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2012年度
2011年度
2010年度
指定団体等の指定状況
財政健全化等財源超過首都近畿中部過疎山振低開発指数表選定
人口の推移
産業構造
財政比較分析表(2022年度)
財政力
財政力指数の分析欄
前年度と比べ、分子となる基準財政収入額は特別区税の増などにより7億円余の増、分母となる基準財政需要額は首都直下地震等に対する防災・減災対策経費の算定などにより9億円余の増となりました。財政力指数は、過去3年平均で計算するため、結果として前年度と同じ値となっています。今後も歳出の徹底した見直しと歳入確保を行うことにより財政の健全化を図り、中長期的に安定した財政運営に努めていきます。
財政構造の弾力性
経常収支比率の分析欄
経常収支比率は77.9%で、令和3年度から0.4ポイント減となりました。これは、分子となる歳出が物件費が増となったことなどにより、対前年度比13億9千万円余の増となった一方で、分母となる歳入が特別区税が増となったことなどにより、対前年度比21億3千万円余の増となり、歳入の増が歳出の増を上回ったことによるものです。令和3年度に続いて、適正範囲(70%~80%)となりましたが、今後も社会情勢の変化に対応できる財政基盤となるよう、歳入確保及びビルドアンドスクラップの視点に立った歳出の抑制を図っていきます。
人件費・物件費等の状況
人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄
人口1人当たり人件費・物件費等決算額は対前年度比5,169円の増となりました。類似団体平均を7,821円上回っています。これは人件費の平均が類似団体平均を上回っていることが主な要因です。引き続き歳出の抑制化に取り組んでいきます。
給与水準(国との比較)
ラスパイレス指数の分析欄
ラスパイレス指数は、国を0.8ポイント下回っています。職務・職責を的確に反映した給与制度の推進により年功的な給与上昇を抑制し、合わせて各種手当の見直しを進め、引き続き、給与の適正化に努めていきます。
定員管理の状況
人口1,000人当たり職員数の分析欄
依然として人口1,000人当たりの職員数については、類似団体の平均を上回っている状況です。今後も、事務事業のビルドに応じたスクラップを進めるとともに、公民連携の推進やデジタル技術の活用など効率的な執行方法に改善していくことで、効果的・効率的な事業執行のための最適な組織執行体制の構築に取り組んでいきます。
公債費負担の状況
実質公債費比率の分析欄
地方債の償還が進む一方で、算定上の分母にあたる標準財政規模が増加したことから、令和4年度単年度では-4.0%となり、3か年平均値で示される実質公債費比率も同様に-4.0%となりました。類似団体の平均より低くなっています。なお、算定ルール上、国の定める額を、実質の区の負担から大きく減じることとされているため、全国平均と比べると格段に健全性が高い評価となっています。今後も、適切な起債管理に努めてまいります。
将来負担の状況
将来負担比率の分析欄
地方債の償還が進み、かつ、将来負担額に充当可能な財源について、財政調整基金や学校施設整備基金への積立を行い、充当可能基金が増加したことにより、令和4年度は令和3年度より10.1ポイント改善して-127.0%となりました。表示上は「-%」となっています。今後も、地方債の発行など、将来負担となる経費の必要性を十分精査し、数値の維持を図っていきます。
経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)
人件費
人件費の分析欄
人件費は24.3%で、令和3年度から0.2ポイントの上昇となりました。分子である退職手当などが増となったことなどによるものです。類似団体と比較すると、会計年度任用職員人件費が上回っていることなどにより、類似団体の平均を上回っており、人件費の負担に大きな影響を与えています。効率的な執行方法に改善していくとともに、事務事業のビルドアンドスクラップに連動した組織・職員数の再編成・再配分を行っていきます。
物件費
物件費の分析欄
物件費は20.5%で、令和3年度から0.6ポイントの上昇となりました。放課後子ども総合プランの推進や区有施設の光熱費の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となったことによるものです。今後も事業内容の精査や実施方法の工夫により、歳出の抑制を図っていきます。
扶助費
扶助費の分析欄
扶助費は17.0%で、類似団体の平均を下回っており、前年度比で0.6ポイントの減となりました。分子である経常経費充当一般財源が減となり、且つ、分母である歳入経常一般財源等が増となったことによるものです。今後は社会保障関係経費の増加が見込まれることから、歳入確保及びビルドアンドスクラップにより活用可能な行政資源を生み出し、重要課題や新たな課題へ再配分する取り組みを行っていきます。
