収益等の状況について
収益的収支比率はH28から100を下回り、観光客数の減少による宿泊者数の減少の影響でH30までは減少傾向であったものの、R1については宿泊者数の増により0.4%の微増となったが、R2については新型コロナウイルス感染症の影響で宿泊客数が約60%も減少し、R3についても低い率のまま推移となった。また一般会計からの繰入金の依存度は、類似平均値と比較して低い率ではあるものの、施設の老朽化による維持管理費用の増及び人件費の増等の影響で今後も増加傾向に推移すると見込まれる。また売上高GOPやEBITDAの値を見てもR2に引き続きR3についても減となっており、長引くコロナ禍で非常に厳しい状況の中引き続き収益性を高めていくための経営分析や、抜本的な経営改善に向けた検討など、更なる取り組みを進めることが必要と考える。
資産等の状況について
恒常的な維持管理に係る費用に加え、建物の老朽化や設備の経年劣化による大規模な改修や更新に係る費用等が増加傾向にあり、今後も更に増加することが予想される。宿泊客の確保のためには施設の整備は必要不可欠であるため、コロナ禍の中で非常に厳しい経営状況を勘案しながら将来に向けて必要性や優先度合等を分析しながら計画的に整備をしていく必要があると考える。
利用の状況について
島内全体における観光客入込数の減少に伴い町内の宿泊需要は下降傾向にあるものの、当施設としての宿泊需要は一定を維持しているが、地域における宿泊需要は観光客数の影響が大きい中で、R2においては新型コロナウイルス感染症の影響が重なり、利用状況は非常に大きく減少となった。またR3についても引き続くコロナ禍の影響で観光客数の復活には至らなかった。感染症の動向によっては今後も更に厳しい状況が予想される中で、宿泊客を確保するためのよりよいサービス提供の充実や戦略的な集客に向けた取り組みを進めるとともに、現状の課題を改めて整理した上で施設の在り方を再検討するとともに、指定管理や民間譲渡も含めた今後の方針を考えていく必要がある。
全体総括
現状は、観光客数及び地域の宿泊需要の減少、更には新型コロナウイルス感染症の影響に伴う宿泊客数の減少と、それに伴う収益の減少により、例年以上に非常に厳しい経営状況の中において、今後は更に設備の更新や改修に伴う費用が増加することが予想されるため、将来を見据えた経営改善や収益性を高めるための更なる取り組みを進めることが必要である。このため令和2年度に策定した経営戦略をもとに、指定管理や民間譲渡等も含め今後の施設管理運営の方針を検討する。