経営の健全性・効率性について
①経常収支比率(111.82%)は前年度と同程度で、類似団体平均値よりも高い。単年度の収支は黒字になっています。②累積欠損金比率(565.82%)は前年度から減少したが、類似団体平均値よりも高い。③流動比率(73.49%)は前年度から増加したが、類似団体平均値よりも低い。1年以内に支払うべき債務に対して現金が不足しています。⑤経費回収率(45.87%)は前年度から増加したが、類似団体平均値よりも低い。汚水処理費が下水道使用料で賄われていないのが現状です。⑥汚水処理原価(347.13円)は前年度から減少したが、類似団体平均値よりも高い。⑦施設利用率(34.11%)と⑧水洗化率(68.98%)は前年度から増加し、類似団体平均値よりもわずかに高い状態となった。本事業は平成21年3月に供用開始し、現在も管渠整備を進めています。今後の接続率の上昇に伴って施設利用率も上昇することが見込まれます。
老朽化の状況について
本事業は令和2年度から法適用し、①有形固定資産減価償却率(6.89%)は類似団体平均値よりも低い。法定耐用年数を経過した管渠はなく、更新の必要性は低い。供用開始から12年が経過し、機械・電気設備等は故障箇所を修繕するといった事後的な対応を行っています。今後、各資産の更新時期の到来により多額の更新費用が必要となります。
全体総括
本事業は令和8年度概成に向けて計画区域内の管渠整備を進めています。単年度の収支は黒字になっていますが、一般会計からの多額の繰入金を受けており、経営の健全性・効率性には課題があります。経営改善に向けた取組みとして、維持管理費の削減や接続率の向上、施設の長寿命化に引き続き取り組むとともに、下水道使用料の改定や、施設の処理能力や耐用年数等を踏まえ、近隣施設との統廃合についても検討する必要があります。