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地方財政ダッシュボード

埼玉県春日部市の財政状況(2022年度)

🏠春日部市

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収録データの年度

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総括表

人口の推移

財政比較分析表(2022年度)

財政力指数の分析欄

令和4年度の財政力指数は0.73で、前年度から0.01ポイント下回り、類似団体平均を0.15ポイント下回っている。令和4年度単年度では、財政力指数が0.02ポイント上昇したが元年度比較では0.03ポイント下降となったため、3年平均である財政力指数は下降したものである。今後は、一層の行財政改革等による歳出削減を進めるとともに、市税の徴収強化等による自主財源の確保を図り、財政基盤の強化に努めていく。

経常収支比率の分析欄

経常収支比率は95.7%、前年度対比6.8ポイント悪化しており、財政構造の弾力性は低い状況となっている。これは、経常一般財源において、地方特例交付金、及び地方交付税、並びに臨時財政対策債の減などにより、前年度から3.6%減となり、経常経費充当一般財源において、物価高騰による電気料やガス代等の増加に伴い、物件費が1.9%増となったことが大きな要因である。今後も収納対策の強化等による自主財源の確保や事務事業の見直し、行財政改革の取り組みによる経常経費の削減に努める。

人口1人当たり人件費・物件費等決算額の分析欄

人口1人当たり人件費・物件費等決算額は119,990円となり、前年度対比3,860円の増となったものの、類似団体平均を9,477円下回る結果となった。主な要因については、物価高騰による電気料等の増加などにより物件費全体が234,113千円の増、小学校等の老朽化による修繕料の増加により維持補修費全体が286,438千円の増となったことによるものである。全国平均、県平均を下回る状況ではあるが、今後もより一層の物件費の削減に努めていく。

ラスパイレス指数の分析欄

人事院勧告に準拠した給与改定を行っており、類似団体内平均値と比較して1.1ポイント下回っている。今後においても引き続き給与の適正化に努めていく。

人口1,000人当たり職員数の分析欄

平成30年度から令和4年度までの5年間を計画期間とする「春日部市職員定員管理計画」により、病院部門を除く職員数は1,414人を上限として、その範囲内において職員を配置することとしている。令和4年4月1日現在の職員数は、前年度から19人増の1,970人となっている。なお、本市の人口千人当たりの職員数については、令和4年度は5.72人と前年度より0.1人増加したが、類似団体内平均値を継続して下回っている状況である

実質公債費比率の分析欄

令和4年度の実質公債費比率は2.8%で、前年度と比較して0.3ポイント下がっており、類似団体平均を1.2ポイント下回っている。実質公債費比率は3か年の平均値のため、令和元年度と令和4年度の数値を比較すると、基準財政需要額の増加による普通交付税額の増加などにより、実質公債費比率が単年度では0.7%減となったものの、3か年平均では0.3ポイント下がっている。今後も市債発行の抑制に努め、基準財政需要額に算入のある市債を活用していく。

将来負担比率の分析欄

令和4年度の将来負担比率は9.9%で、前年度と比較して6.2ポイントの増となり、類似団体平均を1.0ポイント下回っている。充当可能財源等の減などにより、将来負担比率の分子となる将来負担額が増加したため、将来負担比率の悪化につながった。今後も後年度に償還額の一定割合が交付税措置される有利な市債を最大限活用するなど、充当可能財源等の確保を図っていく。

経常経費分析表(経常収支比率の分析)(2022年度)

人件費の分析欄

人件費に係る経常収支比率は22.6%と、類似団体平均値を3.2ポイント下回っており、低い水準にある。平成19年度から年功的な給与上昇の抑制等の対策を講じているものの、令和4年度においては、職員手当の増などにより普通会計人件費全体としては88,343千円増となった。今後においても、職員定員管理計画の着実な実施及び人事院勧告に準拠した給与改定の実施等により引き続き給与の適正化に努めていくと同時に、指定管理者制度の導入などの検討を行う。

物件費の分析欄

物件費に係る経常収支比率は、前年度に比べ1.9ポイントの増となり、類似団体平均を4.6ポイント上回った。令和4年度は主に公共施設等の光熱水費・燃料費に係る経費が240,678千円増となったことなどにより、物件費充当経常一般財源等が525,455千円増となったため、前年度比1.9ポイントの増となった。また、類似団体平均を上回っている主な要因は、ごみ処理業務を直営で行っているためであると考えられる。

