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地方財政ダッシュボード

福岡県飯塚市の財政状況(2023年度)

🏠飯塚市

地方公営企業の一覧

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収録データの年度

📅2023年度📅2022年度📅2021年度📅2020年度📅2019年度📅2018年度📅2017年度📅2016年度📅2015年度📅2014年度📅2013年度📅2012年度📅2011年度📅2010年度

総括表

人口の推移

財政比較分析表(2023年度)

財政力指数の分析欄

旧産炭地域特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多く、併せて人口の減少等に伴う税収等の低迷により0.49と類似団体平均を大きく下回っている。今後は、「飯塚市行政経営戦略推進ビジョン」に基づき、「いつでもどこでもつながる飯塚市」を目指すため、情報・デジタル化の推進、人(職員)の改革、財政の改革、施設・モノの改革に取り組むとともに、「まち・ひと・しごと総合戦略」や、嘉飯圏域定住自立圏事業の推進など自治体間の連携強化により圏域の活性化を推進し、都市圏への人口流出を防ぎ、子育て世帯等の定住人口の増加(減少の抑制)を目指していく。その財源確保のためには、施策評価・事務事業評価を活用した事業効果の検証を実施し、事業の重点化や思い切った見直しを行い、財政収支の均衡がとれた健全で持続可能な財政基盤の構築を図っていく必要がある。

経常収支比率の分析欄

経常的一般財源について、歳出ベースでは776百万円の増となり、歳入ベースで367百万円の減となったことにより、前年度に比べて3.2ポイント悪化している。歳入面では、地方税(固定資産税)は増となったものの、実質的な地方交付税総額の減により総額としては減となった。歳出面では、地方債の償還完了により公債費が大幅な減となったが、人件費、扶助費及び補助費が増になったことに伴い総額としては増となった。今後の対応としては、業務の効率化と歳出の適正化を推進し、経常的な支出を抑制していくと共に、税収の確保に向け、定住人口の増加につながる施策や企業誘致等を実施していく必要がある。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人件費・物件費等の合計額の人口1人あたりの金額が類似団体平均を上回っている要因は、主にふるさと応援寄附金受入増に伴う関連経費の増、職員数の増による職員給の増となっている。今後も費用対効果がより高い施策の実施、職員配置を含めた行財政改革実施計画の確実な実施など、総合的な歳出抑制に努める。

ラスパイレス指数の分析欄

類似団体と比較して0.3ポイント高くなっており、今後も他団体の水準や民間給与の状況を踏まえ、給与の適正化に努める。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口減少及び職員数の増加の影響により、前年度と比較して0.25人の増となっている。今後も費用対効果がより高い施策の実施、職員配置を含めた行財政改革実施計画の確実な実施など、適正な定員管理を図る。

実質公債費比率の分析欄

前年度と比較し、標準財政財政規模は増加したものの、令和4年度に大規模事業に係る緊急防災・減災事業債及び旧合併特例事業債等の償還が完了したことにより、分子の構成要素である元利償還金等が減少し、令和5年度の実質公債費比率(単年度)は、0.6ポイント減少した。しかしながら、令和4年度に、起債借入の据置期間が終了し、元金償還が始まったことによる元利償還金の増加や公営企業債等繰入額が増加していたことから、令和5年度の実質公債費比率(3ヶ年平均)が0.3ポイント増加した。

将来負担比率の分析欄

前年度と比較し、充当可能財源等が減少したものの、大規模事業の財源とした既発債の償還終了に伴う地方債現在高の減少により、実質的な将来負担額が大幅に減少し、類似団体の平均と同様の比率となった。今後も大型事業を実施する見込みであり、比率が上昇することが見込まれるため、計画的な事業実施や事業費の適正化、交付税措置率の高い地方債を活用することにより、財政の健全化に努める。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2023年度)

人件費の分析欄

職員数の増や給与改定による基本給の増による職員給の増により前年度と比較して1.2ポイントの増となっている。また、類似団体平均と比較すると2.6ポイント下回っている。これは、令和5年4月1日現在の職員数は前年度と比較して26人の増となっているが、行財政改革実施計画策定年度である平成18年4月1日現在(1,022人)と比較して234人の減となっていることが主な要因である。今後も費用対効果がより高い施策の実施、職員配置を含めた行財政改革実施計画の確実な実施など、適正な定員管理のもと人件費の抑制を図る。

