経営の健全性・効率性について
当市の農業集落排水処理施設の維持管理費については概ね使用料で賄われているが、起債の元利償還金については一般会計からの繰入金に依存している。そのため、平均よりは上であるものの、⑤経費回収率及び①収支比率は100%を下回っている。また、施設の建設事業は完了しているものの、据置期間が終了し今後更に返済が開始されていくので、元利償還金の返済額は増えていく。なお、接続率は比較的良いため、⑥汚水処理原価及び⑧水洗化率は平均より良い数値となっている。ただし、供用地区も例外なく少子高齢化が進んでおり、今後も使用者数の減により、収入の減少に歯止めがかからない状況である。
老朽化の状況について
当市の農業集落排水処理施設は、供用開始から11~35年が経過している。管きょ更新については、高速道路整備に関連し、一部分の管きょ布設替えを実施した。その他の管きょについては、建設からの経過年数が少ないため、一部処理区で機能診断により調査を実施した。しかし、設備や機器(機械、電気設備類)については、耐用年数を過ぎた設備類が多数存在する。これまで設備・機器等に関する老朽化対策については、全て事後保全型といった管理方法であったため、修繕費は年々増加する傾向にある。
全体総括
上記分析に基づく今後の改善に向けた取組【料金水準の適正化】使用者数の減による収入減が今後進むことから、動向を注視していく必要がある。【施設の老朽化対策】これまで実施した一部処理施設の機能診断調査や最適化整備構想に基づき、予防保全型と判断された設備・機器類については、計画的に改築・更新を実施していきたい。また、事後保全となった機器類についても、機器の重要度を判断しながら、かつ、定期点検や修繕記録を参考に、改築・更新を実施し、処理不能となる重大事故の発生を今後ともなくしていく。