扶助費の分析欄

扶助費に係る経常収支比率は、前年度に比べ1.4ポイントの増となり、類似団体平均を0.7ポイント上回った。令和4年度は主に介護給付費・訓練等給付費給付事業における扶助費が245,330千円増、生活保護事業における扶助費が193,726千円増となったことなどにより、扶助費充当経常一般財源等が437,891千円増となったため、前年度比1.4ポイントの増となった。引き続き、単独扶助事業の見直しなど、扶助費の抑制に努める。

その他の分析欄

その他の経常収支比率は、前年度に比べ1.6ポイントの増となり、類似団体平均を3.9ポイント上回った。令和4年度は主に西金野井第二土地区画整理事業特別会計繰出金および介護保険特別会計繰出金の増などにより、繰出金充当経常一般財源等が266,443千円増となったため、1.6ポイントの増となった。

補助費等の分析欄

補助費等に係る経常収支比率は、前年度に比べ0.1ポイントの増となり、類似団体平均を4.2ポイント下回った。令和4年度は主に公共下水道事業会計負担金(雨水)が20,142千円増となったものの、公共下水道事業会計補助金が113,041千円減となったことなどにより、補助費等充当経常一般財源等が44,989千円減となり、地方特例交付金等の経常一般財源収入が前年度比1,773,292千円減となったため、0.1ポイントの増となった。今後も定期的な補助制度の見直しや廃止を図っていく。

公債費の分析欄

公債費に係る経常収支比率は、前年度に比べ0.7ポイントの増となり、類似団体平均を1.7ポイント上回った。令和4年度は主に臨時財政対策債の繰上償還を行ったことに伴い償還元金が1,321,728千円増となったことにより、公債費充当経常一般財源が70,280千円増となったため、前年度比0.7ポイントの増となった。今後は、市債の新規発行を伴う普通建設事業費の抑制や平準化などにより、後年度負担の軽減に努める。

公債費以外の分析欄

前年度から6.1ポイントの増となり、類似団体平均を1.8ポイント上回った。令和4年度は主に扶助費及び物件費充当経常一般財源等の増などに伴い、経常収支比率が増となったものと考えられる。今後も高齢化の進展により社会保障関連経費の上昇傾向が続くと見込まれることから、単独扶助事業の見直しなど扶助費の抑制に努めるほか、自主財源の確保や事務事業の見直し、行財政改革の取り組みによる経常経費の削減に努める。

目的別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

議会費

労働費

消防費

諸支出金

総務費

農林水産業費

教育費

前年度繰上充用金

民生費

商工費

災害復旧費

衛生費

土木費

公債費

目的別歳出の分析欄

・農林水産業費は、住民一人当たり2,071円となっている。農林水産業費全体では、前年度比28.5%の増となっており、原油価格・物価高騰等対策として実施した、ちから強い農業経営支援事業(物価高騰の影響を受けた農業経営者に対し助成金を支給)の皆増が主な要因である。・商工費は住民一人当たり5,688円となっている。商工費全体では、前年度比24.9%の増となっており、新型コロナウイルス感染症対策及び原油価格・物価高騰等対策として実施した、プレミアム付商品券発行事業、くらしを運ぶ事業者緊急支援事業(原油価格高騰の影響を受けた運送業者に対し助成金を支給)の増が主な要因である。・土木費は、住民一人当たり32,749円となっている。土木費全体では、前年度比13.9%の増となっており、公共用地代替地(公用地等)取得事業(土地開発公社健全化)の皆増および区画整理事業への繰出金の増等が主な要因である。・衛生費は、住民一人当たり36,155円となっている。衛生費全体では、前年度比6.2%の減となっており、新型コロナウイルス感染症が減少傾向となったことによる新型コロナウイルスワクチン接種事業の減が主な要因である。

性質別歳出決算分析表(住民一人当たりのコスト)(2022年度)

人件費

補助費等

災害復旧事業費

投資及び出資金

物件費

普通建設事業費

失業対策事業費

貸付金

維持補修費

普通建設事業費(うち新規整備)

