益が例年並みであれば、類似団体平均値とほぼ同値である。引き続き適正な起債借入額について検討する必要がある。⑤料金回収率令和2年度は前年度から16.27ポイント低下し100%を下回ったが、新型コロナウイルス感染症に係る水道料金減免により給水収益が減少したことが料金回収率低下の主な要因であるため、翌年度以降は改善され100%を上回る見込みである。
老朽化の状況について
令和2年4月1日に簡易水道事業を統合したことにより、令和2年度は、②管路経年化率は耐用年数を超過していない管路が増加したことにより0.55ポイント低下し、③管路更新率は管路延長が増加したことにより0.12ポイント低下した。管路経年化率は類似団体平均値を下回り、管路更新率は類似団体平均値、全国平均値を上回ったものの、依然として多くの老朽管が存在しており、引き続き更新事業を推進する必要がある。
全体総括
令和2年度は、新型コロナウイルス感染症に係る水道料金減免に伴い給水収益が減少し、旧施設撤去工事費用の増に伴う資産減耗費が増加したものの、経営の健全性は維持されている。経営の健全性、効率性を維持しつつ、老朽施設の更新や水道管路耐震化を引き続き推進するため、将来の更新計画や財政支出を明らかにし、長期的な視野に立った適正かつ効率的な水道事業の運営に取り組んでいく必要がある。なお、経営戦略は平成30年度に策定済みで令和6年度に見直し予定である。