物件費の分析欄

前年度と比較して0.4ポイントの増、類似団体平均と比較すると4.8ポイント下回っている。前年度から増加した要因としては、物価高騰の影響による小中学校賄材料事業の関連経費やごみ収集事業の関連経費が増加してことがあげられる。今後も長期継続契約の推進などの委託業務内容の見直しや、施設の統廃合の推進によるコストの低減を図っていく。

扶助費の分析欄

前年度と比較して1.0ポイントの増となり、類似団体平均値と比較すると0.8ポイント上回っている。これは、旧産炭地域特有の経済構造として、生活保護率が高いなど低所得者が多いことが大きな要因であるが、最近では、就労支援等自立に向けた取り組みの強化を継続実施していることもあり、生活保護扶助に係る経費は減少傾向となっている。一方で、障がい者自立支援給付、私立幼稚園連や私立保育所の給付事業関連経費の増加が大きく、今後は適正な給付のあり方を検討するなど増大する扶助費の適正化を図る必要がある。

その他の分析欄

前年度と比較して0.6ポイントの増、類似団体平均値と比較すると1.7ポイント高くなっている。これは後期高齢者医療などの特別会計への繰出金や河川等の維持管理経費が高水準で推移していることが主な要因である。特別会計の繰出金については、各種給付費や保険料の適正化を図ることなどにより、普通会計の負担額を減らすよう努める。

補助費等の分析欄

前年度と比較して0.7ポイントの増、類似団体平均値と比較すると3.9ポイント上回っている。その主な要因として、企業会計・一部組合等に対する各種補助金や負担金が多額になっていることが挙げられる。今後も負担金・補助金等については、合理化・適正化を図っていく必要がある。

公債費の分析欄

前年度と比較して0.7ポイントの減、類似団体平均値と比較すると4.8ポイント上回っている。前年度から減少した要因は、緊急防災・減災事業債、旧市町村合併特例事業債等の償還完了に伴い、大幅な減となったことである。今後も大型事業を予定しており、公債費の増加が見込まれることから、事業費の適正化や事業実施年度の分散などにより公債費負担の均衡を図り、健全な財政運営に努める。

公債費以外の分析欄

前年度から3.9ポイント増、類似団体平均値と比較すると1.0ポイント下回っている。項目別(類似団体平均値比較)にみると、人件費は2.6ポイント、物件費は4.8ポイント下回っているが、扶助費は0.8ポイント、補助費等は3.9ポイント上回っている状況である。今後の対応としては、業務の効率化と歳出の適正化を推進し、経常的な支出を抑制していく必要がある。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

〇総務費:住民一人当たりの歳出決算額は191,118円と増加しており、類似団体内順位は前年度に引き続き2位となっている。これは、ふるさと納税関連経費(寄附事業、基金積立金)や穂波庁舎改修事業などの増が主な要因となっている。〇民生費:住民一人当たりの歳出決算額は292,598円、類似団体内順位は3位となっており、いずれも前年度から上昇している。これは、物価高騰対策として実施したクーポン券発行事業や各種給付金事業、保育所や児童館等の施設整備関連経費の増が主な要因となっている。〇教育費:住民一人当たりの歳出決算額は45,627円、類似団体内順位は35位となっており、いずれも前年度から大きく下降している。これは、体育館等建設事業や市民公園テニスコート施設整備事業等の大型の施設整備関連経費の減が主な要因となっている。○公債費:住民一人当たりの歳出決算額は54,554円と減少しており、類似団体内順位は前年度に引き続き4位となっている。これは、緊急防災・減災事業債、旧市町村合併特例事業債等の償還完了に伴う、減となったことが主な要因となっている。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2023年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