公債費

繰出金

普通建設事業費(うち更新整備)

積立金

前年度繰上充用金

性質別歳出の分析欄

・歳出決算総額は、住民一人当たり369,829円となっている。主な構成項目である扶助費は住民一人当たり101,547円と、類似団体と比較して一人当たりコストが低い状況となっているものの、令和3年度に新型コロナ感染症の拡大や物価高騰の影響を受けた各種給付金給付事業の増加を主な要因として支出額が一時的に増加した。令和4年度にはそれらの事業終了に伴い前年度比4.1%減少したものの、引き続き、単独扶助事業の見直しや受給資格審査の適正化を図り、扶助費の抑制に努める必要がある。・物件費は住民一人当たり65,606円となっており、類似団体と比較して一人当たりコストが高い状況となっている。これは、ごみ処理業務を直営で行っていることが要因であると考えられる。また、施設の運営管理を指定管理者に委託化したことに伴い、経費の性質が人件費等から物件費(委託料)にシフトしたため、平成30年度と比較すると住民一人当たりのコストは45%程度増加した。

実質収支比率等に係る経年分析(2022年度)

分析欄

財政調整基金残高については、令和4年度末基金残高の標準財政規模比が前年度より0.38ポイント増加し、11.21%となった。これは、財政調整基金の年度末残高が前年度と比べ0.7%増加したためである。実質収支比率について、分母である標準財政規模が、臨時財政対策債等の減少により前年度に比べ2.7%減、分子となる実質収支額は、歳出の増が歳入の増を上回ったことから、形式収支として減となった。また、形式収支から差し引く、翌年度に繰り越すべき財源は減となったが、実質収支は23.0%減と大幅に減となったことから、実質収支比率は2.18ポイント減少した。今後も、中長期的な展望を踏まえ、適正かつ健全な財政運営に努めていく。

連結実質赤字比率に係る赤字・黒字の構成分析(2022年度)

分析欄

平成20年度以降、各会計とも黒字で推移している。しかしながら、景気はまだ回復の途上にあり、少子高齢化の進行による市税収入の減少や、社会保障関連経費の増大が懸念されるなど、地方財政を取り巻く環境は、依然として楽観を許さない状況が続いている。市独自の事情として、連続立体交差推進事業や中学校等施設長寿命化推進事業など大規模事業が進行中である。したがって、今後も連結実質赤字比率の推移に注視しながら、中長期的な展望を踏まえた健全な財政運営に努める必要がある。

実質公債費比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

元利償還金等は、臨時財政対策債の増による元利償還金の増などにより、全体として増加となった。算入公債費等は、合併特例債償還費の減に伴い災害復旧費等に係る基準財政需要額の減により減少となった。元利償還金等が算入公債費等の減少に比して増加したことにより、実質公債費の分子は、増加する結果となった。今後は、大規模事業による元利償還金の増などにより、増加することが予想される。

将来負担比率(分子)の構造(2022年度)

分析欄

将来負担額は、公営企業債等繰入見込額及び地方債の現在高が減となったため、全体としては減少した。充当可能財源等は、基準財政需要額算入見込額及び充当可能基金が減となり、全体としては減少した。将来負担比率の分子は、将来負担額及び充当可能財源等はともに減少となり、全体としては減少した。今後は、大規模事業による地方債残高の増加、基金の取崩しなどにより、増加することが予想される。

基金残高に係る経年分析(2022年度)

基金全体

(増減理由)令和3年度と比較して、歳入における地方税、地方消費税交付金の増及び歳出における適切な財源の確保と歳出の精査により、財政調整基金が0.4億円の増となったが、臨時財政対策債償還元金の財源として減債基金を12.0億円、本庁舎整備事業の財源として公共用地及び施設取得又は施設整備基金を3.6億円取り崩したことにより、基金全体では11.8億円の減となった。(今後の方針)今後については、本庁舎整備をはじめとした大規模事業や、公共施設マネジメント基本計画に基づく各種事業などが控えているため、公共用地及び施設取得又は施設整備基金は、減少傾向となる見込みである。しかしながら、エネルギー価格や物価高騰への対応など、不時の支出に対する備えとしても、特に財政調整基金については、一定規模(標準財政規模の5~10%程度)を維持する必要があると考える。

