経営の健全性・効率性について
地方公営企業会計制度の見直しにより、平成26年度以降の経営指標に大幅な変動が生じている。①経常収支比率経常収益では給水人口の増に伴い水道料金収入が増加し、経常費用では老朽管対策等に多額の資金を必要としていることによる減価償却費の増加に伴い前年度と比較し低下(-4.46)した。指標の基準となる100%は維持しているものの今後も健全経営に努める必要がある。③流動比率基幹浄水場の更新に伴う未払金の増加により、前年度と比較し低下(-78.11)した。当更新事業は平成29年度に完成予定であり、更新終了後は短期的な債務に対する支払能力を高めていく必要がある。④企業債残高対給水収益比率基幹浄水場の更新や老朽管対策等の財源として企業債を借り入れている。今後は水道料金収入の大幅増加は見込めないことから、「岡崎市水道ビジョン」で定めた目標値300%以下を維持し、企業債残高の抑制に努める。⑤料金回収率減価償却費及び退職給付費の増加により、前年度と比較し低下(-5.49)した。指標の基準である100%以上は維持しているものの、今後も健全な経営に努める必要がある。
老朽化の状況について
老朽管路の更新に努めており、③管路更新率が類似団体平均を若干上回っている。また、①有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っていることは、比較的新しい資産が多いことを表しており、このことからも老朽化対策が進んでいることが判断できる。一方、②管路経年化率が類似団体平均を若干上回っていることは、未だ多くの老朽管路が残っていることを表しており、引き続き更新事業を推進する必要がある。事業実施にあたっては多額の費用が必要となるため、厚生労働省の定めるインフラ長寿命化計画に基づく「個別施設計画」を平成32年度までに策定し、事業費の平準化を図りながら施設の長寿命化に取り組んでいく。
全体総括
経営の健全性・効率性に係る指標については、いずれも類似団体平均を上回る値を示している。一方、施設面においては、水道管路等の老朽化施設の更新のほか、地震対策のため管路耐震化も推進する必要がある。健全経営を維持しつつ、これら事業を実施するため、将来の更新計画や財政支出を明らかにするとともに、長期的な視野に立った適正かつ効率的な水道事業の運営についてのアセットマネジメントに取り組んでいる。また、水道施設全体を見据えた長期的な整備計画の策定を目的として、平成32年度までに「個別施設計画」を策定する。