〇人件費:住民一人当たりの歳出決算額は住民一人当たり65,032円、類似団体内順位は24位となっており、いずれも前年度から上昇している。これは、職員数の増による職員給の増が主な要因となっている。今後も費用対効果がより高い施策の実施、職員配置を含めた行財政改革実施計画の確実な実施など、適正な定員管理のもと人件費の抑制を図る。〇扶助費:住民一人当たりの歳出決算額は212,271円、類似団体内順位は3位となっており、いずれも前年度から上昇している。これは、物価高騰対策として実施したクーポン券発行事業や各種給付金事業の増が主な要因となっている。今後は幼稚園、保育所の給付事業関連経費の増加が予想されることから、適正な給付のあり方を検討するなど、費用の適正化を行う必要がある。〇普通建設事業費:住民一人当たりの歳出決算額について、新規整備関連では6,017円と増加しているが、更新整備関連では41,151円、全体として50,630円となっており、いずれも前年度より減少している。特に更新整備関連経費が大きく減少しているが、これは体育館等建設事業や幸袋交流センター整備事業等の減が主な要因となっている。今後も事業費の適正化や事業実施年度の平準化を図る必要がある。〇積立金:住民一人当たりの歳出決算額は87,089円と増加しており、類似団体内順位は前年度に引き続き2位となっている。これは、ふるさと応援寄附金受け入れ増が主な要因となっている。

実質収支比率等に係る経年分析(2023年度)

分析欄

①標準財政規模34,315,420千円、②財政調整基金残高7,232,644千円、③実質収支額2,056,239千円、④実質単年度収支-1,290,984千円→②/①:21.08%③/①:5.99%④/①:-3.76%歳入は、ふるさと納税寄附金や基金繰入金等の影響により増、歳出は、公債費や普通建設事業費等の影響により減となっている。収支状況は、実質収支は黒字となったが、実質単年度収支字は赤字となっている。実質単年度収支字は、昨年度と比較し回復しているが、これは減債基金、ふるさと応援基金の繰入金の増が主な要因である。今後は、「飯塚市行政経営戦略推進ビジョン」に基づき、定住人口の増加(減少の抑制)を目指していくとともに、財政収支の均衡がとれた健全で持続可能な財政基盤の構築を図っていく必要がある。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2023年度)

分析欄

赤字の会計である小型自動車競走事業特別会計においては、長年、景気低迷の影響等により収益金が減少していたが、業績改善の手法として、平成27年度に包括的民間委託を導入してからは徐々に業績が回復しており、令和4年度末時点で575百万円となっていた累積赤字が、令和5年度末には469百万円に縮小し、年間で106百万円の赤字解消(=単年度黒字)を行った。次年度以降も包括的民間委託による経営改善を図りつつ、ミッドナイトレース開催などの売り上げ増加に向けた取り組みを実施するとともに、令和3年度から実施している大規模な施設の老朽化対策のための財源確保をするなど、持続的な経営の健全化を図ることとしている。

実質公債費比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

令和4年度に大規模事業に係る緊急防災・減災事業債及び旧合併特例事業債等の償還が完了したことにより、分子の構成要素である元利償還金等が減少したことが主な要因となり、実質公債費負担額は前年度と比較して、156百万円減少している。今後も健全な財政運営に努めるため、事業費の適正化や事業実施年度の調整、低利での借入方法の検討などにより、償還額の平準化及び実質公債費比率の急激な上昇を抑えていく必要がある。

将来負担比率(分子)の構造(2023年度)

分析欄

将来負担額については、地方債現在高は3,152百万円の減となり、それに伴い充当可能財源における交付税算入見込額も2,973百万円の減となった。また、ふるさと応援基金への積立額の増はあったものの、財政調整基金や減債基金の取崩による残高減により、充当可能財源における充当可能基金は188百万円の減となり、前年度と比較しても大きな増減はなかった。その結果、前年度に引き続き将来負担比率は発生しないこととなった。今後も大型事業を実施する見込みであり、比率が上昇することが見込まれるため、計画的な事業実施や事業費の適正化、交付税措置率の高い地方債を活用することにより、財政の健全化に努める。

基金残高に係る経年分析(2023年度)

