収益等の状況について
直近5年間の経常収支は、類似施設平均値を上回る値での黒字を継続しているものの、「定員稼働率」については、当ホテルが上高地内にあり、4月~11月という期間営業である点、自然条件にも誘客数が左右される環境である点を考慮に入れても、全国平均値を下回っていることは、今後の経営改善に生かしていかなければならない点です。「EBITDA」は、直近5年間はほぼ横ばいで全国平均を上回っており、収益性については、現状、安定していると言えますが、今後、広報、PR活動の手法を改善し、今後の誘客につなげていく必要があります。
資産等の状況について
H27年~H29年の3年間で、大規模改修工事を実施しており、有形固定資産の多くが更新されています。このため、今後は施設のメンテナンスに力を入れていかなければなりません。大規模改修工事を実施するため、H27年~H29年にかけて企業債を発行し、建設改良費に充てていることから、H27年~H28年にかけて「企業債残高対料金収入比率」が増加し、平均値を大きく上回る結果となっています。今後は、企業債償還財源の確保と、長期的な経営戦略に基づくメリハリの効いた設備投資を考えた経営を行っていきます。
利用の状況について
当ホテルが「上高地」の中に立地しているという特性を考慮する必要がありますが、個人客、団体客、外国人観光客といった各客層への誘客PR戦略を明確にし、周辺地域の宿泊者数の動向に見合った利用客増加の方策を今後、検討していきます。
全体総括
上高地アルペンホテルは、H27年~H29年の3年間で大規模改修を実施し、平成30年度はフルリニューアルオープンを迎える年にあたります。誘客数が気候条件に左右される部分もありますが、大規模な設備投資に見合う料金体系も整備しつつあります。今後、営業面では、料金に見合う顧客サービスの充実化と、PRを実施していくことに努めていきます。また、今後増加が見込まれる企業債の償還と修繕等の新たな設備投資の財源確保に留意しながら、健全経営の持続に努めていきます。