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2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2019年度)
財政力
財政力指数の分析欄
前年度と比べ、分子となる基準財政収入額は特別区税の増などにより7億円余の増、分母となる基準財政需要額は各種需要の増により32億円余の増となりました。この結果、財政力指数は、前年度より0.03ポイント下回りました。今後も歳出の徹底した見直しと歳入確保を行うことにより財政の健全化を図り、中長期的に安定した財政運営に努めていきます。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は78.5%で、元年度から3.1ポイントの改善となりました。分子となる歳出が扶助費が増となったことなどにより、対前年度比17億5千万円余の増となった一方で、分母となる歳入が特別区税が増となったことなどにより、対前年度比48億6千万円余の増となり、歳入の増が歳出の増を上回ったことによるものです。平成27年度以来4年ぶりに適正範囲である70%~80%となりました。今後も社会情勢の変化に対応できる財政基盤となるよう、歳入確保及びビルドアンドスクラップの視点に立った歳出の抑制を図っていきます。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は対前年度比5,570円の増となりました。類似団体平均を1,381円上回っています。これは人件費の平均が類似団体平均を上回っていることが主な要因です。引き続き職員定数の適正化に取り組んでいきます。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数は、国を0.8ポイント下回っています。職務・職責を的確に反映した給与制度の推進により年功的な給与上昇を抑制し、合わせて各種手当の見直しを進め、引き続き、給与の適正化に努めていきます。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
職員数については、職員定数の適正化を進めてきた結果、類似団体の平均に近づいていますが、上回っている状況です。今後は、適正な執行体制の確立と簡素で効率的な組織づくりや民間活力のさらなる活用に向けた検討、地方公務員法・地方自治法の改正に伴う多様な任用・勤務形態の職員の活用、職員の人材育成の推進などに引き続き取り組んでいきます。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
地方債の償還が進む一方で、算定上の分母にあたる標準財政規模が増加していることから、元年度は-4.0%となり、3か年平均値で示される実質公債費比率は平成30年度と同様に-4.0%となりました。類似団体の平均より低くなっています。なお、算定ルール上、国の定める額を、実質の区の負担から大きく減じることとされているため、全国平均と比べると格段に健全性が高い評価となっています。今後も、毎年度の地方債の発行上限額を20億円までとするルール化に基づき、適切な起債管理に努め、数値の改善を図っていきます。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債の償還が進み、また、職員定数の適正化による退職手当支給に係る将来負担額が減少した一方で、将来負担額に充当可能な財源について、総務大臣の定める基準財政需要額算入見込額が減少したことや分母である標準財政規模が増となったことなどにより、元年度は平成30年度より0.1ポイント上昇して-95.3%となりました。表示上は「-%」となっています。今後も、地方債の発行など、将来負担となる経費の必要性を十分精査し、毎年度の発行上限額を20億円までとするルール化などにより、数値の維持を図っていきます。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2019年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費は25.3%で、平成30年度から2.0ポイントの改善となりました。分子である退職手当が減となり、かつ、分母である歳入経常一般財源等が増となったことによるものです。類似団体と比較すると、50歳以上の職員構成が1.6ポイント上回っていることなどにより、類似団体の平均を上回っており、人件費の負担に大きな影響を与えています。引き続き職員数の適正化に取り組んでいきます。
物件費
物件費の分析欄
物件費は18.6%で、平成30年度から0.4ポイントの改善となりました。児童館・学童保育クラブ委託経費や教育用コンピューター整備に係る経費の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となった一方で、分母である歳入経常一般財源等がこれを上回って増となったことによるものです。類似団体中1位となっていますが、今後も事業内容の精査や実施方法の工夫を徹底していきます。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費は16.9%で、類似団体の平均を下回っていますが、前年度比で0.5ポイントの増となりました。私立保育所への保育委託経費の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が前年度比で10.3%、11億円余の増となったことによるものです。今後も子育て支援や障害福祉などの社会福祉費の増加が見込まれることから、歳入確保及びビルドアンドスクラップにより活用可能な行政資源を生み出し、重要課題や新たな課題へ再配分する取り組みを行っていきます。
