経営の健全性・効率性について
①②平成30年度の経常収支比率は106.72%であった。支払利息の減少により費用は減少していく見込みであるが、人口減少が続く中、水洗化率の向上を図り、収益の確保に努めていく必要がある。③流動比率は類似団体と同程度である。企業会計移行直後で内部留保資金が少ないことから、今後も計画的に資金を確保していく必要がある。④企業債残高は今後の処理場の統廃合事業により、今までの減少幅が縮小する見込みである。企業債残高対事業規模比率について「0」となっているのは、現状、適正な使用料設定としていることから、今後の償還については総務省が示す「分流式下水道に係る経費」の繰出基準に全額該当するものと判断し、残高の全額を一般会計からの繰入により償還するものとしたことによるものである。⑤⑥経費回収率、汚水処理原価は、いずれも類似団体との比較ではやや劣る状況である。今後も収入確保や経費削減のための対策を検討、実施していく必要がある。⑦施設利用率は51.37%と低く、類似団体も下回っている。人口減少、水洗化率の伸び悩みによるものであり、施設の統廃合を進めるとともに、水洗化率の向上に努めなければならない。⑧水洗化率は毎年度微増しているが、79.32%で類似団体と比較して低い状態である。使用料収入の増加を図るためにも、今後も水洗化を促進する必要がある。
老朽化の状況について
①比較的老朽化は進んでおらず、有形固定資産減価償却率は3.78%と低い値である。新たな区域の施設整備は行わず、今後高くなる老朽化にに対応して、計画的な施設の更新、統廃合を進めていく。
全体総括
農業集落排水事業は平成30年度から法適用となった。事業開始当初に建設された施設については、処理場の設備の更新時期を迎えているが、施設利用率が低水準であることや、維持管理費の圧縮のため、処理区の統廃合事業を進めていくこととしている。人口減少や節水環境の影響により、使用料収入の減少は避けられないが、水洗化促進による収益の確保に努め、効率的な施設管理手法を検討、実施していくことで経常経費の更なる縮減を図っていく。