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近年、財視力指数については、町村合併(平成17.2月)以降、減少傾向にある。これには、人口の減少や高齢社会の影響が考えられ(平成23.10月現在37.7%)と全国及び熊本県内の平均を上回っている。加えて町の主産業である農林業等の経営状況の低迷により財政基盤が著しく弱いものとなっている。合併時の取り決め事項である当面10年間の新規採用者の抑制や従前から恒常的に実施されていた補助金や負担金などの見直しや投資的経費の抑制など、徹底的な歳出面の見直しの実施により、今後の行政の効率化を一層強化し、財政の健全化に努める。
公債費が平成20年度をピークに年々徐々に減少傾向にある。人件費も比較的には未だ類似団体より高いものの同じように減少傾向にはあるが、前年度と比較し、地方税(対前年度比34,402千円)など一部を除き、軒並み減少(普通交付税-132,094千円、地方消費税交付金-7,860千円、自動車取得税交付金-7,325千円など)した。また、臨時財政対策債において発行可能額457,721千円に対し、発行額が200,000千円に留まったことから経常一般財源等が大幅に減少したことにより昨年度を上回った。(-568,332千円)今後は人件費の手当等の削減に引き続き努め、町税の徴収率向上を図り(夜間窓口開放、臨戸徴収、滞納整理)自主財源の充実確保にこれまで以上に努める。
人件費、物件費及び維持補修費の合計額の人口一人当たりの金額が類似団体内の平均値を上回っているのは、主に人件費が要因となっている。これらは、ごみ、し尿処理、保育所などの施設運営が直営で行っているためである。今後、民間でも実施可能な部分については、すでに導入している指定管理者制度やアウトソーシング等の導入によりコストの削減及び低減を図っていく方針である。
類似団体平均値(102.4)と同じとなっている。合併後の旧町村間の給与格差は概ね解消ができたと思われるが、行政職給料表4級(6級制)に格付けされている職員が全体の約4割を占めていることから、昇格等の面において引き続き見直しを行っていく。
本町は、3カ町村(旧蘇陽町、旧矢部町、旧清和村)が平成17年2月に町村合併し、県内でも上位となる広大な面積(544.83平方キロメートル)を有している。そのため旧蘇陽町、旧清和村の役場を総合支所として機能、運営させていることにより、15.4人と類似団体平均値(10.81)、熊本県平均値(7.74)を大きく上回る形となっている。今後は、総合支所のあり方(見直し)など集中改革プランに沿った事業の見直しにより適切な定員管理に努める。
近年では、大型投資事業の適切な取捨選択により類似団体平均値と比較し4.8ポイント下回っているものの、地方債発行上限の設定や今後控えている大規模な事業計画の整理・縮小や再検討により今後の水準も抑制していく。
将来負担比率が年々減少傾向(前年度比6.4ポイントの減)にあるのは、地方債残高が減少していることが第一の要因である。これは、近年、普通建設事業の嵯別を図り、地方債の発行額を抑制したことと、交付税措置の割合の高い地方債の借り入れに努めた結果だと思われる。普通交付税の動向に左右されるものでもあるが、今後も引き続き公債費等の義務的経費の削減を中心として、財政の健全化を図っていく。
職員数や手当の水準が類似団体と比較して高いため、経常収支比率の人件費分が高くなっており、特に人口1,000人あたりの職員数は、15.4人と類似団体平均値より、4.59ポイント高くなっている。しかし、比率は年々減少傾向にある。今後も新規採用の抑制や集中改革プランに掲げた取り組みの一層の強化により改善を図っていく。
物件費については、類似団体平均と比較し、0.1ポイント下回ったものの、昨年より0.3ポイント増加した。物件費の中で、最もウエイトを占めているのが委託料である。町内の11施設の維持管理等において指定管理者制度を導入しているためと考えられる。委託先を民間企業へと対象を広げて運営をしているため、今後、競争に伴うコスト削減効果が出てくることが見込まれる。
扶助費の決算額は、年々増加傾向にあるものの、それに伴う経常収支比率が類似団体平均値を下回っているのは、単独事業の割合が低いことと思われる。今後も扶助費については、増加することが予想されるが、必要最低限にとどめ、財政の健全化に努める。
その他に係る経常収支比率は、類似団体平均を3ポイント下回ったが、簡易水道事業や病院建設の新規整備事業が続いているため、繰出金が増加することが見込まれる。独立採算の原則に基づき、料金の値上げ等による運営の強化とともに、普通会計の負担を減らしながら健全化を図ったいく。
補助費等その他に係る経常収支比率は、類似団体平均を2.9ポイント下回っているが、各種団体への補助交付金については、類似団体を上回っており、補助金交付が長期間に亘るもの、不適当な補助金など、交付基準の見直しや廃止等を行う方針で進める。
合併前に大型事業が集中し、旧町村の地方債を引き継いだことにより、地方債残高が増加した。これらの影響で、公債費に係る経常収支比率は高い状態にあった。公債費の一定のピークだった平成20年度以降減少傾向にあり、平成22年度は21%と前年比2.6ポイントの減となり、さらに今年度は前年比の0.2ポイント減となった。しかしながら、類似団体平均値を0.3ポイント、県内市町村平均値を2.1ポイント上回っている。引き続き地方債の発行額の上限設定や抑制、また普通建設事業の嵯別化を図るなど、財政の健全化に努める。
公債費以外に係る経常収支比率は、前年度と比較して2.4ポイント上回ったが、類似団体平均値、県内市町村平均値をそれぞれ1.9ポイント、6.6ポイント下回っている。人件費及び物件費が依然として高いため、今後、適正な定員管理と事業の見直し等を図り、健全な財政運営に努めていく。
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