その他
その他の分析欄
その他は9.7%で、類似団体のほぼ平均となっていますが、平成30年度から0.5ポイントの改善となりました。繰出金の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となった一方で、分母である歳入経常一般財源等がこれを上回って増となったことによるものです。主な増額要因である特別会計への繰出金については、国民健康保険料・介護保険料などの収入率向上に努めながら、繰出金負担の抑制を図っていきます。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等は4.7%で、類似団体の平均を上回っていますが、平成30年度から0.3ポイントの改善となりました。一部事務組合分担金の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となった一方で、分母である歳入経常一般財源等がこれを上回って増となったことによるものです。今後も、補助対象事業の精査を徹底していきます。
公債費
公債費の分析欄
平成30年度で臨時税収補てん債(10年度発行分)の償還が終了となったことなどから、分子である経常経費充当一般財源が前年度比で4.7%、1億1千万円余の減となったため、公債費は3.3%で、前年度に比べ0.4ポイントの減となりましたが、類似団体の平均を上回っています。今後も、毎年度の地方債の発行上限額を20億円までとするルール化に基づき、適切な起債管理に努め、数値の改善を図っていきます。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外は75.2%で、平成30年度から2.7ポイントの改善となりました。扶助費の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となった一方で、分母である歳入経常一般財源がこれを上回って増となったことによるもので、類似団体の平均を下回っています。今後も、事業内容の精査や実施方法の工夫を徹底していきます。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
目的別歳出の分析欄
民生費は、平成27年度に15万円台、29年度に16万円台、30年度に17万円台となり、元年度は住民一人当たり188,801円となっています。民生費のうち、児童福祉行政に要する経費である児童福祉費が25年度以降右肩上がりで増加していることが要因となっています。これは待機児童解消のため、私立保育所の整備を重点的に行ってきたことによるものです。総務費は、27年度は、上目黒一丁目旧国鉄清算事業団宿舎跡地の売却収入を施設整備基金(貯金)に積立を行ったことにより、一時的に7万円台となりましたが、28年度は4万円台に、30年度は同基金の積立額の増額に伴い5万円台となり、元年度は58,004円で類似団体平均を上回っています。教育費は、中央体育館大規模改修経費が増となったことなどにより、元年度は住民一人当たり50,950円で、前年比9,096円の増となっています。また、公債費は毎年度の地方債(借金)の発行上限額を20億円までとする財政運営上のルール化を行い、27年度の1万円台に比べ、元年度は住民一人当たり8,421円になりましたが、類似団体平均と比較すると高いコストとなっています。引き続き今後も喫緊の課題にスピード感を持って財源を配分していくとともに、健全で安定的な財政基盤の確立に努めていきます。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2019年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり365,253円で前年度比23,637円の増となっています。主な構成項目である人件費は、住民一人当たり72,542円で、過去5年間では最も少ない額となっていますが、いまだ類似団体平均と比べて高い水準にあります。50歳以上の職員構成比が類似団体を上回っていることが主な人件費の負担要因であることから、引き続き職員数の適正化に取り組んでいきます。扶助費は、住民一人当たり96,782円となっており、類似団体平均に比べて低い水準にありますが、平成27年度から右肩上がりで増加しています。待機児童対策に伴う保育所等の整備を重点的に行ってきたことに伴う運営費の増加が主な要因となっています。また普通建設事業費は中央体育館大規模改修や、待機児童対策に伴う私立保育所整備費補助を行ったことなどにより、38,808円で、前年比8,240円の増となっています。財政健全化対策として、平成25年度から積立基金(貯金)の自律的な積立及び毎年度の地方債(借金)の発行上限額の設定(20億円)を内容とする財政運営上のルール化に取り組んだ結果、積立金は1万円台以上を維持しているとともに、公債費は地方債の償還を着実に行ったこともあり、27年度から7,231円減少しています。
実質収支比率等に係る経年分析(2019年度)
