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地方財政ダッシュボード

兵庫県神戸市の財政状況(2014年度)

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2014年度)

財政力指数の分析欄

財政力指数については、震災復興事業に多額の市債を発行したことにより、償還のため基準財政需要額が高い水準になっていることから、類似団体平均を下回っている。企業収益の増加に伴い法人市民税が増加傾向にあるなど、市税収入の増加により分子となる基準財政収入額の増加や、公債費の減小により分母となる基準財政需要額の減少に伴い財政力指数は上昇しており、平成26年度も分子である基準財政収入額の増加(+63億、+3%)などにより財政力指数は0.02上昇した。今後も、市債残高の削減、行財政改革の取り組みを着実に進め、改善を図っていく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率については、震災復興事業に伴い多額の市債を発行した結果、公債費に関する比率が高い水準となるなど、類似団体平均を上回っていたが、その後の厳格な起債管理や職員総定数の削減(平成8~22年度で5,564人削減)、外部評価委員による事務事業評価による事務事業再構築などにより、経常経費の削減に努めた結果、平成24年度から類似団体平均を下回っている。平成26年度は給与改定に伴う人件費の増加(+14億、+1.2%)、予防接種費・がん検診等の物件費の増加(+49億円、+1.9%)等により悪化に転じたものの、現在取り組みを進めている「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」の基づき職員総定数の削減(5年間で約1,600人削減)、事務事業の抜本的な見直し、民間活力の導入など行財政改革の取り組みを着実に進め、経常経費の削減を図っていく。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額については、人件費について平均年齢(平成26.4月時点政令市中6位)や労務職員の給与月額(平成26.4月時点政令市中2位)が類似団体に比べ高い水準であること等により、類似団体平均を上回っているが、震災以降の平成8~22年度で5,564人の職員総定数の削減を行い、総人件費の縮減に努めるとともに、平成15年度以後は外部評価委員による事務事業評価を行い、評価結果を踏まえた再構築に取り組み低減に努めている。平成26年度は給与改定に伴い増加しているものの、現在取り組みを進めている「神戸市行財政改革2015」に基づき、引き続き職員総定数の削減(23~27年度の5年間で約1,600人削減)、事務事業評価に取り組むなど、事務事業の再構築を図っていく。

ラスパイレス指数の分析欄

ラスパイレス指数については、国家公務員の時限的な給与改定特例法による措置により上昇しているが、同措置がないとした場合のラスパイレス指数は101.9であり、類似団体平均と同程度の水準となっている。なお、給与体系については平成19年度に給与構造の見直しとして、給料表や昇給制度について、より職務・職責を重視するものに移行、平成27年度より国に準じて給料表や諸手当の在り方を含めた給与制度の総合的見直しを実施し、給料表を平均2%引下げる見直しを行った。引き続き、勤務成績をより給与に反映させる制度の活用など、職員の士気を高めるとともに市民の理解を得られる取り組みを進めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

人口千人当たり職員数については、類似団体平均を上回っているが、震災以降、「行財政改善緊急3ヵ年計画(平成8年度~)」、「新たな行財政改善の取り組み(新行政システムの確立、平成11年度~)」、「行政経営方針(平成16~22年度)」に取り組み、外郭団体への派遣職員も含めた職員総定数5,564人の削減を行ってきた。現在は「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づき、5年間で約1,600人削減という目標を掲げ取り組んでおり、平成26年度までに1,352人の削減(平成22~25年度:1,023人、平成26年度は329人削減)を行った。

実質公債費比率の分析欄

実質公債費比率については、プライマリーバランスの黒字を維持(平成9年度以降18年連続黒字を維持)することによる市債残高の削減や企業会計に対する繰出金についての見直しを進めるなど、これまでの取り組みによって着実に低下してきており、平成24年度から類似団体平均を下回っている。平成26年度についても、分子である元利・準元利償還金の減少(-75億、-6%)するなど、前年度から1.4ポイント改善した。今後も、「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に掲げる実質公債費比率の類似団体中位程度の水準を保ちつつ、プライマリーバランスの黒字を維持することにより、持続可能な行財政構造の構築を図っていく。

将来負担比率の分析欄

将来負担比率については、震災復興事業に伴う多額の市債発行によって市債残高が高水準であったものの、その後の厳格な起債管理や満期一括償還に備えた堅実な公債基金の積立などにより、着実に比率の改善に取り組んでおり、類似団体平均を下回っている。平成26年度は企業債残高の減等により公営企業への繰出見込み額が減少したこと(-141億、-6.8%)や退職手当の支給率の引き下げ(-85億、-7.6%)等が寄与し、前年度から8.5ポイント改善した。今後も、公営企業、外郭団体等の経営改革など、行財政改革の取り組みを着実に進め、将来負担の軽減に取り組んでいく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2014年度)

人件費の分析欄

人口千人当たりの職員数が類似団体平均と比べて多く、平均年齢(平成26.4月時点政令市中6位)や労務職員の給与月額(平成26.4月時点政令市中2位)が類似団体に比べ高い水準であること等により、経常収支比率は28.0%と類似団体平均と比べて高くなっている。震災以降、行財政改革の取り組みにより平成8~22年度で、職員総定数5,564人の削減を行ってきた。平成26年度は、給与改定に伴い0.6ポイント悪化に転じているものの、現在取り組みを進めている、「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づき、5年間で約1,600人削減という目標を掲げ、平成26年度までに1,352人の削減を行うなど引き続き着実に人件費の抑制を図っていく。

