経営の健全性・効率性について
平成26年度より適用された地方公営企業会計制度の見直しにより、経営指標に大幅な変動が生じている。①経常収支比率新たな収益として「長期前受金戻入」を計上したこと等により比率が大幅に上昇(+14.70)している。ただし、長期前受金戻入は現金収入を伴わないこと、また、老朽管対策等に多額の資金を必要としていることから、今後も健全経営の維持に取り組む必要がある。③流動比率資本の部に整理されていた企業債を負債に計上したこと等により比率が大幅に低下(-379.28)したものの、類似団体平均値を上回っており、短期的な債務に対する十分な支払能力を示している。④企業債残高対給水収益比率節水機器の普及等により給水収益の増加を望めない中、「岡崎市水道ビジョン」で定めた目標値である「300%以下」を維持するため、企業債残高上昇の抑制に努めている。⑤料金回収率長期前受金戻入の新規計上により指標は大幅に上昇(+20.17)したものの、現金収入を伴っていないことから、経常収支比率と同じく、今後も健全経営の維持に取り組む必要がある。
老朽化の状況について
老朽管路の更新に努めており、③管路更新率が類似団体平均を大きく上回っている。また、①有形固定資産減価償却率が類似団体平均を下回っていることは、比較的新しい資産が多いことを表しており、このことからも老朽化対策が進んでいることが判断できる。一方、②管路経年化率が類似団体平均を若干上回っていることは、未だ多くの老朽管路が残っていることを表しており、引き続き更新事業を推進する必要がある。事業実施にあたっては多額の費用を必要とするため、厚生労働省の定めるインフラ長寿命化計画に基づき、施設の長寿命化及び事業費の平準化を図った「個別施設計画」を平成28年度中に策定予定である。
全体総括
経営の健全性・効率性に係る指標については、いずれも類似団体平均を上回る値を示している。一方、施設面においては、水道管路等の老朽化施設の更新のほか、地震対策のため管路耐震化も推進する必要がある。健全経営を維持しつつ、これら事業を実施するため、将来の更新計画や財政支出を明らかにするとともに、長期的な視野に立った適正かつ効率的な水道事業の運営についてのアセットマネジメントに取り組んでいる。また、水道施設全体を見据えた長期的な整備計画の策定を目的として、平成28年度に「個別施設計画」を策定する。