分析欄財政調整基金残高の標準財政規模比は、前年度と比べ、基金残高が20億3千万円余の増となったことから、増となっています。実質収支額の標準財政規模比は、前年度と比べ、歳入の増が歳出の増を上回ったことにより、増となりました。実質単年度収支は、単年度収支の増及び財政調整基金の積立額の計上により、増となりました。今後も、歳出の徹底した見直しと歳入確保を行い、基金に頼らず歳入の範囲内での予算編成など、財政の健全化を図り、中長期的に安定した財政運営に努めていきます。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2019年度)
分析欄一般会計は、分母となる標準財政規模が前年度比36億4千万円余の増となった一方で、分子となる実質収支額が16億9千万円余の増となったため、前年度比増となっています。国民健康保険特別会計は標準財政規模の増に伴う減、介護保険特別会計は、実質収支額が4億9千万円余の減に伴う減、後期高齢者医療特別会計は、標準財政規模及び実質収支額が増となった結果、前年度比で同率となりました。
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実質公債費比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄地方債の償還が進むとともに、新たな起債を抑制した結果、元利償還金が前年度比6.7%、1億4千万円余の減となったことなどにより、全体では1億8千万円余の減となりました。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度の積立額を発行額の3.3%として設定されているのに対し、当区は17年償還(3年据置)で毎年度の積立額を発行額の6.0%を基準としているため、減債基金残高が減債基金積立相当額を上回っています。
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将来負担比率(分子)の構造(2019年度)
分析欄地方債の償還が進むとともに、新たな起債を抑制した結果、地方債現在高を始めとする将来負担額(A)が17億円余の減となり、かつ、基金を始めとする充当可能財源等(B)が17億円余の増となったことにより、全体として34億円余の減となりました。
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基金残高に係る経年分析(2019年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)当区の財政運営上のルール(前年度決算剰余金の1/2の金額を財政調整基金へ、前年度決算剰余金の1/10以上の金額を施設整備基金へそれぞれ積立を行う)及び最終補正予算編成時に過去の決算値などを参考に歳出の不用額を徹底的に精査するとともに、見込まれる歳入は最大限に見積もることで確保した財源について、財政調整基金に20億円余、施設整備基金に46億円余積み立てた一方、「減債基金」から起債の償還のために2億円余を、「区営住宅管理基金」から区営住宅整備・管理のために6千万円余を取り崩したこと等により、基金全体としては67億円余の増となりました。(今後の方針)今後も当区の財政運営上のルールにおいて、前年度決算剰余金の2分の1の金額を財政調整基金に、10分の1以上の金額を施設整備基金に、翌年度の予算までにそれぞれ積み立てることを基本として、持続可能で質の高い区民サービスを提供していくため、景気変動に左右されない柔軟な行財政運営を可能とする安定的な財政基盤を確立していきます。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)当区の財政運営上のルールにおいて、前年度決算剰余金の2分の1の金額を積み立てることとしているため、着実に積み立てました。また、最終補正予算編成時に過去の決算値などを参考に歳出の不用額を徹底的に精査するとともに、見込まれる歳入は最大限に見積もることで確保した財源を積み立てることで、翌年度の予算編成での取崩に対応しました。(今後の方針)地方交付税不交付団体である特別区は、景気動向による歳入の変動に大きく影響されやすいと言われていることなどから、それに対処するため、財政調整基金残高は最低でも100億円を維持し、さらに特別区の平均的な水準も考慮し、将来に備えて当区の標準財政規模の20%以上を超える財政調整基金残高を維持することを目指していきます。
減債基金
減債基金
(増減理由)償還のため、2億1千万円余を取り崩したことにより、減少しました。(今後の方針)地方債の起債を予定している事業の国・都の補助金の見込みや都区財政調整制度に基づく基準財政需要額の算定状況を踏まえ、必要額を積み立てる予定です。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)・施設整備基金:目黒区の公共用又は公用に供する施設の建設及び改修その他の整備に要する資金に活用します。・サクラ基金:目黒区が管理する道路、都市公園等において行う桜の保護、植替え及び植樹、目黒区立目黒天空庭園及びその周辺の空間の維持管理等に要する資金に活用します。・子ども・子育て応援基金:目黒区における子どもの健やかな成長に資するために活用します。(増減理由)・施設整備基金:当区の財政運営上のルールにおいて、前年度決算剰余金の10分の1以上の金額を積み立てることとしているため、着実に積み立てました。また、最終補正予算編成時に過去の決算値などを参考に歳出の不用額を徹底的に精査するとともに、見込まれる歳入は最大限に見積もることで確保した財源を積み立てることで、翌年度の予算編成での取崩に対応しました。(今後の方針)・施設整備基金:区有施設の今後40年間の更新経費を試算したところ、年間平均額が72.9億円となることから、将来に備えた計画的な積立が必要となります。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2019年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