財政調整基金

(増減理由)令和3年度と比較して、歳入においては、地方税が9.4億円、地方消費税交付金が1.8億円の増となり、歳出においては、適切な財源の確保と歳出の精査を行った。その結果、取崩しを回避し積立を行うことができたため、基金残高は35百万円の増となった。(今後の方針)今後については、行政ニーズを的確にとらえた各種事業の推進、本庁舎整備をはじめとした大規模事業や、公共施設マネジメント基本計画に基づく各種事業が控えていること、また、エネルギー価格や物価高騰への対応など、不時の支出に対する備えとしても一定規模(標準財政規模の5~10%程度)を維持する必要があると考えるが、減少傾向となる見込みである。

減債基金

(増減理由)令和4年度は臨時財政対策債償還費用の財源として、基金残高全額の1,202百万円を取り崩したことにより基金残高は減となった。(今後の方針)今後控えている本庁舎整備などの大規模事業に伴う地方債の償還に対し、必要に応じ積み立てや取崩しを行う。

その他特定目的基金

(基金の使途)・公共用地及び施設取得又は施設整備基金:公共用地及び施設の取得又は施設の整備費用に充てるため。・地域振興基金:市民の連帯の強化及び地域振興を目的とする事業の財源に充てるため。・ふるさとかすかべ応援寄附金:本市を応援するために寄せられた寄附金を活用し、寄附者の意向を反映した施策の展開に要する経費の財源に充てるため。(増減理由)・公共用地及び施設取得又は施設整備基金:令和4年度は302百万円を積み立てたものの、本庁舎整備事業の財源として361百万円を取り崩したことにより、基金残高は59百万円の減となった。・地域振興基金:基金運用による運用益を13百万円積み立て、取り崩しを行わなかったことにより基金残高は13百万円の増となった。・ふるさとかすかべ応援寄附金:令和3年度に積み立てた41百万円について、寄附者の意向を反映した事業の財源として取り崩したが、今年度の寄附金額41百万円を積み立てたことにより、基金残高は増減なしの41百万円となった。(今後の方針)・公共用地及び施設取得又は施設整備基金:本庁舎整備や春日部駅付近連続立体交差事業などの大規模事業に対して十分といえる状況ではないため、これらに備え、今後においても可能な限り、基金の積立に努めていく。・地域振興基金:令和4年度は取り崩しを行わなかったが、今後においては各事業推進のため、毎年200百万円から300百万円の取崩しが見込まれる。

公会計指標分析・財政指標組合せ分析表(2022年度)

有形固定資産減価償却率の分析欄

有形固定資産減価償却率は平成30年度以降は緩やかに上昇している。上昇の要因としては、以前から保有する資産の減価償却が進行したものであり、今後も同様の推移となると考えられる。

債務償還比率の分析欄

令和4年度は、将来負担額及び充当可能財源等が、公営企業債等繰入見込額及び地方債現在高の減や基準財政需要額算入見込額及び充当可能基金の減により、分子は減少したが、一方で経常経費充当財源の増加により分母が大きく減少したため、令和3年度に比べ158.1%上昇した。今後も大規模事業等により地方債残高等の増加が見込まれるため、将来負担額が過大とならないよう、より計画的に借入等の管理を行っていく必要がある。

分析欄:将来負担比率及び有形固定資産減価償却率の組合せによる分析

令和4年度において、将来負担比率が9.9%で、前年度に比べ6.2ポイント上昇したが、これは将来負担額から充当可能財源等を控除した額(分子)が令和3年度より約184億円増加したことが要因である。なお、類似団体内平均と比較して、本市の将来負担比率及び有形固定資産減価償却率は現時点では低く推移しているが、今後も持続可能な公共施設の維持により計画的に取り組む必要がある。