その他
その他の分析欄
その他は9.6%で、類似団体の平均を上回っており、令和3年度から0.1ポイントの上昇となりました。特別会計への繰出金の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となったことによるものです。今後も特別会計への繰出金負担の抑制化などを図り、適正化に取り組んでいきます。
補助費等
補助費等の分析欄
補助費等は4.6%で、令和3年度から0.1ポイントの上昇となりました。清掃一部事務組合分担金の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となったことによるものです。今後も、補助対象事業の精査を徹底していきます。
公債費
公債費の分析欄
令和3年度で文化ホール建設(平成13年度発行分)の償還が終了となったことなどから、分子である経常経費充当一般財源が前年度比で27.5%、5億7千万円余の減となったため、公債費は1.9%で、前年度に比べ0.8ポイントの減となりました。今後も、適切な起債管理に努めてまいります。
公債費以外
公債費以外の分析欄
公債費以外は76.0%で、令和3年度から0.4ポイントの上昇となりました。人件費や物件費の増などにより、分子である経常経費充当一般財源が増となったことによるもので、類似団体の平均を上回っています。今後も事業内容の精査や実施方法の工夫を徹底していきます。
目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
目的別歳出の分析欄
民生費は、平成30年度以降、毎年度約1万円ずつ上昇しておりましたが、令和4年度は住民一人当たり209,370円、前年度比1,612円の減となっています。これは、国のコロナ克服・新時代開拓のための経済対策に基づく子育て世帯への臨時特別給付金の減が要因です。一方で、土木費は、令和4年度に住民一人当たり30,823円で、前年度比8,527円の増となりましたが、これは自由が丘駅周辺地区整備に係る経費が増加したことなどによるものです。また、衛生費は、新型コロナウイルス感染症対策の実施などにより、令和3年度に続いて高い水準にあり、住民一人当たり51,760円で、前年度比3,501円の増となっております。なお、公債費は地方債の償還を着実に行ったことにより、令和4年度は住民一人当たり5,405円となり、類似団体の平均値を下回る結果となりました。引き続き今後も喫緊の課題にスピード感を持って財源を配分していくとともに、健全で安定的な財政基盤の確立に努めていきます。
性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)
性質別歳出の分析欄
歳出決算総額は、住民一人当たり443,579円で前年度比4,513円の増となっております。これは、自由が丘駅周辺地区整備に伴い、普通建設事業費が前年度と比べ増加したことが主な要因です。物件費は、住民一人当たり91,915円となっており、類似団体平均に比べて低い水準にありますが、右肩上がりで増加しています。これは、新型コロナウイルスワクチン接種事業や原油価格・原材料価格高騰に伴う区有施設の光熱費の増加によるものです。一方で、扶助費については、国のコロナ克服・新時代開拓のための経済対策に基づく子育て世帯への臨時特別給付金や住居確保給付金が減となったことなどにより、住民一人当たり118,814円、前年度比6,326円の減となっています。財政健全化対策として、平成25年度から積立基金(貯金)の自律的な積立及び地方債(借金)の発行上限額の設定を内容とする財政運営上のルール化に取り組むなど、将来への備えに対する対応を積極的に行いました。その結果、積立金については、令和3年度より減少したものの、令和2年度以前と比較すると住民一人当たりのコストは大きく増加しております。また、公債費は地方債の償還を着実に行ったこともあり、平成30年度から3,488円減少していますが、今後は学校施設を中心とした区有施設の更新にあたって、起債を有効活用する予定であるため、再び増加傾向となる見込みです。
実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)
分析欄財政調整基金残高の標準財政規模比は、前年度と比べ、基金残高が44億3千万円余の増となったことから、増となっています。実質収支額の標準財政規模比は、前年度と比べ、実質収支額が減となったこと、且つ、標準財政規模が増となったことにより、減となりました。実質単年度収支は、単年度収支の減により、前年度よりも減となりました。今後も、歳出の徹底した見直しと歳入確保を行い、中長期的に安定した財政運営に努めていきます。
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連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)