減価償却累計額の増加に対して、有形固定資産額の増加割合が大きいことから、有形固定資産減価償却率は0.4ポイント減少している。有形固定資産が増加した要因としては、区立中央体育館の大規模改修工事といった建物・設備の改修工事を行ったことなどによるものである。今後は、「区有施設見直し計画」に掲げる多機能化、複合化等、施設の効果的・効率的な活用を踏まえた計画的な更新を行っていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
将来負担額を充当可能財源等が上回ったことにより実質債務はマイナスである。このため、債務償還比率は「0.0%」となっている。これは、地方債発行額の抑制や着実な償還の実施、職員定数の適正化などに取り組むとともに、基金への積立を進めているためである。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担額を充当可能財源等が上回ったことにより、将来負担比率はマイナスである。このため、下表では「-」の表示となっている。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担額を充当可能財源等が上回ったことにより、将来負担比率はマイナスである。このため、下表では「-」の表示となっている。実質公債費比率については、地方債発行額の抑制や着実な償還により、元利償還金額が減少している。3年間の平均で算出することとされている影響で前年度と同じ数値となっている。今後、学校を中心とした区有施設の更新に地方債の活用を予定しており、実質公債費比率が上昇する可能性もあることから、今後も必要な経費の精査を行いつつ、将来負担が過大とならないような財政運営を図っていく。
施設類型別ストック情報分析表①(2019年度)
施設情報の分析欄
【道路】区が管理する道路延長に係る道路補修工事のサイクルが約33年(平成25年度実績)となっており、道路舗装に係る耐用年数(10年から20年)を大きく上回っていることなどから、類似団体内では有形固定資産減価償却率が高い値となっている。今後も引き続き、平成28年11月に策定した「目黒区道路舗装維持管理方針」に基づき、限られた財源の中で、区道等の維持管理を効果的且つ効率的に行っていく。【学校施設】学校施設については、小中学校のトイレ環境改善工事や小中学校体育館のエアコンの新設工事を行ったことにより、有形固定資産減価償却率の改善が図られたが、依然として類似団体と比較しても有形固定資産減価償却率が高い値となっている。今後は、老朽化した学校施設の計画的な更新に向けた「目黒区学校施設更新計画」に基づき、具体的な更新の検討を進めていく。
施設類型別ストック情報分析表②(2019年度)
施設情報の分析欄
【体育館・プール】体育館・プールについては、区立中央体育館(昭和42年築)の大規模改築・改修工事を行ったことにより、有形固定資産減価償却率が大幅に減少し、類似団体と比較しても低い値となった。【庁舎】庁舎については、目黒区総合庁舎の改修工事を行ったことにより、有形固定資産減価償却率の改善が図られたが、目黒区総合庁舎(昭和41年築)や目黒区清掃事務所(昭和47年築)の老朽化が進んでおり、類似団体と比較しても有形固定資産減価償却率が高い値となっている。今後も建物の老朽化対策として、平成29年度に策定した「区有施設見直し計画」に基づき、構造体耐久性調査や耐震診断などを行い、適切な更新手法などの検討を行っていく。
財務書類に関する情報①(2019年度)
1.資産・負債の状況
一般会計等においては、前年度比で、資産総額が11,505百万円の増で+2.5%、負債総額が284百万円の減で△0.9%となった。○資産のうち、固定資産については、老朽化した区有施設の改修による事業用資産の増や将来の公共施設の改築需要に備えた施設整備基金の積立の増などの要因により、7,612百万円の増となり、流動資産については、財政調整基金の積立の増などの要因により、3,894百万円の増となっている。○負債総額については、小中学校体育館エアコンの賃貸借契約のリース負債の増などがあったものの、職員の年齢構成の変動に伴う退職手当引当金の減や地方債の発行抑制と着実な償還に伴う地方債残高の減により、前年度末から284百万円の減となっている。今後も有形固定資産の減価償却については毎年度進み、施設が老朽化していくことから、将来の公共施設の改築需要に備えた施設整備基金の充実を図るとともに、「区有施設見直し計画」に掲げる多機能化、複合化等、施設の効果的・効率的な活用を踏まえた計画的な更新を行っていく。
2.行政コストの状況