分析欄:将来負担比率及び実質公債費比率の組合せによる分析

5年間の推移でみると、将来負担比率は、平成30年度の市債繰上償還や令和元年度の下水道事業会計等への公営企業債等繰入見込額の減少、令和2年度の充当可能財源等の減少、令和3年度の充当可能財源等の増加、令和4年度の充当可能財源等の減少等により、毎年度大きく変動しているが、全体としては7.4%減少している。対して実質公債費比率は、令和3年度までは過去の高利率の市債の償還の終了及び近年の低利率での市債の発行が影響し、およそ逓減となっていたが、令和4年度は元利償還金等が算入公債費等の減少以上に増加したことにより微増となったが、全体としては0.2%の減少にとどまっている。

施設類型別ストック情報分析表①(2022年度)

道路

橋りょう・トンネル

公営住宅

港湾・漁港

認定こども園・幼稚園・保育所

学校施設

児童館

公民館

施設情報の分析欄

認定こども園・幼稚園・保育所の有形固定資産減価償却率は令和2年度に複合型子育て支援施設が整備されたため大きく減少し、令和4年度に保育所の増築があったため微減し、類似団体内平均値を14.5ポイント下回る結果となった。その他の有形固定資産においては、令和4年度は大きな整備等を実施しなかったため、増加傾向となっている。中でも橋りょう・トンネル、学校施設、公営住宅については減価償却率が70%を超えており、公営住宅、公民館については類似団体内平均値を10%以上上回っているため、公共施設マネジメント計画等に基づき適正に管理・更新を行っていく必要がある。

施設類型別ストック情報分析表②(2022年度)

図書館

体育館・プール

福祉施設

市民会館

一般廃棄物処理施設

保健センター・保健所

消防施設

庁舎

施設情報の分析欄

庁舎においては、有形固定資産減価償却率から、類似団体よりも老朽化が進行していることが見てとれるが、令和5年度に新本庁舎が完成予定となっており、今後大きく変動すると思われる。その他の有形固定資産においては、令和4年度は大きな整備等を実施しなかったため、増加傾向となっている。中でも図書館、体育館・プール、市民会館については減価償却率が70%を超えており、類似団体内平均値と比較して約20%程度上回っているため、公共施設マネジメント計画等に基づき早急に対応していく必要がある。

財務書類に関する情報①(2022年度)

資産合計

負債合計

1.資産・負債の状況

一般会計等においては、資産総額が前年度末から17,120百万円の減(-5.6%)となった。これは、新本庁舎の建設による関係費用の増や新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策費の増による資産増があった一方で、既存施設の老朽化による現有固定資産の減価償却費の増や、出資金や長期延滞債権等の現状を精査したこと等により資産減となったものである。今後は、令和5年度が新本庁舎建設の最終年度であるため短期的な資産増が見込まれる一方で、減価償却がかなり進んでいる既存施設への対応が急務になると予想されることから、公共施設等総合管理計画等に基づき、施設の更新や長寿命化を進めるなど、公共施設の適正管理に努める。

純経常行政コスト

純行政コスト

2.行政コストの状況

一般会計等においては、純経常行政コストは70,617百万円となり、前年度比3,715百万円の減(-5.0%)となった。そのうち、主な内訳として業務費用における物件費等は23,166百万円で前年度比2,707百万円の減(-10.5%)、また、移転費用における補助金等は12,220百万円で前年度比2,953百万円の減(-19.5%)となっており、これは新型コロナウイルス感染対策関連事業費の縮小によるものと思われる。一方で、業務費用における人件費は11,320百万円で前年度比304百万円の増(+2.8%)、また、移転費用における社会保障給付は18,569百万円で前年度比276百万円の増(+1.5%)となっており、低所得者世帯等への臨時給付金事業費等の増によるものと思われる。費用のうち、最も金額が大きいのが物件費で23,166百万円、次に社会保障給付で18,569百万円となっているが、新型コロナウイルス感染症対策経費が縮小する一方で、新本庁舎建設などの大規模事業の実施や高齢化の進展等により、引き続き増加傾向が続くことが見込まれる。

