収益等の状況について
令和元年度の収益は、10月にあった台風19号やその後の天候不順が大きく影響しました。経常収支比率は、100%未満となり、類似施設平均値と比べても下回る結果となりました。当施設は期間営業(4月から11月)であり、紅葉シーズンの売上減少がそのまま単年度収支に影響する形となりました。閑散期(6月)の売上増加を図るなど、天候の影響を受けても黒字となるよう努める必要があります。定員稼働率については、当施設が期間営業であることで、類似施設平均値より低い数値となっていますが、当該値は過去5年間で最も高い数値となりました。稼働率を増加させることは、収益増加に繋がるため、今後も増加するよう取り組みます。EBITDAは、平成30年度と比較すると微増しています。経費削減に努めるとともに、増収に向け取り組み、今後も収益性を高めていくよう努めます。
資産等の状況について
⑨施設の資産価値について、正しくは1,416,138千円となります。平成27年度から29年度に行われた大規模改修工事で設備更新を行ったため、今後は施設のメンテナンスを実施していきます。大規模改修工事では、企業債を発行したため、平成27年度以降は、企業債残高対料金収入比率が高くなっています。今後は、企業債の償還もあることから、長期的な戦略で設備投資を検討し、企業の安定経営を継続していくため、収益の増加が必要です。
利用の状況について
当施設の規模を考えると、更なる利用客増加が求められます。上高地という特殊性のある場所、期間営業であること等、考慮する点はありますが、積極的に広報・宣伝を行うことや、閑散期の利用客増加を図るなど、誘客戦略を検討していきます。
全体総括
当施設は、平成27年度から29年度にかけて大規模改修工事を実施し、工事費の支払いについては、企業債を発行しました。今後は、企業債の償還があることから、多くの支出が考えられ、収益性を高めることが求められますが、令和元年度は、天候の影響により、経常収支比率が100%未満となりました。上高地という特殊性のある場所、期間営業ということで天災等の影響が大きい施設ではありますが、令和元年度からは、外部委託業者に経営診断を依頼し、施設の運営について助言をいただいており、閑散期の集客や新たな顧客確保に向けた広報・宣伝にも力を入れ、収益増加に努めています。現在は、新型コロナウイルス感染症の影響により、休業するなど運営が厳しい状況ではありますが、外部委託業者からの助言を参考に、安定した経営ができるよう努めていきます。