基金全体

(増減理由)財政調整基金については、令和4年度決算歳計剰余金を176百万円、債券運用収入及び預金利子運用収入を59百万円積み立てた。一方で、一般会計の財源不足調整に伴う原資として、2,000百万円を取り崩した。その結果、基金残高は前年比で1,765百万円の減となった。減債基金については、臨時財政対策債償還基金分を148百万円、令和4年度決算歳計剰余金を176百万円、債券運用収入及び預金利子運用収入を54百万円積み立てた。一方で、一般会計の市債償還の財源として、917百万円を取り崩した。その結果、基金残高は前年比で539百万円の減となったその他特定目的基金については、公共施設等整備基金へ令和4年度決算歳計剰余金を352百万円、債券等の運用収入を8百万円積み立てた。また、ふるさと応援基金については、寄附額に相当する10,513百万円を積み立てた一方、各種事業に活用するために9,133百万円を取り崩したことなどにより、その他特定目的基金残高は前年比で1,707千円の増となった。(今後の方針)今後も歳入の減額要素が見込まれる中、大型事業を実施する見込みである。令和6年度以降においても、財政調整基金はもとより、各種基金の取崩しを行いながら財政収支の均衡を図っていくことを想定しており、また、今年度基金残高が大幅に増加した要因であるふるさと応援寄附金についても、その動向は不透明である。そのため、「飯塚市行政経営戦略推進ビジョン」に基づき、定住人口の増加(減少の抑制)を目指していくとともに、財政収支の均衡がとれた健全で持続可能な財政基盤の構築を図っていく必要がある。

財政調整基金

(増減理由)財政調整基金については、令和4年度決算歳計剰余金を176百万円、債券運用収入及び預金利子運用収入を59百万円積み立てた。一方で、一般会計の財源不足調整に伴う原資として、2,000百万円を取り崩した。その結果、基金残高は前年比で1,765百万円の減となった。(今後の方針)今後も歳入の減額要素が見込まれる中、大型事業を実施する見込みである。財政調整基金については、収支の均衡を図るため、取崩しを行いながらの財政運営が想定される中、その残高の確保を図るため、健全な財政運営に取り組むとともに、安全かつ効果的な運用を推進し、基金運用収入の確保を図る。

減債基金

(増減理由)減債基金については、臨時財政対策債償還基金分を148百万円、令和4年度決算歳計剰余金を176百万円、債券運用収入及び預金利子運用収入を54百万円積み立てた。一方で、一般会計の市債償還の財源として、917百万円を取り崩した。その結果、基金残高は前年比で539百万円の減となった(今後の方針)今後も増加する見込みである元利償還金の財源として、取崩しも視野に入れた財政運営が想定される中、財政調整基金と同様に、その残高の確保を図るため、健全な財政運営に取り組むとともに、安全かつ効果的な運用を推進し、基金運用収入の確保を図る。

その他特定目的基金

(基金の使途)飯塚市公共施設等整備基金:公共施設等の建設、改修、除却及び設備の更新等を推進するため飯塚市地域振興基金:地域振興に関する事業を推進するため飯塚市ふるさと応援基金:寄附者の思いを反映した施策に活用し魅力あるまちづくりを推進するため飯塚市かんがい施設整備基金:かんがい施設の維持管理及び改良事業を実施するため飯塚霊園施設管理基金:飯塚霊園施設の維持管理のため(増減理由)飯塚市公共施設等整備基金:令和4年度決算歳計剰余金を352百万円、債券運用収入及び預金利子運用収入を8百万円積み立てたことによる増飯塚市ふるさと応援基金:ふるさと応援寄附金の積み立てによる10,513百万円の増、寄附金の募集にかかる経費及び寄附者の思いを反映した事業に活用するための財源として取り崩したことによる9,133百万円の減の結果、計1,380百万円の増飯塚市かんがい施設整備基金:かんがい施設の維持管理にかかる経費の財源として31百万円を取り崩したことによる減(今後の方針)各基金の設置の目的に合わせて、必要に応じた積立・取崩しを行い、適切な管理を行っていく。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2023年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

