経営の健全性・効率性について
①総収益は処理区域内人口と雨水処理負担金の減少により、やや減少し、H29年度比△4.0%となった。また、総費用はH29年度比+497千円増加しているが、地方債償還金はH29年度比△1,088千円減少している。H29年度より落ち込みが生じており、これは総費用と地方償還金の合計に対し、総収益の割合がH29年度より低いためである。④使用料収入はH29年度比でやや減少傾向ではあるもののほぼ平年並みである。それに対して地方債現在高はH29年度から引き続き公営企業会計適用債を借入したため、高い水準を示している。⑤本市の数値をH26年度~H30年度で比較すると、H26・27年度は類似団体平均値よりも高い水準を示ししたものの、その後は数値が下回り、低下している。今後は処理区域内人口の減少により使用料収入増加が困難であり、さらに低下していくと思われる。⑥年々数値が上昇している。これは、有収水量はほぼ平年並みであるのに対して、経年劣化による修繕費の増加に伴い汚水処理費が上昇傾向にあるためだと考えられる。⑦正しい当年度の施設利用率は82.6%だが、現在晴天時平均処理水量を誤ったため、異常値となっている。類似団体平均値より高く良好と言えるが、処理区域内人口の減少により利用率はさらに低下すると考えられる。⑧類似団体平均より低く、処理区域内人口の減少により水洗化人口も減少している。既に整備事業は終了しているため新規接続はほとんどなく、水洗化率の向上は困難な状況にある。
老朽化の状況について
経年により維持管理費が増加傾向にあるため、効率化を図り持続可能な施設とするため改修等が必要である。更新計画等により管理を行う必要があるが、耐用年数まで至っていないこと、財源確保が困難であるため緊急性のある修繕のみを行っている。
全体総括
処理区域内人口の減少により、使用料収入の確保が困難であることや経年劣化による処理場の修繕費等で、維持管理費が増加傾向にある。そのため、一般会計繰入金に頼らざる得ない状態が続いている。令和2年4月から公営企業会計へ移行し、財政状況を正確に把握しながら、使用料の改定及び維持管理費の削減を検討していくが、公共下水道との統合も含め、ハード面、ソフト面の両方で見直しを図っていく。