経営の健全性・効率性について
①収益的収支比率・70%台で推移していますが、H29年度は企業債償還金の増により前年度より約3%低くなりました。(H25年度は特定被災地方公共団体借換債による繰上償還に伴い50.55%ですが、同繰上償還の影響を除く試算では72.67%となります。)④企業債残高対事業規模比率・類似団体平均値とほぼ同水準になりました。しかし現在、汚水処理施設の増築に取り組んでいるほか、今後は管きょの老朽化対策等に取り組むため、その財源である企業債の増が見込まれ、当該比率はある程度増加することが見込まれます。⑤経費回収率・前年より約5%高くなりました。(算定基礎数値の求め方が変更となったことによるもの。)⑥汚水処理原価・類似団体平均値を上回っています。要因としては当市の地理的特性により工事費が割高になることで、汚水処理費に含まれる資本費(公債費)が大きくなることが挙げられます。⑦施設利用率・汚水処理施設の反応タンクの一部を雨水の貯留池に変更したため100%を超えていますが、汚水処理に支障のない形で運用しています。⑧水洗化率・概ね85%台で推移しており、類似団体平均値よりも低くなっています。
老朽化の状況について
・管渠改善率は0.02と類似団体平均値を下回る数値で推移しています。・今後、管渠の耐震化や老朽化への対応を計画的に進めることから、管渠改善率は緩やかに上昇すると見込まれます。
全体総括
・当市の公共下水道事業は供用開始から40年が経過していますが、普及率は62.36%と他都市と比較すると低い状況にあり、今後も未普及地域の解消に向けて建設事業を継続していく必要があります。一方で、使用料収入に反映されない老朽化対策等のメンテナンス経費も増加していく見通しとなっており、今後、使用料収入と使用料収入で賄うべき経費の収支バランスが一層重要となってきます。・類似団体と比較した場合においては、汚水処理原価の高さ、水洗化率の低さが課題として挙げられることから、引き続き、水洗化率の向上を図るとともに、使用料収入の確保や経費節減に努めていきます。