○一般会計等においては、純経常行政コストは87,377百万円となり、前年度比6,675百万円の増となった。これは、待機児童対策に伴う保育所運営費の増などにより移転費用(社会保障給付、補助金等など)が3,734百万円の増となったことや消費税率の引上げに伴う低所得者及び子育て世帯への影響緩和を図るために実施したプレミアム付商品券事業などの影響により業務費用が2,929百万円の増となったことによるものである。○今後も、待機児童対策に伴う保育所運営費や障害福祉サービス等による移転費用(社会保障給付、補助金等など)の逓増が見込まれるとともに、新型コロナウイルス感染症対策に要した経費の影響により、純行政コストの増が見込まれることから、職員定数の適正化による人件費の見直しや業務改善に取り組むなど、業務費用の増加を極力抑えていく必要がある。
3.純資産変動の状況
○財源(99,111百万円)が純行政コスト(87,517百万円)を上回ったことから、本年度差額は11,595百万円(前年度比△275百万円)となった。これは、特別区税や特別区交付金など税収等の増や待機児童対策に伴う保育所整備費補助などに対する国県等補助金の増により、財源が増加したためである。○景気の緩やかな回復を背景として、区税収入は一定の伸びがみられるものの、国による不合理な税制改正の影響もあり、今後は、税収等の大幅な増は見込めない状況であるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による景気変動が区の財政に大きな影響を与えることが見込まれる。こうしたことを踏まえると、行政サービスの提供に必要となる行政コストを税収などの財源で安定的に賄っていけるよう、純行政コストの増加を極力抑えていく必要がある。
4.資金収支の状況
○一般会計等においては、業務活動収支は14.414百万円となり、前年度比2,910百万円の増となった。これは、特別区税や特別区交付金などの税収等収入や待機児童対策に伴う保育所整備費補助などに対する国県等補助金収入の増による業務収入の増加が、業務支出の増加を上回ったことよるものである。投資活動収支は△12,016百万円となり、前年度比1,594百万円の減となった。これは、老朽化した区有施設の改修などによる公共施設等整備費支出の増により、投資活動支出が増加したことによるものである。○令和元年度資金収支額は1,697百万円であり、今後も引き続き収支のバランスに留意しながら行政運営を行っていく必要がある。
財務書類に関する情報②(2019年度)
1.資産の状況
有形固定資産減価償却率は0.4ポイントの減少となった。要因としては、減価償却累計額が前年度比で1.9%増加したものの、老朽化した区有施設の改修により有形固定資産が2.5%増加したことによるものである。類似団体内では高い水準にあり、その主要因は、区が管理する道路延長に係る道路補修工事のサイクルが約33年(平成25年度実績)となっており、道路舗装に係る耐用年数を大きく上回っていること、区有施設全体の40%以上を占める学校施設について、その80%以上が築50年以上経過しており老朽化が進んでいることなどである。
2.資産と負債の比率
○純資産比率は、類似団体平均値を下回っているが、9割を超えており、将来世代の負担は1割に満たない。過去及び現世代の負担により将来世代が利用可能な資源を蓄積してきたものである。○将来世代負担比率は、類似団体平均値を上回るものの、開始時点と比べて1.5ポイント減少している。これは、地方債の発行抑制や着実な償還の実施などにより、地方債残高が減少しているためである。○今後、多くの区有施設が老朽化による大規模改修等の時期を迎え、多額の更新経費が見込まれることから、世代間負担のバランスや区財政への影響に留意しつつ、地方債発行の在り方について検討していく。
3.行政コストの状況
住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を下回っていあるものの、前年度比で3.0万円の増となっている。これは、待機児童対策に伴う保育所運営費の増などにより移転費用(社会保障給付、補助金等など)が増加しているためである。○今後も待機児童対策に伴う保育所運営費や障害福祉サービス等による移転費用(社会保障給付、補助金等など)の逓増が見込まれるとともに、新型コロナウイルス感染症対策に要した経費の影響により純行政コストの増が見込まれることから、職員定数の適正化による人件費の見直しや業務改善に取り組むなど、業務費用の増加を極力抑えていく必要がある。
4.負債の状況
○住民一人当たり負債額は類似団体平均値を上回っている。負債総額は前年度比で28,454万円の減となり、当該値は前年度比で0.2万円の減となっている。これは、職員の年齢構成の変動に伴う退職手当引当金の減や地方債の発行抑制と着実な償還に伴う地方債残高の減によるものである。○基礎的財政収支は前年度に比べ1,410百万円の増となり、黒字幅が増加した。これは、特別区税や特別区交付金などの税収等収入や待機児童対策に伴う保育所整備費補助などに対すある国県等補助金収入の増などにより業務収入が増加したことが主要因である。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は前年度比で0.3ポイント減少し、類似団体平均値も0.9ポイント下回っており、行政サービスの提供に対する負担の割合は比較的低くなっている。○施設の目的や利用状況に応じた受益者負担になっているかを定期的に確認し、負担割合を見直すなど、全体の経費に対する受益者負担の適正化を図っていく。
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