収益等の状況について
経常収支比率は、類似施設平均値を上回る値で推移しています。しかし、平成30年度は、直近で一番低い値となっており、楽観視できる状態ではないため、経費削減等の取組みが必要です。定員稼働率は、当施設が4月から11月までの期間営業であることや、天候条件等に左右される環境であることから、類似施設平均値より低い値となっています。稼働率を上げることは、収益増加にも繋がることから、サービスの向上や閑散期の集客等を考えていく必要があります。EBITDAは、平成27年から29年に行った改修工事後の平成30年に、収益性が低下しています。リニューアルオープン後の周知不足もあることから、広報・宣伝に力を入れることや経費削減に向けた取組みが必要です。
資産等の状況について
平成27年度から29年度に行われた大規模改修工事で設備更新を行ったため、今後は施設のメンテナンスを実施していきます。また、大規模改修工事では、企業債を発行したため、平成27年度以降は、企業債残高対料金収入比率が高くなっています。今後は、企業債の償還もあることから、長期的な戦略で設備投資を考え、企業の安定経営を継続していくために、収益の増加が必要です。
利用の状況について
当施設の規模を考えると、更なる利用客増加が求められます。上高地という特殊性のある場所、期間営業と、考慮する点はありますが、積極的に広報・宣伝を行うことや、閑散期の利用者増加を図るなど、誘客戦略を検討していきます。
全体総括
当施設は、平成27年度から29年度まで大規模改修工事を実施し、平成30年度にリニューアルオープンしました。大規模改修工事のために発行した企業債の償還など、今後はより多くの支出が考えられますが、収益性が低くなっており、閑散期の誘客戦略等、収益増加に向けた取組みが必要です。上記を踏まえ、令和元年度からは、外部委託業者に経営診断を依頼し、稼働率を上げ、収益を増加させる他、経費削減へ向け取り組んでいます。また、令和元年度からは、営業担当支配人を配置し、広報・宣伝等にも力を入れ、誘客に努めています。支出の増加が見込まれる中、削減できることは削減していき、稼働率を上げることで収益の増加を図り、安定した経営に努めていきます。