分析欄分母となる標準財政規模が前年度比13億4千万円余の増となる中で、一般会計は、分子となる実質収支額が5億8千万円余の減、国民健康保険特別会計は2億6千万円余の減となったことにより前年度比で減となりました。その一方で、後期高齢者医療特別会計は3千万円余の増、介護保険特別会計は1千万円余の増となった結果、前年度比で増となりました。
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実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄地方債の償還が進むとともに、新たな起債を抑制した結果、元利償還金等が前年度比9.9%、5億3千万円余の減となりました。
分析欄:減債基金減債基金積立相当額の積立ルールが30年償還で毎年度の積立額を発行額の3.3%として設定されているのに対し、当区は17年償還(3年据置)で毎年度の積立額を発行額の6.0%を基準としているため、減債基金残高が減債基金積立相当額を上回っています。
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将来負担比率(分子)の構造(2022年度)
分析欄地方債の償還が進むとともに、新たな起債を抑制した結果、地方債現在高を始めとする将来負担額(A)が10億円余の減となり、かつ、基金を始めとする充当可能財源等(B)が79億円余の増となったことにより、全体として90億円余の減となりました。
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基金残高に係る経年分析(2022年度)
基金残高合計
基金全体
(増減理由)当区の財政運営上のルール(前年度決算剰余金の1/2の金額を財政調整基金へ、前年度決算剰余金の1/10以上の金額を施設整備基金及び学校施設整備基金へそれぞれ積立を行う)及び最終補正予算編成時に過去の決算値などを参考に歳出の不用額を徹底的に精査するとともに、見込まれる歳入は最大限に見積もることで確保した財源について、財政調整基金に44億円余、施設整備基金に8億円余積み立てたほか、今後の学校施設の改築需要に対応するために、学校施設整備基金へ90億円を積み立てました。一方で、取り崩しについては、区営住宅整備・管理事業や特別養護老人ホーム改修及び整備支援のための取り崩しなどをしました。その結果、基金全体としては140億円余の増となりました。(今後の方針)前年度決算剰余金の2分の1の金額を財政調整基金に、10分の1以上の金額を施設整備基金及び学校施設整備基金にそれぞれ積み立てることを基本として、景気変動に左右されない柔軟な行財政運営を可能とする安定的な財政基盤を確立し、持続可能で質の高い区民サービスを提供していきます。
財政調整基金
財政調整基金
(増減理由)当区の財政運営上のルールにおいて、前年度決算剰余金の2分の1の金額を積み立てることとしているため、着実に積み立てました。また、最終補正予算編成時に過去の決算値などを参考に歳出の不用額を徹底的に精査するとともに、見込まれる歳入は最大限に見積もることで確保した財源を積み立てることで、翌年度の予算編成での取崩に対応しました。(今後の方針)地方交付税不交付団体である特別区は、景気動向による歳入の変動に大きく影響されやすいと言われていることなどから、それに対処するため、財政調整基金残高は最低でも100億円を維持し、さらに特別区の平均的な水準も考慮し、将来に備えて当区の標準財政規模の20%以上を超える財政調整基金残高を引き続き維持していきます。
減債基金
減債基金
(増減理由)償還のため、2億7千万円余を取り崩したことにより、減少しました。(今後の方針)地方債の起債を予定している事業の国・都の補助金の見込みや都区財政調整制度に基づく基準財政需要額の算定状況を踏まえ、必要額を積み立てる予定です。
その他特定目的基金
その他特定目的基金
(基金の使途)施設整備基金:目黒区の公共用又は公用に供する施設の建設及び改修その他の整備に要する資金に活用します。学校施設整備基金:次世代を担う子どもたちの健やかな成長のために、学校施設の建替え、修繕等、学校施設の充実に活用します。サクラ基金:目黒区が管理する道路、都市公園等において行う桜の保護、植替え及び植樹、目黒区立目黒天空庭園及びその周辺の空間の維持管理等に要する資金に活用します。(増減理由)施設整備基金:当区の財政運営上のルールにおいて、前年度決算剰余金の10分の1以上の金額を積み立てることとしているため、着実に積み立てました。学校施設整備基金:当区の財政運営上のルールにおいて、前年度決算剰余金の10分の1以上の金額を積み立てることとしているため、着実に積み立てました。また、最終補正予算編成時に過去の決算値などを参考に歳出の不用額を徹底的に精査するとともに、見込まれる歳入は最大限に見積もることで確保した財源を積み立てました。(今後の方針)施設整備基金及び学校施設整備基金:学校施設をはじめとした公共施設の更新経費が大きな課題となる中、公共施設の計画的かつ確実な更新及び整備を実現させるために将来に備えた積立を行ってまいります。