減価償却率は前年度より横ばいとなった。平成28年1月に策定した「飯塚市第2次公共施設等の在り方に関する基本方針」(公共施設等総合管理計画)に基づき施設整備、更新を進めているところである。しかしながら、類似団体と比較しても依然として数値が高い状況にあることから、今後も、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の更新や長寿命化等を進め、公共施設の適正管理に努めていく必要がある。

債務償還比率の分析欄

地方債の償還が進んでいることから、地方債現在高は減少しているものの、一方で充当可能財源については、普通交付税算入見込額の減少が影響し減少に転じている。このことより、債務償還比率が前年比より78.8%増加したことにより悪化しており、全国の類似団体で比較した場合非常に高い数値となっている。今後も、廃棄物処理施設等、大型事業の実施も見込まれるため、事業費の適正化や事業実施年度の調整などを行い、償還額の平準化に取り組み健全な財政運営を行っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

将来負担比率については、R4年度に引き続き、将来負担額に対して、充当可能財源額等が上回ったため、算定なしとなっている。有形固定資産減価償却率は74.6%であり、前年度より横ばいであるものの、類似団体内平均値を依然として9.0%上回っていることから、保有施設の整備・更新について全体的な精査を早期に行う必要があると考える。今後も、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化した施設の更新や長寿命化等を進め、公共施設の適正管理に努めていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

将来負担比率については、地方債現在高の減少やふるさと応援寄附金の増加に起因する基金残高の増加などにより算定なしとなった。実質公債比率については、年々上昇傾向にある。R4年度構成数値である、R2年度単年度の実質公債比率と、本年度の構成数値であるR5年度単年度の実質公債比率をそれぞれ比較したところ、分子の構成要素である元利償還金等が104,343千円増加している、また、算入公債費等の額が274,667千円減少していることが影響し前年度より0.3ポイント上昇した。今後も一般廃棄物処理施設の更新をはじめ、施設更新等による多額の事業費が見込まれることから、地方債残高の推移について注意をする必要があり、引き続き事務事業のゼロベースからの見直し・統廃合を継続して実施していくことで、健全な財政運営に努めていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表①(2023年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

有形固定資産減価償却率を類型別に分析すると、道路、橋りょう、トンネルについては、類似団体平均より減価償却率が高くなっている。このことについて、その多くが昭和30年代以降に集中的に整備されたものであり、老朽化が進行していることから、安全性の確保及び効率的な長寿命化の推進を図る必要がある。公営住宅、認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、児童館及び公民館については、類似団体平均より減価償却率が低くなっている。公営住宅では、飯塚市公営住宅等長寿命化計画に基づき、計画的な施設の改修や更新を実施している。また、認定こども園・幼稚園・保育所、学校施設、児童館及び公民館については、施設の統合や再編を実施したことにより、類似団体平均値よりも減価償却率が低くなっているものと考えられる。一方で、一人当たり面積については、公民館を除く施設で、類似団体を上回っている。これは合併や人口減少等による要因が考えられる。今後は、各施設において老朽化に伴う維持管理費用の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、適切かつ効率的な維持管理を図ることとする。

施設類型別ストック情報分析表②(2023年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

市民会館については、令和5年度に大規模改修を実施完了したことにより減価償却率が改善した。一般廃棄物処理施設については、合併以前に建設された施設であることから、老朽化が進んでいるため、今後大規模改修や集約化を進めていくことを検討している。体育館・プール、図書館、福祉施設、保健センター・保健所、消防施設及び庁舎については、類似団体平均より減価償却率が低くなっているが、これについては、近年実施した、飯塚市総合体育館建設事業、飯塚地区消防組合基本計画に基づく消防署施設の建設事業、市役所本庁舎の建替事業等を実施したことによる影響から、減価償却率が類似団体と比べ低くなっているものと考える。また、各施設の一人当たりの面積を見ると、消防施設にについては、類似団体の数値を下回っているが、これらを除く施設については、類似団体を上回っている。これは合併や人口減少等による要因が考えられる。今後は、各施設において老朽化に伴う維持管理費用の増加が見込まれることから、公共施設等総合管理計画や個別施設計画に基づき、適切かつ効率的な維持管理を図ることとする。