物件費の分析欄

震災以降、経費削減を図っており、平成15年度以後は外部評価委員による事務事業評価を行い、評価結果を踏まえた事務事業の再構築等に取り組んだ結果、平成26年度において物件費に関する経常収支比率は9.9%と類似団体平均と比べて低い水準にある。平成26年度は予防接種費・がん検診等の増加(計+49億円、+1.9%)に伴い悪化に転じているが、今後も「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づき、引き続き事務事業評価に取り組むなど、事務事業の再構築を図っていく。

扶助費の分析欄

扶助費に関する経常収支比率は14.6%と類似団体平均と比べて低い水準にある。平成26年度については、前年度と同比率となったが、歳出ベースでは、生活保護費(+14億、+1.6%)や障害者福祉費(+25億、+7.2%)、保育環境の整備に伴う児童措置費(13億、+5.7%)等が増加するなど(計+99億、+6%)、上昇傾向にある。

その他の分析欄

その他に関する経常収支比率は、平成26年度において10.1%と類似団体平均と比べて低い水準にあるが、公共施設の老朽化に伴う維持補修費(平成24年度:25億、平成25年度:30億、平成26年度:29億)等が増加傾向にある。今後、維持補修費の抑制に向け「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づき、段階的な施設総量の低減(30年間で保有床面積10%削減)に取り組むとともに、繰出金については、公営企業への基準外繰出金の段階的削減などの取り組みを進めていく。

補助費等の分析欄

震災以降、経費削減を図っており、平成15年度以後は外部評価委員による事務事業評価を行い、評価結果を踏まえた事務事業の再構築等に取り組んだ結果、平成26年度において、補助費等に関する経常収支比率は8.4%と類似団体平均と比べて低い水準にある。平成26年度は、自動車事業会計への繰出金の減少(-4億円)等に伴い、0.4ポイント改善した。今後も「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づき、基準外繰出金の段階的削減に取り組むなど引き続き事務事業見直しに取り組み、事務事業の再構築を図っていく。

公債費の分析欄

震災関連の市債償還(一般会計ベース平成26:217億)に伴い、公債費に関する経常収支比率は、平成26年度においても25.3%と類似団体平均と比べて引き続き高い水準にあるが、これまでも厳格な起債管理に基づきプライマリーバランスの黒字を維持することで市債残高の削減を進めるなど、着実に公債費負担の低減に取り組んできた。その結果平成26年度は0.8ポイント改善した。、今後も「神戸市行財政改革2015」に基づき、一層の財政健全化を図り、公債費負担の低減に取り組んでいく。

公債費以外の分析欄

震災以降、「行財政改善緊急3ヵ年計画(平成8~10年度)」、「新たな行財政改善の取り組み(平成11~15年度)」、「行政経営方針(平成16~22年度)」に基づき、行財政改革を着実に進めてきた結果、平成26年度において、公債費以外に関する経常収支比率は71.0%と類似団体平均と比べて低い水準にある。近年は、障害者福祉費、保育環境の整備等の扶助費の増加や施設の老朽化に伴う維持補修費の増加などに伴い上昇傾向にあり、平成26年度は給与改定に伴う人件費の増加もあって前年度-2.0ポイントの悪化に転じた。今後、「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づき、さらなる行財政改革を進め、経常収支比率の低減を図っていく。

実質収支比率等に係る経年分析(2014年度)

分析欄

職員総定数の削減(H8~H26:-6,916人)や事務事業の再構築など行財政改革の着実な取り組みにより、実質収支額は継続的に黒字を確保している。実質単年度収支についても、平成22年度は、国庫補助金返還金相当額の財政調整基金取崩し等に伴い、マイナスとなっているものの、その後は、市税収入等の増収に加え、「神戸市行財政改革2015(平成23~27年度)」に基づく人件費・公債費の抑制などの取り組みをはじめ、経費削減に努めていることなどにより、引き続き黒字を確保している。財政調整基金残高についても、上記市税収入の増加、経費削減によって生じた前年度決算剰余金の積立等に伴い増加し、標準財政規模比は2.89%となっている。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2014年度)

分析欄

自動車事業会計で資金不足額が算定されたものの、宅地造成事業を行う新都市整備事業会計や上下水道事業の会計などにおいて、資金の剰余が生じており、連結実質黒字を確保している。なお、港湾事業会計における標準財政規模比は、臨海土地造成事業の土地の保有目的の変更に伴い、流動資産から固定資産へ資産の計上区分を見直したことから、前年度に比べ大幅に減少している。

実質公債費比率(分子)の構造(2014年度)

分析欄

厳格な起債管理による市債残高の削減や企業会計に対する繰出金についての見直しを進めるなど、これまでの取り組みによって元利償還金や公営企業債の元利償還金に対する繰入金等が減少し、実質公債費比率の分子は前年度に比べて約46億円減少している。今後も「神戸市行財政改革2015」に基づき、一層の財政健全化を図っていく。

将来負担比率(分子)の構造(2014年度)

分析欄

平成26年度は、企業債残高の減に伴う公営企業債等繰入見込額の減少等により、将来負担額の分子は前年度に比べて約278億円減少している。行財政改革の中で、実質的な市債残高の削減に取り組み公債費負担の適正化に努めてきたこと等により、将来負担比率は減少傾向にある。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,