経営の健全性・効率性について
山県市公共下水道は平成15年度より3期5年間(15年間)で施設整備を行っており完了間近となってきました。処理施設の供用開始は平成20年4月より開始し、管渠整備(拡張工事)が完了した地域単位で毎年供用開始区域を拡張し、平成30年4月で目標の計画区域全体が供用開始される見込みです。①収益的収支比率:汚水処理設備の稼働による維持管理費等の経費が年々増加しており、供用開始区域拡張による下水道への接続家庭(普及率40.25%)が伸び悩んでいます。よって、下水道料金収入の増加が見込めず使用料以外の収入(一般会計からの繰入)に依存している状況にあります。④企業債残高対事業規模比率:料金収入で維持管理費が賄えないことから、一般会計からの繰入がないと地方債の償還ができない状況にあります。⑤経費回収率:料金収入は、前年度に比べ約15,700千円ほどの増加したのに対し、汚水処理費は約6,000千円の減となりましたので回収率が向上(約20%)しました。⑥汚水処理原価:接続率が低迷している中、維持管理費用の削減(平成28年度からは電気契約の自由化による見直しを行います)に努めます。また今後は、処理施設の追加稼働等が見込まれることから、最適な運転管理に努めます。⑦施設利用率:接続率の低迷により、整備済の処理池が遊休状態にあることから接続率の向上のため、早期接続推進の啓発に努めます。⑧水洗化率:他団体に比べ非常に低い状況にあり、下水道への切替えの啓発を行いますが、汲み取りトイレ・浄化槽設置世帯が多く費用負担の増が支障となっています。
老朽化の状況について
供用開始は平成20年で、平成15年より整備した布設延長は102kmとなりました。現在はまだ管路が比較的新しい管ではあるものの年々老朽化していきますので、将来を見据えた安定的な更新計画の策定が必要となってきます。その際には、更新工事等に必要となる財源確保が課題となってきます。よって、現状の管渠の劣化状況、不明水等の流入状況などを把握するため、管渠内の調査を定期的に行うことで、管渠の延命化に努めます。
全体総括
現在、施設利用率、収益的収支比率は、類似団体に比べ非常に低い状況にあります。今後も、人口の減少等により下水道利用の低迷が予想されますので、将来到来する施設更新等にあたり、引き続き一般会計からの補填が必要となります。また、既存施設の稼動状況等を常時把握し、無駄のない効率的な運転管理に努めます。