収益等の状況について
令和元年度から宿泊・食事提供を休止し、休憩(入浴)のみの運営とした結果、料金収入は減少し、一般会計繰入金が増加することとなった。一般会計繰入金の増加に伴い、他会計補助金比率が年々増加している。今年度は、源泉井戸の事故や指定管理の取り消し等に伴う休館により、利用者数、料金収入が減少したため、一般会計からの繰入金への依存度が高い状況となっている。また、収益的収支比率が100%未満であること、営業に関する収益指標である売上高GOP比率や企業収益の成長指標であるEBITDAは経年比較において数値が減少していることから、経営改善に向けた取組が必要であると考える。
資産等の状況について
今年度で企業債の償還が終了したことに伴い、企業債残高対料金収入比率が0となっているが、本施設は築50年以上が経過しており、今後建替え等の更新投資が見込まれるため、事業継続にあたっては、どの程度の規模にするか等、投資の効率化についても慎重に検討することが必要であると考える。
利用の状況について
令和元年度から温泉利用の日帰り入浴・休憩のみの運営とし、宿泊業を休止している。
全体総括
本施設は、浴場棟が昭和38年、宿泊施設棟が昭和40年に建設され、平成20年に大規模改修を行ったが、施設は老朽化し、更新時期でもあるため、今後の方針について検討を行っている状況である。本来、公営企業では、独立採算が基本原則であるが、宿泊・食事提供の休止やコロナ禍での利用者数減少により、料金収入の増加は困難な状況となっており、一般会計への依存度が高くなっている。現在の状況では、料金収入のみでの安定的な経営は困難であるが、一般会計繰入金を少しでも減らすための歳出抑制に努める必要がある。また、今後の方向性の検討に際しても、公営企業としての持続可能性や施設の規模、目的、料金体系等を慎重に検討することが重要であると考える。