財務書類に関する情報①(2023年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

令和5年度末において、一般会計等の資産総額は178,344百万円、負債総額は74,286百万円(純資産は104,058百万円)となっている。資産・負債の変動をみると、前年度末から資産は3,156百万円減(▲1.74%)となり減少に転じているが、これについては、固定資産の見直しを含み減価償却による老朽化が上回ったことで資産の減少が進んだ影響による。負債については引き続き2,691百万円減(▲3.50%)となり、地方債の償還が進んだことによる影響である。年度間で大きな変動は見られないが、負債は高い水準にあることから、持続可能な財政運営のため、引き続き負債(地方債等)の削減に取り組んでいく必要がある。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

令和5年度における一般会計等の純経常行政コストは67,631百万円、純行政コストは68,316百万円(臨時分685百万円)となっている。前年度と比較してみると、純経常行政コストは2,520百万円増(+3.87%)、純行政コストは2,595百万円増(+3.95%)となっており、増加に転じた。これは、社会保障給付が高い数値で推移していること、また、ふるさと納税に係る事務経費による影響が主である。純経常行政コスト・純行政コストともに高い水準にあることから、持続可能な財政運営のため、財源の確保や既存事業の廃止・縮小等に努めていく必要がある。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

令和5年度における一般会計等の本年度差額および本年度純資産変動額は、前年度と比較して減少しているものの、税収等の増加に伴い財源が増加(前年度比で424百万円増)したことで、本年度差額が正の値(3,689百万円)となった。このことから、令和5年度においては、将来世代の負担を増やさない財政運営を行うことができたと見ることができたが、本年度純資産変動額はマイナスに転じたことから、これまで積み重ねてきた財源を消費したと考えられるため、今後も地方税等の徴収強化等財源の確保に努める。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

令和5年度における経常的な行政活動の収支を示す業務活動収支は7,409百万円の収入超過となった。公共施設の整備等の収支を投資活動収支は歳出が歳入を上回ったことから3,612百万円の支出超過となった。財務活動収支は市債償還額が、市債借入額を上回ったことによる3,152百万円の支出超過となっている。このことから、業務活動の中で捻出した収入超過を元手に、必要な公共施設の整備や地方債の償還に取り組むことができているものと考えられる。

財務書類に関する情報②(2023年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たりの資産額は、類似団体平均とほぼ同じである。歳入額対資産比率は、類似団体平均より少ない年数となっており、公共施設の老朽化により資産価値が減退した施設が多くなっているものと考えられる。有形固定資産減価償却率においても、類似団体平均より上回っていることから、既存の公共施設の老朽化が進んでいるものと考えられる。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

類似団体平均と比べ、純資産比率は下回っており、将来世代負担比率は上回っているため、本市の資産は地方債等を財源に将来世代の負担により形成した資産の割合が高くなっていると考えられる。世代間負担の公平性を保つため、引き続き地方債等の削減や公共施設の長寿命化等に努めていく必要がある。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは類似団体平均値を上回り高い水準となっている。これは主に、経常費用のうち32.34%を占める社会保障給付が高水準にあることが要因と考えられる。今後も、子育て支援対策の充実や高齢者対策等、社会保障給付等の増加の傾向が続くと想定される。持続可能な財政運営のため、財源の確保や歳出の削減に努めていく必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たりの負債額は、この4年間で減少傾向にある。また、業務・投資活動収支(財務活動収支を含む)については、次のようになっている。業務活動収支・・・収入超過(+7,778百万円)投資活動収支・・・支出超過(△4,210百万円)財務活動収支・・・支出超過(△2,070百万円)このことから、業務活動の中で捻出した収入超過を元手に、必要な公共施設の整備や地方債の償還に取り組むことができているものと考えられる。一方で、住民一人当たりの負債額は、類似団体平均と比べ、高い水準となっている。持続可能な財政運営のため、引き続き地方債等の削減や既存事業の廃止・縮小等に努めていく必要がある。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率については、類似団体平均値よりやや低い水準となっており、受益者は比較的安価に行政サービスを受けることができているものと考えられる。持続可能な財政運営のため、公共施設の更新等の際に使用料の適正化に努めていく必要がある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,