新地町：特定環境保全公共下水道

経営の健全性・効率性について

当町の下水道事業については、全体計画及び認可計画275haに対し平成26年度末の整備済面積が244haであり整備率は88．7%である。面整備については、新地駅前の区画整理事業区域内の下水道が整備されるとほぼ完了となる状況である。接続率については、平成26年度末で処理区域内人口3,684人に対し2,953人が接続しており80.2%である。収益的収支比率については、平成26年度末で33.12%であり、単年度の収支は赤字となっている。維持管理費は料金収入で賄えているが地方債償還金について一般会計からの繰り入れに依存しているため経営改善の必要がある。企業債残高対事業規模比率については、類似団体平均値と比較して債務残高の比率が高くなっている状況であるため営業収益改善等の必要がある。経費回収率については、類似団体平均値と比較して低い水準となっているため適正な使用料収入の確保及び汚水処理費の削減が必要である。汚水処理原価については、類似団体平均値と比較して平均値となっているため今後も効率的な汚水処理を実施し経費削減に努める。施設利用率については、類似団体平均値と比較して低い数値となっているため施設の利用状況の改善が必要である。水洗化率については、類似団体平均値と比較して高い数値となっているため今後も水洗化率向上の取組に努める。

老朽化の状況について

当町の下水道事業については、平成7年に事業に着手し平成12年に供用開始をしている。当町の施設については、毎年定期的にオーバーホール等の点検を行い改修を行っているが、管渠の更新・老朽化対策の実施状況については、下水道事業着手から償却資産の減価償却が20年程度であるため管渠の改善は現在、実施していない状況である。今後、管渠の更新にあたり保有資産の法定耐用年数や老朽化の状況を踏まえ施設の改築等に必要な財源の確保や経営に与える影響等を踏まえた分析を行い、経営改善の実施や投資計画等の見直しを行う必要がある。管渠改善率については、管路の更新にあたり今後、計画的に管路の更新投資を増やす必要性が高いため、早急な検討が必要である。

全体総括

当町においては、新地駅前の区画整理事業区域内の下水道が整備され面整備が完了することにより一定の使用料の収入の増が見込まれる。しかし、地方債の償還については現在ピークをむかえ、毎年の償還金については減少していく傾向ではあるものの、維持管理費については、今後、増加することが見込まれるため維持管理費の大部分を占めている新地浄化センターの運転管理業務について、技術提案型による業者選定を行う等収支の改善に努め使用料で回収すべき経費を使用料で賄えるよう経営改善に向けた取組に努める必要がある。また、経常収益を高めるには接続率のさらなる向上が必須であるため接続促進の取組に努め経営の改善を図る。