公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2021年度)
有形固定資産減価償却率
有形固定資産減価償却率の分析欄
有形固定資産額の増加に対して、減価償却累計額の増加割合が大きいことから、有形固定資産減価償却率は2.4ポイント増加している。類似団体内でも高い水準にあり、その主要因は、区有施設全体の40%以上を占める学校施設について、その80%以上が築50年以上経過しており老朽化が進んでいることなどが考えられる。令和2年度に策定した「学校施設更新計画」に基づき、学校施設の複合化、多機能化等、施設の効果的・効率的な活用を踏まえた計画的な更新を行っていく。
(参考)債務償還比率
債務償還比率の分析欄
将来負担額を充当可能財源等が上回ったことにより実質債務はマイナスである。このため、債務償還比率は「0.0%」となっている。これは、地方債発行額の抑制や着実な償還の実施、職員定数の適正化などに取り組むとともに、基金への積立を進めているためである。
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析
将来負担額を充当可能財源等が上回ったことにより、将来負担比率はマイナスである。このため、下表では「-」の表示となっている。
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析
将来負担額を充当可能財源等が上回ったことにより、将来負担比率はマイナスである。このため、下表では「-」の表示となっている。実質公債費比率については、地方債発行額の抑制や着実な償還により、元利償還金額が減少している。3年間の平均で算出することとされており、前年度と同じ数値となっている。今後、小中学校を中心とした区有施設の更新に地方債の活用を予定しており、地方債の発行による将来の負担が財政運営を圧迫しないように適切に管理していく。
施設類型別ストック情報分析表①(2021年度)
施設情報の分析欄
【道路】区が管理する道路延長に係る道路補修工事のサイクルが約33年(平成25年度実績)となっており、道路舗装に係る耐用年数(10年から20年)を大きく上回っていることなどから、類似団体内では有形固定資産減価償却率が高い値となっている。今後も引き続き、平成28年11月に策定した「目黒区道路舗装維持管理方針」に基づき、限られた財源の中で、区道等の維持管理を効果的且つ効率的に行っていく。【学校施設】区有施設全体の40%以上を占める学校施設については、その80%以上が築50年以上経過しているなど老朽化が進んでいる。計画的に小中学校のトイレ環境改善工事などの改修工事を行っているところだが、依然として類似団体と比較しても有形固定資産減価償却率が高い値となっている。令和2年度に策定した「学校施設更新計画」に基づき、老朽化した学校施設を計画的に更新していく。
施設類型別ストック情報分析表②(2021年度)
施設情報の分析欄
【保健センター・保健所】保健センター・保健所については、碑文谷保健センター(昭和60年築)の老朽化が進んでおり、有形固定資産減価償却率を押し上げる主要因になっている。令和4年度に改定した「区有施設見直し計画」に基づき、総合的な子ども家庭支援体制の構築を進めながら、適切に施設更新を進めていく。【庁舎】庁舎については、目黒区総合庁舎の改修工事を行ったことにより、有形固定資産減価償却率の改善が図られたが、目黒区総合庁舎(昭和41年築)や目黒区清掃事務所(昭和47年築)の老朽化が進んでおり、依然として類似団体と比較しても有形固定資産減価償却率が高い値となっている。今後も建物の老朽化対策として、令和4年度に改定した「区有施設見直し計画」に基づき、構造体耐久性調査や耐震診断などを行い、適切な更新手法などの検討を行っていく。
財務書類に関する情報①(2021年度)
1.資産・負債の状況
○一般会計等においては、前年度比で、資産総額が149,457百万円の増で+31.4%、負債総額が144百万円の増で+0.5%となった。○資産のうち、固定資産については、老朽化した区有施設の改修による事業用資産の増や将来の公共施設の改築需要に備えた施設整備基金の積立の増などの要因のほかに、固定資産台帳の見直しを行った影響により、142,984百万円の増となり、流動資産については、財政調整基金の積立の増などの要因により、6,473百万円の増となっている。○今後も有形固定資産の減価償却は毎年度進み、施設が老朽化していくことから、将来の公共施設の改築需要に備えた施設整備基金や学校施設の更新に備えた学校施設整備基金の充実を図るとともに、「区有施設見直し計画」に掲げる多機能化、複合化等、施設の効果的・効率的な活用を踏まえた計画的な更新を行っていく。
2.行政コストの状況