本年度差額

本年度末純資産残高

本年度純資産変動額

3.純資産変動の状況

一般会計等においては、純行政コストが70,536百万円で前年度比3,625百万円の減(-4.9%)、税収等と国県等補助金を合わせた財源が73,349百万円で前年度比2,886百万円の減(-3.8%)となっており、いずれも前年度より減少しているが、財源(73,349百万円)が純行政コスト(70,536百万円)を上回っているものの、出資金や長期延滞債権等の資産の精査を行ったこと等により、純資産残高は23,429百万円の減となっている。また、財源の内訳は、税収等が47,971百万円で前年度比550百万円の増(+1.2%)、国県等補助金が25,378百万円で前年度比3,436百万円の減(-11.9%)の減となっている。これは、令和3年度の新型コロナウイルス関連事業費や低所得者世帯等への給付金事務費等にかかる補助金等に対し、令和4年度分の収入が減となったことが主な要因と思われる。令和5年度も新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けると予想されるが、コロナ禍においても、大規模事業を進めていく際には、国庫補助等のさらなる積極的な活用と行政コストの縮減を検討する必要がある。

業務活動収支

投資活動収支

財務活動収支

4.資金収支の状況

一般会計等においては、業務活動収支は4,291百万円で前年度比2,649百万円の減(-38.2%)となっており、令和3年度の新型コロナウイルス関連事業費や低所得者世帯等への給付金事務費等にかかる補助金等に対し、令和4年度分の収入が減となったことによる国県等補助金収入の減が原因である。また、投資活動収支は△4,314百万円で前年度比872百万円の増(+16.8%)となっっており、新本庁舎建設による公共施設等整備費支出の増に伴い、基金積立金支出減および基金取崩収入増となったため、収支はプラスとなっている。財務活動収支は△1,145百万円で前年度比1,000百万円の減(-689.7%)となっており、地方債償還支出が地方債発行収入を上回ったことによるものである。今後においても、予定されている大規模事業の実施による投資活動支出の増加や起債の償還による財務活動支出の更なる増加が見込まれるため、大規模事業の実施にあたっては、起債の償還スケジュールを踏まえた計画的な事業実施に留意する必要がある。

財務書類に関する情報②(2022年度)

①住民一人当たり資産額(万円)

②歳入額対資産比率(年)

③有形固定資産減価償却率(%)

1.資産の状況

住民一人当たり資産額は約124万円であり、合併前に旧市町毎に整備した公共施設があるため、保有する施設数が非合併団体よりも多いものの、類似団体平均約146万円に比べて下回っている。しかし、今後、新庁舎建設をはじめとする大規模事業により大きく増加する見込みである。また、有形固定資産減価償却率をみると、老朽化した施設が多く、類似団体平均よりは低いものの60%を超えている。将来の公共施設等の修繕や更新等に係る財政負担を軽減できるよう、公共施設等総合管理計画等に基づき、施設保有量の適正化に取り組む。

④純資産比率(%)

⑤将来世代負担比率(%)

2.資産と負債の比率

出資金や長期延滞債権等を精査したことによる資産の減や新本庁舎建設等に伴う負債の増に伴い、純資産も減となっており、類似団体平均値との純資産比率の差は△7.9%で大きく下回っている。今後においても、新本庁舎建設をはじめとした大規模事業による負債の増が見込まれるため、より一層純行政コストの縮減に努める。

⑥住民一人当たり行政コスト(万円)

3.行政コストの状況

住民一人当たり行政コストは、類似団体平均をやや下回っているが、新本庁舎建設等に伴う物件費等の増や高齢化等に伴う社会保障給付の増等により、費用の増大が見込まれるため、引き続き、経常費用の削減と経常収益の確保に取り組む必要がある。

⑦住民一人当たり負債額(万円)

⑧基礎的財政収支(百万円)

4.負債の状況

住民一人当たり負債額は、新本庁舎の建設等により前年度比+2.9%となっており、今後も鉄道高架事業等の大規模事業が予定されていることから負債額が大きく増加することが予想されるため、債務負担行為の設定状況や地方債残高等の適正管理に努める。

⑨受益者負担比率(%)

5.受益者負担の状況

受益者負担比率は前年度より増となっているものの、依然として類似団体平均を下回っており、行政サービス提供に対する直接的な負担の割合は比較的低くなっている。新本庁舎の建設等により、受益者負担率は今後も微増すると予想されるため、今後も、公共施設等総合管理計画等に基づき、老朽化した施設の集約化、複合化、長寿命化等を行うことで、経常費用の削減に努める。

出典: 財政状況資料集, 統一的な基準による財務書類に関する情報,