経営の健全性・効率性について
①経常収支比率令和3年度は経常費用が微増であったものの、新型コロナウルス感染症に係る水道料金減額事業に係る他会計補助金の増額等により経常収益が増加したため、経常収支比率は5.91ポイント上昇した。類似団体平均値と比較し比率が低くなっているが、100%以上を維持していることから、健全な経営ができていると言える。今後も健全な経営の維持に努める必要がある。④企業債残高対給水収益比率令和3年度は企業債償還額が企業債借入額を大きく上回ったことにより企業債残高が減少したため、企業債残高対給水収益比率が減少した。類似団体平均値と比較し比率が高くなっているが、新型コロナウイルス感染症に係る水道料金の減額による給水収益の減が影響しており、給水収益が例年並みであればほぼ同値である。⑤料金回収率令和3年度は前年度から引き続き100%を下回ったが、新型コロナウイルス感染症に係る水道料金減額事業により給水収益が減少したことが料金回収率低下の主な要因であるため、翌年度以降は改善され100%を上回る見込みである。
老朽化の状況について
令和3年度は、平成29年度に更新した男川浄水場の減価償却が進んでいること等により①有形固定資産減価償却率が1.31ポイント上昇した。管路更新率は類似団体平均値、全国平均値を上回り、管路経年化率は類似団体平均値を下回ったものの、依然として多くの老朽管が存在しており、引き続き更新事業を推進する必要がある。
全体総括
令和3年度は、新型コロナウルス感染症に係る水道料金減額事業に係る他会計補助金の増等により経常収支比率が改善するなど、経営の健全性は維持されている。経営の健全性、効率性を維持しつつ、老朽施設の更新や水道管路耐震化を引き続き推進するため、将来の更新計画や財政支出を明らかにし、長期的な視野に立った適正かつ効率的な水道事業の運営に取り組んでいく必要がある。なお、経営戦略は平成30年度に策定済みで令和5年度に見直し予定である。