○一般会計等においては、純経常行政コストは101,711百万円となり、前年度比20,704百万円の減となった。これは、子育て世帯への臨時特別給付金の支給や住民税非課税世帯等への臨時特別給付金の支給などの増があったものの、令和2年度に実施した特別定額給付金事業が終了したことにより補助金等が27,310百万円の減となったことなどによるものである。○今後も、子育て支援施策による保育所運営費や障害福祉サービス等による移転費用(社会保障給付、補助金等など)の逓増が見込まれるとともに、物価高騰の影響により、純行政コストの増が見込まれることから、これまでの区の業務の抜本的な見直しに取り組むなど、業務費用の増を極力抑えていく必要がある。
3.純資産変動の状況
○財源(113,471百万円)が純行政コスト(101,280百万円)を上回ったことから、本年度差額は12,191百万円(前年度比+4,449百万円)となった。これは、令和2年度に実施した特別定額給付金事業が終了したことにより、財源と純行政コストともに減となったものの、財源のうち、特別区税や特別区交付金など税収等が増加したことによるものである。○本年度純資産変動額149,312百万円については、本年度差額に固定資産台帳の見直しによる影響額を加えたもので、これにより純資産残高は592,812百万円となっている。○区税収入は一定の伸びがみられるものの、国による不合理な税制改正の影響もあり、今後は、税収等の大幅な増は見込めない状況にある。こうしたことを踏まえると、行政サービスの提供に必要となる行政コストを税収などの財源で安定的に賄っていけるよう、純行政コストの増加を極力抑えていく必要がある。
4.資金収支の状況
○一般会計等においては、業務活動収支は16,653百万円となり、前年度比4,126百万円の増となった。これは、令和2年度に実施した特別定額給付金事業が終了したことにより、業務支出と業務収入ともに減となったものの、特別区税や特別区交付金などの税収等収入が増加したことによるものである。○投資活動収支は△15,463百万円となり、前年度比7,812百万円の減となった。これは、財政調整基金や施設整備基金の積立の増などにより、投資活動支出が増加したことによるものである。
財務書類に関する情報②(2021年度)
1.資産の状況
○有形固定資産減価償却率は2.4ポイントの増加となった。要因としては、老朽化した区有施設の改修や固定資産台帳の見直しにより有形固定資産が8.4%増加したものの、減価償却累計額が前年度比で12.4%増加したことによるものである。類似団体内では高い水準にあり、その主要因は、区が管理する道路延長に係る道路補修工事のサイクルが約33年(平成25年度実績)となっており、道路舗装に係る耐用年数を大きく上回っていること、区有施設全体の40%以上を占める学校施設について、その80%以上が築50年以上経過しており老朽化が進んでいることなどである。
2.資産と負債の比率
○純資産比率は、類似団体平均値を下回っているが、9割を超えており、将来世代の負担は1割に満たない。過去及び現世代の負担により将来世代が利用可能な資源を蓄積してきたものである。○将来世代負担比率は、類似団体平均値を上回るものの、開始時点と比べ、年々減少している。これは、地方債の発行抑制や着実な償還の実施などにより、地方債残高が減少しているためである。○今後、老朽化した学校施設が更新時期を迎え、多額の更新経費が見込まれることから、世代間負担のバランスや区財政への影響に留意しつつ、地方債発行について検討していく。
3.行政コストの状況
○住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を下回っており、前年度比で7.1万円の減となっている。これは、令和2年度に実施した特別定額給付金事業が終了したことによるものである。○今後も、子育て支援施策による保育所運営費や障害福祉サービス等による移転費用(社会保障給付、補助金等など)の逓増が見込まれるとともに、物価高騰の影響により、純行政コストの増が見込まれることから、これまでの区の業務の抜本的な見直しに取り組むなど、業務費用の増を極力抑えていく必要がある。
4.負債の状況
○住民一人当たり負債額は類似団体平均値を下回っている。負債総額は前年度比で14,443万円の増となり、当該値は前年度比で0.1万円の増となっている。○基礎的財政収支は前年度に比べ5,094百万円の増となり、黒字幅が増加した。これは、特別区税や特別区交付金の増などにより業務収入が増加したことが主要因である。
5.受益者負担の状況
受益者負担比率は前年度比で0.7ポイント増加したものの、類似団体平均値も0.5ポイント下回っており、行政サービスの提供に対する負担の割合は比較的低くなっている。○施設の目的や利用状況に応じた受益者負担になっているかを定期的に確認し、負担割合を見直すなど、全体の経費に対する受益者負担の適正化を図っていく。
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